BitteR SweeT StrawberrY
*
無理矢理、美保を通りに連れ出したあたし。
「いや~ん!優ちゃん!あたし、もうちょっとジェイドくん見てたかったry」
美保は残念そうにそう言って、肩越しにあたしを振り返る。
「え?あ・・ぁあ・・・そ、そうだったんだ、ごめん!」
あたしは、思い切り誤魔化し笑いをして、とりあえず謝ってみる。
美保の隣に並んで歩き始めたあたしは、一度大きく深呼吸して、ちらっとだけ、遠ざかってくケイのお店を振り返った。
ケイは・・・佐野さんと、でかけるのかな?
それも気になるけど・・・
あたしは美保に、ケイのことを、あれ以上見せたくなかったんだと思う・・・
あたしとケイのことが、バレてしまうのも、なんだか怖かったし・・
美保が、そんなことに気付かないまま、頻繁にお店に来るようになってしまったら、あたしは、きっと、色んな意味で気が気じゃなくなる・・
ケイは、男の人にも女の人にもモテるし・・・
あたしって、ほんと、器の小さな臆病者なんだ・・・
そう思ったら、あたしは、無意識のうちに大きなため息をついていた。
隣を歩き始めた美保が、そんなあたしの顔を覗きこみながら、なんだか、にやにやしながら、こう言った。
「優ちゃん、さっきの人・・・」
「え?」
「あの背の高い男の人」
「ああ、佐野さん?」
「うんうん・・・あの人」
「ん?」
「あの人でしょ?!優ちゃんの片思いの人!?」
「・・・・へっ?!」
予想外の美保の言葉に、あたしは違う意味で驚いてしまった。
あたしは、なんて答えていいか判らなくなって、思わず、挙動不審な態度になってしまう。
『違うよ!』っていったら、ケイのことがバレる気がして、なんだか怖いし、かと言って、『そうだよ!』って言うのも気が引けるし・・・
あたしは、誤魔化すように笑うけど、きっと、これがいけなかったんだ。
美保は、思い切り勘違いしたまま、ますますにやにやと笑うのだ。
「もぉ!優ちゃん!
ほんとにイケメ~ンじゃない!
村木さんなんかより、よっぽどカッコイイ!
背は高いし、お洒落だし!」
「え?!あ・・・いや、うん・・・まぁ・・・そうだね」
あたしは、ひたすら苦笑いするしかなかった。
確かに、佐野さんはカッコイイ。
スケールも大きいし、面白いし、サーファーっぽいし、俳優さんぽい雰囲気の整った顔立してるし、ほんとにイケメンなのは認める。
でも、あたしは、思った。
あの時・・・酔っ払いから助けてくれたのが、ケイじゃなくて佐野さんだったら、きっと、こんな風に恋なんかしなかったって・・・
苦しくなったり、切なくなったり、嬉しくなったりしながら、こんなに恋しいって想ったりしなかったって・・・
あの時、あたしが、ケイの部屋に着いていったのは、ケイが女の人だったから。
助けてくれたのが、もし男の人だったら、あたしは、ものすごく警戒して、絶対に、部屋について行ったりしなかったと思う。
あたしは・・・
ケイだったから・・・
ケイが女の人だったから・・・
あの時、部屋に着いていった・・・
ケイがあたしと同じ女だから・・・
余計に尊敬して、感心して・・・
そして、恋をしたんだと思う・・・
「いいな~優ちゃん、あんなイケメンと誕生日とか・・・羨ましいなぁ」
呟くようにそう言った美保の声で、思い切り考え事をしていたあたしは、ハッとする。
ああ、もぉ・・・なんて言ったらいいんだろう!
あたしは、またしても変な誤魔化し笑いをして、咄嗟に話題を切り替えてみた。
「ああ・・・・っていうか、それより、どこ行く?お茶する?買い物する?」
美保は、ちょっとだけ不審そうな顔をしたけど、でも、そこは美保らしく、すぐにニコって笑ってこう答えてくれる。
「そぉだなぁ~・・・・買い物かな?」
「OK!」
あたしと美保は、取りあえず、駅へと足を向けて歩きだした。
無理矢理、美保を通りに連れ出したあたし。
「いや~ん!優ちゃん!あたし、もうちょっとジェイドくん見てたかったry」
美保は残念そうにそう言って、肩越しにあたしを振り返る。
「え?あ・・ぁあ・・・そ、そうだったんだ、ごめん!」
あたしは、思い切り誤魔化し笑いをして、とりあえず謝ってみる。
美保の隣に並んで歩き始めたあたしは、一度大きく深呼吸して、ちらっとだけ、遠ざかってくケイのお店を振り返った。
ケイは・・・佐野さんと、でかけるのかな?
それも気になるけど・・・
あたしは美保に、ケイのことを、あれ以上見せたくなかったんだと思う・・・
あたしとケイのことが、バレてしまうのも、なんだか怖かったし・・
美保が、そんなことに気付かないまま、頻繁にお店に来るようになってしまったら、あたしは、きっと、色んな意味で気が気じゃなくなる・・
ケイは、男の人にも女の人にもモテるし・・・
あたしって、ほんと、器の小さな臆病者なんだ・・・
そう思ったら、あたしは、無意識のうちに大きなため息をついていた。
隣を歩き始めた美保が、そんなあたしの顔を覗きこみながら、なんだか、にやにやしながら、こう言った。
「優ちゃん、さっきの人・・・」
「え?」
「あの背の高い男の人」
「ああ、佐野さん?」
「うんうん・・・あの人」
「ん?」
「あの人でしょ?!優ちゃんの片思いの人!?」
「・・・・へっ?!」
予想外の美保の言葉に、あたしは違う意味で驚いてしまった。
あたしは、なんて答えていいか判らなくなって、思わず、挙動不審な態度になってしまう。
『違うよ!』っていったら、ケイのことがバレる気がして、なんだか怖いし、かと言って、『そうだよ!』って言うのも気が引けるし・・・
あたしは、誤魔化すように笑うけど、きっと、これがいけなかったんだ。
美保は、思い切り勘違いしたまま、ますますにやにやと笑うのだ。
「もぉ!優ちゃん!
ほんとにイケメ~ンじゃない!
村木さんなんかより、よっぽどカッコイイ!
背は高いし、お洒落だし!」
「え?!あ・・・いや、うん・・・まぁ・・・そうだね」
あたしは、ひたすら苦笑いするしかなかった。
確かに、佐野さんはカッコイイ。
スケールも大きいし、面白いし、サーファーっぽいし、俳優さんぽい雰囲気の整った顔立してるし、ほんとにイケメンなのは認める。
でも、あたしは、思った。
あの時・・・酔っ払いから助けてくれたのが、ケイじゃなくて佐野さんだったら、きっと、こんな風に恋なんかしなかったって・・・
苦しくなったり、切なくなったり、嬉しくなったりしながら、こんなに恋しいって想ったりしなかったって・・・
あの時、あたしが、ケイの部屋に着いていったのは、ケイが女の人だったから。
助けてくれたのが、もし男の人だったら、あたしは、ものすごく警戒して、絶対に、部屋について行ったりしなかったと思う。
あたしは・・・
ケイだったから・・・
ケイが女の人だったから・・・
あの時、部屋に着いていった・・・
ケイがあたしと同じ女だから・・・
余計に尊敬して、感心して・・・
そして、恋をしたんだと思う・・・
「いいな~優ちゃん、あんなイケメンと誕生日とか・・・羨ましいなぁ」
呟くようにそう言った美保の声で、思い切り考え事をしていたあたしは、ハッとする。
ああ、もぉ・・・なんて言ったらいいんだろう!
あたしは、またしても変な誤魔化し笑いをして、咄嗟に話題を切り替えてみた。
「ああ・・・・っていうか、それより、どこ行く?お茶する?買い物する?」
美保は、ちょっとだけ不審そうな顔をしたけど、でも、そこは美保らしく、すぐにニコって笑ってこう答えてくれる。
「そぉだなぁ~・・・・買い物かな?」
「OK!」
あたしと美保は、取りあえず、駅へと足を向けて歩きだした。