先生、甘い診察してください
「ただいま」
家に帰ると、
「お帰り」
お兄ちゃんはもう帰ってきてた。
「楽しかった?」
「うん、すごく……」
さっきの出来事なのに、夢を見てたみたいに感じる。
先生と一緒に過ごした、印象的な時間が全部夢みたいに思える……。
「雨降ってたけど大丈夫だった?濡れなかった?」
「平気。雨宿りしてたから」
先生の家でね。
「ケーキ買ってきたから、一緒に食べようか」
「うん」
「あや、ポニーテールも可愛いね。俺的には結んでるのも好きだな。ねぇ、写真撮っていい?」
お兄ちゃんの顔がデレデレしてる。
「手、洗ってくる……」
苦笑いしつつ、逃げるように洗面所へ。
洗面所で手を洗って、鏡を見ると、頬がまだほんのり赤かった。
熱があるとか、そんなんじゃない。
今日のいろんな出来事の余韻のせいで、頬が赤く、熱くなってるんだ。
今日は、濃度の濃い1日だったなぁ……。