BitteR SweeT StrawberrY
今日もまた、あたしは無駄にドキッとして、思わず照れ笑いしてしまう。
唇で小さく笑いなが、ゆっくりとあたしにむかって歩いてくるのは…
ケイだった。
「お疲れさま~」
あたしはそう言って、ちょっと照れながら笑ってみる。
ケイは、そんなあたしの髪をふわっと撫でてから、検品済の棚の前に立った。
然り気無く髪を撫でられて、あたしは、むだに照れまくりながら、亀みたいに首をすくめる。
そんなあたしに向かって、くすくすと笑いながら、ケイが言った。
「優子、検品済の伝票渡して」
「あ、はいっ!」
あたしは慌てて、検品済伝票を棚の前にいるケイに渡した。
「サンキュ…優子は休憩取っていいぞ。コーヒーでも飲んでこいよ」
「あ、うん!」
あたしはうなずいたけど、なんとなく、ケイの作業してる姿を見ていたくて、作業テーブル椅子に座ってみる。
ケイは、伝票を見ながら、幾つかの段ボールを棚から下ろして、中身を開けた。
「品だしするの?」
あたしがそう聞くと、ケイはちらっとあたしに振り返って、小さく笑う。
「定休日明けに出すやつを、ちょっと用意しとくかなってさ」
「うん。そっか。
あ、そう言えば、荷物の中身、なんだか夏物っぽいのも多くなったね?」
「夏物は、さすがにまだ出さないけどな」
ケイはそう言って笑った。
あたしも、つい、釣られてにっこりと笑ってしまう。
「検品で色んなお洋服見れて、なんだか楽しくてさ。
あっと言う間に時間過ぎちゃうよ~
会社で端末いじってるより楽しくてさ。
きっとあたし、こういう地味な仕事向いてるんだと思う!」
「ぶ…っ!
あははは!
おまえ、自信満々に地味な仕事向いてるとか!吹くからやめろっ」
ケイはそう言って、まるで、ツボにハマったかのように大笑いする。
「あ!ひどい!なんでそんなに笑うのよぉ!?」
「いや!笑うだろ!
地味な仕事向いてるとか!自信満々で!
それどんな自信だよ?吹くに決まってる!」
ケイの笑いは何故か止まらない。
「むぅっ」
あたしは膨れっつらをするけれど、相変わらず、顔が赤いままだから、全然迫力がない。
ひとしきり笑っていたケイが、涙目になりながら、未だにくすくす笑って、膨れっつらのあたしを見る。
そしてケイは、突然、あたしにこんな事言ったのだった。
「優子、おまえ、たまに表もやってみないか?」
「え?」
「あんまり表にいて、会社の誰かに見つかってもあれだから、スタッフの誰かが、休憩入ってる時だけ」
あたしはびっくりして、きょとんと目を丸くしてしまう。
「えぇ!?あ、あたし、接客業なんかやったことないよ!?
学生の時のバイトだって、ファミレスの調理だったし!」
「まぁ、多少の向き不向きは、確かにあるけど…
オレはおまえが、接客向いてないとは思えないんだよな」
「な、なんで!?」
「おまえ、空気読んで受け答えできるし。
コミュニケーション能力はちゃんと持ってるし、相手に気も使えるしな。
それに…」
「え?」
「クレーム付けてきた客に、あれだけ冷静に対応できた訳だし」
「あ…」
「うん。だから、出来ないとか向いてないとか思ってるのはおまえだけで、実際には結構いけんじゃないかなって、そう思ってさ」
ケイはそう言って、とっても柔らかな表情で微笑んだ。
唇で小さく笑いなが、ゆっくりとあたしにむかって歩いてくるのは…
ケイだった。
「お疲れさま~」
あたしはそう言って、ちょっと照れながら笑ってみる。
ケイは、そんなあたしの髪をふわっと撫でてから、検品済の棚の前に立った。
然り気無く髪を撫でられて、あたしは、むだに照れまくりながら、亀みたいに首をすくめる。
そんなあたしに向かって、くすくすと笑いながら、ケイが言った。
「優子、検品済の伝票渡して」
「あ、はいっ!」
あたしは慌てて、検品済伝票を棚の前にいるケイに渡した。
「サンキュ…優子は休憩取っていいぞ。コーヒーでも飲んでこいよ」
「あ、うん!」
あたしはうなずいたけど、なんとなく、ケイの作業してる姿を見ていたくて、作業テーブル椅子に座ってみる。
ケイは、伝票を見ながら、幾つかの段ボールを棚から下ろして、中身を開けた。
「品だしするの?」
あたしがそう聞くと、ケイはちらっとあたしに振り返って、小さく笑う。
「定休日明けに出すやつを、ちょっと用意しとくかなってさ」
「うん。そっか。
あ、そう言えば、荷物の中身、なんだか夏物っぽいのも多くなったね?」
「夏物は、さすがにまだ出さないけどな」
ケイはそう言って笑った。
あたしも、つい、釣られてにっこりと笑ってしまう。
「検品で色んなお洋服見れて、なんだか楽しくてさ。
あっと言う間に時間過ぎちゃうよ~
会社で端末いじってるより楽しくてさ。
きっとあたし、こういう地味な仕事向いてるんだと思う!」
「ぶ…っ!
あははは!
おまえ、自信満々に地味な仕事向いてるとか!吹くからやめろっ」
ケイはそう言って、まるで、ツボにハマったかのように大笑いする。
「あ!ひどい!なんでそんなに笑うのよぉ!?」
「いや!笑うだろ!
地味な仕事向いてるとか!自信満々で!
それどんな自信だよ?吹くに決まってる!」
ケイの笑いは何故か止まらない。
「むぅっ」
あたしは膨れっつらをするけれど、相変わらず、顔が赤いままだから、全然迫力がない。
ひとしきり笑っていたケイが、涙目になりながら、未だにくすくす笑って、膨れっつらのあたしを見る。
そしてケイは、突然、あたしにこんな事言ったのだった。
「優子、おまえ、たまに表もやってみないか?」
「え?」
「あんまり表にいて、会社の誰かに見つかってもあれだから、スタッフの誰かが、休憩入ってる時だけ」
あたしはびっくりして、きょとんと目を丸くしてしまう。
「えぇ!?あ、あたし、接客業なんかやったことないよ!?
学生の時のバイトだって、ファミレスの調理だったし!」
「まぁ、多少の向き不向きは、確かにあるけど…
オレはおまえが、接客向いてないとは思えないんだよな」
「な、なんで!?」
「おまえ、空気読んで受け答えできるし。
コミュニケーション能力はちゃんと持ってるし、相手に気も使えるしな。
それに…」
「え?」
「クレーム付けてきた客に、あれだけ冷静に対応できた訳だし」
「あ…」
「うん。だから、出来ないとか向いてないとか思ってるのはおまえだけで、実際には結構いけんじゃないかなって、そう思ってさ」
ケイはそう言って、とっても柔らかな表情で微笑んだ。