先生、甘い診察してください
浮かれてたけど、お兄ちゃんには何て言えばいいんだろう…?
だけどその日の夜。
「あや、明日ちょっと出かけてくるから」
夕飯を食べてると、唐突な報告が。
「急用ができちゃって、朝から出かけるからね」
「そっか」
「ちゃんと朝ご飯は作っておくから」
「うん。わかった」
お兄ちゃん、朝から出かけるのか。それを聞いてホッとした。
大橋先生と2人でお茶に行く、なんてバレたら…面倒な事になりそうだから。
「…なーんか良い事あった?」
「えっ!!な、なんでっ?」
「嬉しそうな顔してるから」
…すごい。よくわかるなぁ。
「そういや智也も、妙に嬉しそうな顔してたっけなぁ」
「えっ…」
「ねぇ、今日はどういう会話したの?」
「まぁ、いろいろ…」
私だけじゃなくて、大橋先生も明日…楽しみにしてくれてるのかな?
もしそうなら、嬉しい。
本当は琉璃ちゃんにも、メールで報告したかったけど…今はできない。
好きな人ができた事自体、言えてないし…。