先生、甘い診察してください


「いや、似合わないとか…そうじゃなくて」


慌てふためいた様子の先生が少し困った表情をして、頭をかいた。





「丈が、短いよ。それ……」



丈は、膝上だから少し短め。


全然そんなの気にした事なかった。



「治療の時はそんな短いの…着て来た事なかったじゃん」



治療の時は、横になるわけだから、万が一見えたら困るから、長めのスカートを履いてる。




「男はみんな狼さんなんだよ?あんま露出してたら、襲われちゃうよ?だってあやちゃん、可愛いもん」


可愛い、か。



多分この言葉に深い意味はないと思う。でもやっぱ……。



「…ど、どうも、です」



好きな人からの“可愛い”は特別な意味に思えちゃう……。



「でも、可愛いよ。その服。似合ってる」


先生は、いつも何気に私をドキッとさせてくれるね。


不意打ちばっかり。ズルイ……。


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