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ちょうど事務所から出てきた雛乃ちゃんとぶつかりそうになって、あたしは、またしても雛乃ちゃんを避けることに・・・
雛乃ちゃんは、驚いたように足を止めて、大きな瞳でまじまじとあたしを見る。

「きゃぁ！ご、ごめんさーい！そうだ、ヒナ、まだ優子しゃんに挨拶してなかった！！
優子しゃん！おっはよぉぉです！！！」

「え？！あ・・うん・・・お、おはようっ！」

思い切り変な愛想笑いをするあたしに、雛乃ちゃんはにっこり笑ってから、もう一度、ものすごい勢いでケイのところに走っていった。
あたしは、雛乃ちゃんの無邪気さがちょっと羨ましくなって、ついでに、いわゆる、ジェネレーションギャップというものを感じて、意味もなく、その場に座り込みたくなった。

ほんとに・・・
若いって・・・
いいな・・・
あたしってば、おばさん臭い・・・

でもあれで、雛乃ちゃんは一人前にちゃんとお仕事をこなしてるんだから、やっぱり、すごい頑張り屋さんなんだと思う。
思わずため息をついて、あたしが事務所に入ろうとした時、今度は後ろからいきなり、

「優子さま、おはようございます」と声をかけられて、あたしは、びくっとしてしまう。

「！？」

ハッと振り返ると、そこに、黒ぶちめがねでジャージ姿の真帆ちゃんが、うつむき加減で立っている・・・

「わぁ！ま、真帆ちゃん！？お、お、おはよう！」

「おはようございます、荷物・・・置きにいきませう」
あたしは、ちょっとびっくりして、ばくばくする心臓を抑えながら、またしても変な愛想笑いをして、「そ、そうだね！」と答えた。

ほんとに、このお店のスタッフは、みんな個性的だなって思って、あたしは、なんだか急に可笑しくなって、思わず笑ってしまった。