BitteR SweeT StrawberrY
【15】~be~
ケイが言ってた。
どんな大怪我をしても、選ばないといけない時があるって・・・
今、あたしにある選択肢は、単純に、ケイか大輔か選ぶ選択肢じゃないんだ。
例え浮気をしてたとしても、大輔を選べば、そこには、きっと、結婚という未来がある、
でも、ケイと選べば、その先の何があるのか、あたしには、まったく想像のつかない未知の未来がある。
そう・・・
これは・・・
ちゃんと見える平凡な未来を選ぶか、まったく見えない非凡な未来を選ぶか、その選択肢なんだ。
言うなれば、平凡なあたしのままでいるか、それとも、勇気を出して、今までと違うあたしになるか、きっと、その選択肢なんだって・・・あたしは、そう思った。
だから・・・
もう少し、勇気が欲しい・・・
ちゃんとどちらかを選ぶための、勇気が・・・
でも、この時のあたしには、まだ、その勇気が、足りないみたいだった・・・
*
ホワイトデーは、あたしの誕生日。
日付が変わり、あたしは、26歳になった。
でも、もう、誕生日を大喜びするような歳じゃないし、日曜日ということもあって、あたしは、また朝からバイトに出かけた。
美保から聞いた大輔の話しは、さすがのあたしにもショックだった。
大輔にとって、あたしは一体なんなんだろう?
あのプロポーズは、一体なんだったんだろう?
そうは思っても、まだあたしの中では、その話が、どこか夢の中の話のように思えていて、ショックなことは確かだけど、いまいち現実みの足りない、とっても変な感覚だった。
きっとあたしは、上の空なんだ・・・
『仕事終わったら、どこかいくか?』
誕生日だとわかってて、ケイがそう言ってくれてたから、あたしはどこか浮かれていて、そんなこと、後回しにしてしまおうって、そう思ってたのかもしれない。
今日も、開店作業はケイの担当だった。
あたしは、出勤すると間もなく、レジにいるケイに、こう言った。
「ねぇ・・・ケイ・・・あの、あたしも・・・」
「うん?」
レジのドロアを閉めながら、ケイは、ゆっくりとあたしに目を向けて、ちょっとだけ首をかしげると小さく笑う。
あたしは、そんなケイの笑顔に、無駄にどきっとしながら、言葉を続けた。
「あのね・・・あたしも、フロア・・・ちょっと覚えたいかなって・・・」
「お・・・まじか?」
「まじです」
「そうか」
ケイは、どことなく嬉しそうな表情をして、すうっと片手を伸ばすと、子猫でも撫でるみたいに、あたしの髪を撫でたのだった。
あたしは、思い切り照れて、顔を赤くしてしまう。
そんなあたしを、可笑しいそうな視線で眺めながら、ケイは言う。
「じゃあ・・・優子のことはヒナに任せるかな。午前中はフロアやって、休憩明けたら、また検品作業でOK?」
「全然OK!!」
「うん、なら今日は、それでよろしく。
おまえ、ほんと・・・随分自己主張できるようなったじゃん?」
「え!?そ、そうかな?」
「うん。初めてあった時に比べたら、おまえ、やっぱ変わったよ」
変に嬉しそうに、ケイがにっこり笑うから、あたしは、えへへって子供みたいに笑ってしまう。
褒めてもらえて嬉しいなんて、あたしってば、ほんとに子供みたいだなって、自分で自分が可笑しく思えて仕方なかった。
どんな大怪我をしても、選ばないといけない時があるって・・・
今、あたしにある選択肢は、単純に、ケイか大輔か選ぶ選択肢じゃないんだ。
例え浮気をしてたとしても、大輔を選べば、そこには、きっと、結婚という未来がある、
でも、ケイと選べば、その先の何があるのか、あたしには、まったく想像のつかない未知の未来がある。
そう・・・
これは・・・
ちゃんと見える平凡な未来を選ぶか、まったく見えない非凡な未来を選ぶか、その選択肢なんだ。
言うなれば、平凡なあたしのままでいるか、それとも、勇気を出して、今までと違うあたしになるか、きっと、その選択肢なんだって・・・あたしは、そう思った。
だから・・・
もう少し、勇気が欲しい・・・
ちゃんとどちらかを選ぶための、勇気が・・・
でも、この時のあたしには、まだ、その勇気が、足りないみたいだった・・・
*
ホワイトデーは、あたしの誕生日。
日付が変わり、あたしは、26歳になった。
でも、もう、誕生日を大喜びするような歳じゃないし、日曜日ということもあって、あたしは、また朝からバイトに出かけた。
美保から聞いた大輔の話しは、さすがのあたしにもショックだった。
大輔にとって、あたしは一体なんなんだろう?
あのプロポーズは、一体なんだったんだろう?
そうは思っても、まだあたしの中では、その話が、どこか夢の中の話のように思えていて、ショックなことは確かだけど、いまいち現実みの足りない、とっても変な感覚だった。
きっとあたしは、上の空なんだ・・・
『仕事終わったら、どこかいくか?』
誕生日だとわかってて、ケイがそう言ってくれてたから、あたしはどこか浮かれていて、そんなこと、後回しにしてしまおうって、そう思ってたのかもしれない。
今日も、開店作業はケイの担当だった。
あたしは、出勤すると間もなく、レジにいるケイに、こう言った。
「ねぇ・・・ケイ・・・あの、あたしも・・・」
「うん?」
レジのドロアを閉めながら、ケイは、ゆっくりとあたしに目を向けて、ちょっとだけ首をかしげると小さく笑う。
あたしは、そんなケイの笑顔に、無駄にどきっとしながら、言葉を続けた。
「あのね・・・あたしも、フロア・・・ちょっと覚えたいかなって・・・」
「お・・・まじか?」
「まじです」
「そうか」
ケイは、どことなく嬉しそうな表情をして、すうっと片手を伸ばすと、子猫でも撫でるみたいに、あたしの髪を撫でたのだった。
あたしは、思い切り照れて、顔を赤くしてしまう。
そんなあたしを、可笑しいそうな視線で眺めながら、ケイは言う。
「じゃあ・・・優子のことはヒナに任せるかな。午前中はフロアやって、休憩明けたら、また検品作業でOK?」
「全然OK!!」
「うん、なら今日は、それでよろしく。
おまえ、ほんと・・・随分自己主張できるようなったじゃん?」
「え!?そ、そうかな?」
「うん。初めてあった時に比べたら、おまえ、やっぱ変わったよ」
変に嬉しそうに、ケイがにっこり笑うから、あたしは、えへへって子供みたいに笑ってしまう。
褒めてもらえて嬉しいなんて、あたしってば、ほんとに子供みたいだなって、自分で自分が可笑しく思えて仕方なかった。