先生、甘い診察してください

先生の手が、Tシャツの裾を掴む私の手に触れた。


「随分と、色っぽい顔するね」


先生の表情は相変わらず、ニコニコと穏やかだった。



「でも、あやちゃんだって僕の事、言えないよね?」

「えっ……?」


いつの間にか先生は、私の手をTシャツから離し、握ってた。




「あやちゃんがしてる事も僕と同じ。思わせぶりで、人をその気にさせるような事ばかり」

「私は……」


だって私は、先生の事が好きだもん。だから……。



「さっきのだって。“先生がいい”なんて言い方、まるで告白みたい」


確かにちょっと告白っぽかったけど……。



「あやちゃん……僕を翻弄して、楽しんでる?」

「い、いえ」



ちょっと、先生?顔が近いですよ?


いつの間にか私と先生の顔の距離は、およそ5センチくらいに。



ドキドキしながらも、ポワンと赤く染まる頬。



……ヤダ。赤くなったら、バレちゃうかな?


私が先生の事、好きって……。



「……あやちゃん」



先生の右手が私の頬に触れた。


その瞬間、私はギュッと目を閉じた。


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