先生、甘い診察してください


浮かれてたけど、お兄ちゃんには何て言えばいいんだろう…?



だけどその日の夜。




「あや、明日ちょっと出かけてくるから」


夕飯を食べてると、唐突な報告が。



「急用ができちゃって、朝から出かけるからね」

「そっか」

「ちゃんと朝ご飯は作っておくから」

「うん。わかった」


お兄ちゃん、朝から出かけるのか。それを聞いてホッとした。



大橋先生と2人でお茶に行く、なんてバレたら…面倒な事になりそうだから。



「…なーんか良い事あった?」

「えっ!!な、なんでっ?」

「嬉しそうな顔してるから」



…すごい。よくわかるなぁ。



「そういや智也も、妙に嬉しそうな顔してたっけなぁ」

「えっ…」

「ねぇ、今日はどういう会話したの?」

「まぁ、いろいろ…」



私だけじゃなくて、大橋先生も明日…楽しみにしてくれてるのかな?



もしそうなら、嬉しい。




本当は琉璃ちゃんにも、メールで報告したかったけど…今はできない。


好きな人ができた事自体、言えてないし…。



< 63 / 497 >

この作品をシェア

pagetop