BitteR SweeT StrawberrY
【1】 ~Y~
あたしには何もない。
特技もなければ、趣味もない。
これと言って何の特徴もない。
さほど美人でもないし、スタイルが良い訳もない。
あたしは、ただの凡人で、そして、いたって普通のOL。
だけど、三年付き合ってる彼氏はいる。
友達もそこそこいるけど、皆、あたしという人間を、ちゃんと理解して付き合ってくれているのかは、不明。
毎日の仕事はきちんと真面目にこなして、仕事の帰りに時々彼氏とデートして、家に帰る。
特にこれといって、変化もない生活。
だからと言って、何か特別なものを望んでいる訳でもない。
そう。
あたしはいたって普通の人で、こうやって普通に生活して、そのうち普通に結婚して、普通の家庭を持って、普通のおばあちゃんになって、そして、死んでいくんだ。
本当に平凡な日々。
ホワイトデーが来れば、平凡なあたし・・・押野 優子も26歳になる。
アラサーへのカウントダウンはもう始まってるんだ・・・
いつもの通り、夕方5時過ぎにはオフィスを出て、駅へと向かう。
この時間は、本当に嫌になるほど人が多い。
雑踏の中に取り残されてしまいそうになって、あたしは早足で歩く。
人の流れに置いていかれないように、必死で歩いていくだけ。
まるであたしの、26年間の人生のよう。
人に置いていかれないように、そして、目立つことのないように、足並みをそろえて必死で歩くだけ。
時々、こんな人生でいいのかなって思う。
だからと言って、この“普通”という名前をしたレールから外れたいとも思わないし、そこから外れる勇気もない。
だから、あたしは、いつまで経っても普通のまま。
平凡なまま。
平凡な人生を歩んでいくんだと思ってた・・・
この日の夜までは・・・
特技もなければ、趣味もない。
これと言って何の特徴もない。
さほど美人でもないし、スタイルが良い訳もない。
あたしは、ただの凡人で、そして、いたって普通のOL。
だけど、三年付き合ってる彼氏はいる。
友達もそこそこいるけど、皆、あたしという人間を、ちゃんと理解して付き合ってくれているのかは、不明。
毎日の仕事はきちんと真面目にこなして、仕事の帰りに時々彼氏とデートして、家に帰る。
特にこれといって、変化もない生活。
だからと言って、何か特別なものを望んでいる訳でもない。
そう。
あたしはいたって普通の人で、こうやって普通に生活して、そのうち普通に結婚して、普通の家庭を持って、普通のおばあちゃんになって、そして、死んでいくんだ。
本当に平凡な日々。
ホワイトデーが来れば、平凡なあたし・・・押野 優子も26歳になる。
アラサーへのカウントダウンはもう始まってるんだ・・・
いつもの通り、夕方5時過ぎにはオフィスを出て、駅へと向かう。
この時間は、本当に嫌になるほど人が多い。
雑踏の中に取り残されてしまいそうになって、あたしは早足で歩く。
人の流れに置いていかれないように、必死で歩いていくだけ。
まるであたしの、26年間の人生のよう。
人に置いていかれないように、そして、目立つことのないように、足並みをそろえて必死で歩くだけ。
時々、こんな人生でいいのかなって思う。
だからと言って、この“普通”という名前をしたレールから外れたいとも思わないし、そこから外れる勇気もない。
だから、あたしは、いつまで経っても普通のまま。
平凡なまま。
平凡な人生を歩んでいくんだと思ってた・・・
この日の夜までは・・・
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