BitteR SweeT StrawberrY
【14】~wb~
『おつかれ~
優子ちゃん、日曜日、誕生日だったね!
日曜日は、ちょっと前々から用事はいっててさ、でも、
土曜日昼間だったら空いてるから、せっかくの誕生日だし、どこかいこうか?』

大輔から、そんなメールがあたしの携帯に入ったのは、週明けのことだった。
会社の仕事が終わって、家に帰ったときに、丁度入ったそのメールを眺めて、あたしは、少しの間考え込んでいた。

大輔は彼氏だし、あたしの誕生日を覚えててくれて、嬉しかったけど・・・
でも・・・その日は・・・
思いきり、バイトとかぶってる・・・

なんて答えるか迷って、あたしは、しばらく、携帯を眺めていた。

携帯を眺めながら、あたしは思った。
あたしは、一体誰と、誕生日を過ごしたいのかな?って・・・

『仕事、終わったら、どっかいくか?』

あの時、ケイにそう言われて、あたしは、ものすごく嬉しくて、即決で「うん!」って頷いた。
メールだけど、大輔に同じことを言われたのに、こんなに乗り気じゃないとか・・・
あたしはきっと、今、大輔にすごくひどいことをしてるんだと思う。
土曜日の昼間は、あたし、バイトに行きたい・・・
夜なら・・・
なんとかなるのかな?
でも・・・
あたしは・・・
大輔と一緒に居たいのかな?
大輔と一緒にどこかに出かけたいって、思ってるのかな?
その前に・・・
大輔は・・・
もし、ほんとに浮気してるんだとしたら、あたしと、一緒にでかけたいって、本当に、そう思ってるのかな?

あたしは、また、しばらく考えこんで、思い切って、メールの作成画面を開く。

『おつかれさま~
覚えててくれたんだ?ありがとう!
でも大ちゃんごめん・・・その日、バイト入れてしまった・・・
大ちゃんも忙しいみたいだし、無理しなくていいよ
またゆっくり時間あるときにでも、会えればいいよ』

そう書いて、送信した。
こうやって、なんだか中途半端なことをしてるあたしが嫌になる。
大輔の浮気・・・
確かめた方がいいのかな・・・
それを確かめて、本当に浮気してたら・・・
その時、あたしは、どうすればいいんだろう?
そう思っても、いつかは、きっと、あたしは確実に、選択しないといけないんだ。
色んなことを・・・
まだ、どこかで迷って、区切りの付かない自分が、あたしは、すごく情けなくなった。

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