BitteR SweeT StrawberrY
*
あれから大輔がくれたメールには、こう書いてあった。
『バイトがんばってるね!大丈夫だよ!こっちも決算で忙しいし><
実はさ、日曜日、取引先の人にゴルフに誘われてて、それにいかないといけないんだよね。ほんと、当日じゃなくてごめんね;;
暇ができたら、改めてお祝いしようね!』
それを見たとき、あたしの心はちくって痛くなった。
もし大輔が浮気してても、あたしだって、同じことしてる・・・
浮気してるか、してないかなんて・・・確かめなくてもいいことなのかもしれないって、その時、あたしは思った。
決算の時期に入って、会社の仕事は一段と忙しい。
会社と家の往復で手一杯になるほど、あたしは、ぐったりと疲れていた。
そんなことをしてたら、一週間なんてあっという間。
週末の予定は、ケイのお店でバイト。
疲れてるけど、あたしは、どうしても、ケイのお店のバイトにだけは行きたかった。
金曜日の夜になると、例え、大輔のことで悩んでいても、あたしは、なんだか、そわそわして、バイトにいけることが楽しみだった。
*
土曜日の朝。
あたしがお店に辿りつくと、その日はケイが、朝から出勤していた。
レジで開店作業をしていたケイは、お店に入ってきたあたしに気付いて、何故か可笑しそうに笑いながら、こう言った。
「
おはよ。今日は30分前じゃないんだな?」
「え?!だって、いつもすごい早く来ちゃって、なんか申し訳なかったから。
真面目に定時10分前に!」
あたしはそう答えて、えへへって笑ってしまう。
ケイは、くすくすと笑って、レジのドロアを閉めると、ゆっくりとあたしに向き直った。
「そういえばこの間、なんも考えないで、明日の夜どっかいくか?って言ったけど、おまえ、彼氏とか大丈夫なの?」
「え?ああ、なんだか、取引先の人とゴルフだって。だからいいの」
「そうか」
「うん!」
結構あっさりと答えたあたしに、ケイは、なんだか意味深な視線を向けて小さく笑う。
あたしがきょとんと首を傾げた時、不意に、お店のドアの方から、やけに元気の良い声が響いてきた。
「ケイちゃ~~~ん!おはよぉぉぉぉ!!わーい!ケイちゃんだぁ~!」
ハッと振り返ると、ミニスカート姿の雛乃ちゃんが、ものすごい勢いで、レジの方へ走ってきていた。
「はぅ!」
あたしは思わず、雛乃ちゃんの進路上から避けてしまう。
雛乃ちゃんは満面の笑顔で思い切りケイに抱きついて、子犬みたいにケイにほっぺに自分のほっぺを摺り寄せた。
「おまえは犬か!」
ケイはそう言って、可笑しそうに笑いながら、雛乃ちゃんの髪を撫でる。
「子犬でし!可愛かろう?!」
「可愛いのは判ってるから、早く荷物置いてこい」
「はーい!」
雛乃ちゃんは、やけに嬉しそうに頷いて、またすごい勢いで事務所の中に駆け込んでいく。
あたしは、その勢いに唖然としながら、ちょっとだけ、ヤキモチを妬いてみたりした・・・
雛乃ちゃんにヤキモチなんか妬いても仕方ないのに・・・
なんだかあたしは、佐野さんが偉大に思えてきて、しょうがなかった。
「げ、元気だな・・・若い子は・・・」
苦笑しながら、思わずそう呟いたあたし。
それを聞いたケイは、ぷっと吹きだして、くすくすと笑いながらあたしを見る。
「ばぁさんじゃあるまいし!いいから優子も荷物置いてこい」
「あ!そ、そうだった・・・!」
ケイにそう言われて、あたしも慌てて事務所に荷物を置きにいく。
あれから大輔がくれたメールには、こう書いてあった。
『バイトがんばってるね!大丈夫だよ!こっちも決算で忙しいし><
実はさ、日曜日、取引先の人にゴルフに誘われてて、それにいかないといけないんだよね。ほんと、当日じゃなくてごめんね;;
暇ができたら、改めてお祝いしようね!』
それを見たとき、あたしの心はちくって痛くなった。
もし大輔が浮気してても、あたしだって、同じことしてる・・・
浮気してるか、してないかなんて・・・確かめなくてもいいことなのかもしれないって、その時、あたしは思った。
決算の時期に入って、会社の仕事は一段と忙しい。
会社と家の往復で手一杯になるほど、あたしは、ぐったりと疲れていた。
そんなことをしてたら、一週間なんてあっという間。
週末の予定は、ケイのお店でバイト。
疲れてるけど、あたしは、どうしても、ケイのお店のバイトにだけは行きたかった。
金曜日の夜になると、例え、大輔のことで悩んでいても、あたしは、なんだか、そわそわして、バイトにいけることが楽しみだった。
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土曜日の朝。
あたしがお店に辿りつくと、その日はケイが、朝から出勤していた。
レジで開店作業をしていたケイは、お店に入ってきたあたしに気付いて、何故か可笑しそうに笑いながら、こう言った。
「
おはよ。今日は30分前じゃないんだな?」
「え?!だって、いつもすごい早く来ちゃって、なんか申し訳なかったから。
真面目に定時10分前に!」
あたしはそう答えて、えへへって笑ってしまう。
ケイは、くすくすと笑って、レジのドロアを閉めると、ゆっくりとあたしに向き直った。
「そういえばこの間、なんも考えないで、明日の夜どっかいくか?って言ったけど、おまえ、彼氏とか大丈夫なの?」
「え?ああ、なんだか、取引先の人とゴルフだって。だからいいの」
「そうか」
「うん!」
結構あっさりと答えたあたしに、ケイは、なんだか意味深な視線を向けて小さく笑う。
あたしがきょとんと首を傾げた時、不意に、お店のドアの方から、やけに元気の良い声が響いてきた。
「ケイちゃ~~~ん!おはよぉぉぉぉ!!わーい!ケイちゃんだぁ~!」
ハッと振り返ると、ミニスカート姿の雛乃ちゃんが、ものすごい勢いで、レジの方へ走ってきていた。
「はぅ!」
あたしは思わず、雛乃ちゃんの進路上から避けてしまう。
雛乃ちゃんは満面の笑顔で思い切りケイに抱きついて、子犬みたいにケイにほっぺに自分のほっぺを摺り寄せた。
「おまえは犬か!」
ケイはそう言って、可笑しそうに笑いながら、雛乃ちゃんの髪を撫でる。
「子犬でし!可愛かろう?!」
「可愛いのは判ってるから、早く荷物置いてこい」
「はーい!」
雛乃ちゃんは、やけに嬉しそうに頷いて、またすごい勢いで事務所の中に駆け込んでいく。
あたしは、その勢いに唖然としながら、ちょっとだけ、ヤキモチを妬いてみたりした・・・
雛乃ちゃんにヤキモチなんか妬いても仕方ないのに・・・
なんだかあたしは、佐野さんが偉大に思えてきて、しょうがなかった。
「げ、元気だな・・・若い子は・・・」
苦笑しながら、思わずそう呟いたあたし。
それを聞いたケイは、ぷっと吹きだして、くすくすと笑いながらあたしを見る。
「ばぁさんじゃあるまいし!いいから優子も荷物置いてこい」
「あ!そ、そうだった・・・!」
ケイにそう言われて、あたしも慌てて事務所に荷物を置きにいく。