BitteR SweeT StrawberrY
そういえば・・・
ケイ、なんだか、ちょっと顔色悪い・・・
「どうしたの?また、どっか具合悪い?」
「んー?ああ・・・いや、そうでもないよ」
「・・・そっか、なら、いいんだけど」
「うん」
あたしは、ケイのその返事に、ちょっと得体の知れない不安を感じたけど、変に浮かれてたあたしは、自分でも脳天気だなって思うようなことを、目の前のケイに聞いてしまう。
「今日の服・・・あれ、ほんと可愛いかったぁ!
ねぇ、ケイ?少し前金入れるから・・・あのお洋服・・・
取り置きしといてもらっていい??」
ケイは、可笑しそうに笑ってコーヒーカップをテーブルに置くと、その手で苺をつまみながら、こう言った。
「いいよ。優子仕様にしといてやるよ」
「おおおお!ほんとに!嬉しいんだけど!」
「おまえ、今日はほんとに浮かれすぎ!大丈夫か?」
「ひどい言い方だなぁ・・・・
でも、ケイってやっぱり凄いよね!」
「なんで?」
「ん?だって、センスいいもん。
洋服のコーデとか、ぱぱって決められちゃってカッコイイ」
「いや、それが仕事だから!」
あははって笑ったケイが、大粒の苺を口に運ぶ。
あたしも、手を伸ばしてフルーツ皿から苺を取ると、それを口に入れる。
「あたしも・・・勉強すれば、コーデとか上手くなるかな?」
「ためしに勉強してみれば?そこに・・・」
ケイは、本棚を指差しながら言葉を続ける。
「それ系の本なら山ほどあるぞ。読みたければ勝手にもってけ」
「いいの?!」
「いいよ。探究心は応援してやる主義」
「あはは!そっか!」
あたしは苺を食べながら本棚に目をやった。
初めてケイの部屋に来たときにも、本の多さにびっくりしたっけ・・・
洋服とかデザインとか、カラーコーデの本が沢山ある。
本を見回してたあたしの目線は、ふと、その本の合間に置いてある篭で止まった。
初めて来た時にも、なんとなく気になってた・・・大学病院の薬の袋。
あの時・・・
佐野さんとのことを勘違いしたあの時、佐野さんは、「病院に行ったのか」って、ケイに聞いてた。
荷物を取りに行った時も、「ケイに何かあったら、連絡してくれ」って、真剣な顔で言ってた。
また、じんわりと、あたしの心に不安が広がる。
佐野さんどうのっていう不安じゃなくて・・・
ケイは・・・
どこか具合が悪いのかなって・・・
「ケイ・・・?」
「ん?」
思わず呼びかけたあたしに、ケイは、苺をつまみながら、あたしに振り返る。
あたしは、そんなケイの綺麗な顔をまっすぐに見つめられないまま、こう言った。
「佐野さん・・・すごく、ケイのこと、心配してるみたいだった・・・
あたしは、佐野さんほど、ケイのこと良く知らないし、ケイにとってのあたしは、もしかすると、取るに足りないっていうか・・・
ちょこっとした、存在なのかもしれないけど・・・
でも、あたしにとっては、ケイは大事で、それで・・・
ものすごく大切で・・・
笑うかもしれないけど、ほんとに、あたしは・・・
ケイのことが・・・
好きで・・・好きで・・・
だから・・・もし、ケイに何かあったら・・・
どこか具合が悪くて、それで・・・無理とかしてるんだったら。
あたしは・・・すごく心配になる・・・
だから・・・
具合悪いときは、具合悪いって、ちゃんと・・・言ってね」
自分でも、何言ってんだろうって思うほど、すごくしどろもどろなことを言ってしまった・・・
ケイは、うつむいたあたしを、無言のままじーって眺めてから、唇の隅で、柔らかく笑う。
「・・・・そうだな。ほんとにヤバイ時は、ちゃんと言うよ」
「うん・・・そうして・・・
そこの・・・その棚にある薬・・・
大学病院のやつでしょ?
だから・・・なんか、すごく具合悪いんじゃないかって、思って・・・
それで・・・」
「大丈夫だよ。一応、ちゃんと通ってるから、病院」
「ん・・・そっか・・・・」
「うん」
ケイの口からは、なんの病気かは、一切出てこなかった。
きっと、言いたくないんだなって・・・そう思って、あたしは、それ以上、何も聞けなかった。
ケイ、なんだか、ちょっと顔色悪い・・・
「どうしたの?また、どっか具合悪い?」
「んー?ああ・・・いや、そうでもないよ」
「・・・そっか、なら、いいんだけど」
「うん」
あたしは、ケイのその返事に、ちょっと得体の知れない不安を感じたけど、変に浮かれてたあたしは、自分でも脳天気だなって思うようなことを、目の前のケイに聞いてしまう。
「今日の服・・・あれ、ほんと可愛いかったぁ!
ねぇ、ケイ?少し前金入れるから・・・あのお洋服・・・
取り置きしといてもらっていい??」
ケイは、可笑しそうに笑ってコーヒーカップをテーブルに置くと、その手で苺をつまみながら、こう言った。
「いいよ。優子仕様にしといてやるよ」
「おおおお!ほんとに!嬉しいんだけど!」
「おまえ、今日はほんとに浮かれすぎ!大丈夫か?」
「ひどい言い方だなぁ・・・・
でも、ケイってやっぱり凄いよね!」
「なんで?」
「ん?だって、センスいいもん。
洋服のコーデとか、ぱぱって決められちゃってカッコイイ」
「いや、それが仕事だから!」
あははって笑ったケイが、大粒の苺を口に運ぶ。
あたしも、手を伸ばしてフルーツ皿から苺を取ると、それを口に入れる。
「あたしも・・・勉強すれば、コーデとか上手くなるかな?」
「ためしに勉強してみれば?そこに・・・」
ケイは、本棚を指差しながら言葉を続ける。
「それ系の本なら山ほどあるぞ。読みたければ勝手にもってけ」
「いいの?!」
「いいよ。探究心は応援してやる主義」
「あはは!そっか!」
あたしは苺を食べながら本棚に目をやった。
初めてケイの部屋に来たときにも、本の多さにびっくりしたっけ・・・
洋服とかデザインとか、カラーコーデの本が沢山ある。
本を見回してたあたしの目線は、ふと、その本の合間に置いてある篭で止まった。
初めて来た時にも、なんとなく気になってた・・・大学病院の薬の袋。
あの時・・・
佐野さんとのことを勘違いしたあの時、佐野さんは、「病院に行ったのか」って、ケイに聞いてた。
荷物を取りに行った時も、「ケイに何かあったら、連絡してくれ」って、真剣な顔で言ってた。
また、じんわりと、あたしの心に不安が広がる。
佐野さんどうのっていう不安じゃなくて・・・
ケイは・・・
どこか具合が悪いのかなって・・・
「ケイ・・・?」
「ん?」
思わず呼びかけたあたしに、ケイは、苺をつまみながら、あたしに振り返る。
あたしは、そんなケイの綺麗な顔をまっすぐに見つめられないまま、こう言った。
「佐野さん・・・すごく、ケイのこと、心配してるみたいだった・・・
あたしは、佐野さんほど、ケイのこと良く知らないし、ケイにとってのあたしは、もしかすると、取るに足りないっていうか・・・
ちょこっとした、存在なのかもしれないけど・・・
でも、あたしにとっては、ケイは大事で、それで・・・
ものすごく大切で・・・
笑うかもしれないけど、ほんとに、あたしは・・・
ケイのことが・・・
好きで・・・好きで・・・
だから・・・もし、ケイに何かあったら・・・
どこか具合が悪くて、それで・・・無理とかしてるんだったら。
あたしは・・・すごく心配になる・・・
だから・・・
具合悪いときは、具合悪いって、ちゃんと・・・言ってね」
自分でも、何言ってんだろうって思うほど、すごくしどろもどろなことを言ってしまった・・・
ケイは、うつむいたあたしを、無言のままじーって眺めてから、唇の隅で、柔らかく笑う。
「・・・・そうだな。ほんとにヤバイ時は、ちゃんと言うよ」
「うん・・・そうして・・・
そこの・・・その棚にある薬・・・
大学病院のやつでしょ?
だから・・・なんか、すごく具合悪いんじゃないかって、思って・・・
それで・・・」
「大丈夫だよ。一応、ちゃんと通ってるから、病院」
「ん・・・そっか・・・・」
「うん」
ケイの口からは、なんの病気かは、一切出てこなかった。
きっと、言いたくないんだなって・・・そう思って、あたしは、それ以上、何も聞けなかった。