BitteR SweeT StrawberrY
*
未成年の雛乃ちゃんもいたので、夕飯はファミレスだった。
ちょっと複雑な気分だったけど、あたしとは違う世界に住んでる人たちの輪の中で、話しをするのはなんだか楽しかった。
雛乃ちゃんは、今春卒業予定の高校生で、来年度から、ケイのお店で正社員として働くっていうことを聞いた。
中学生の頃から、ケイに憧れていて、高校生になってから、休日だけお店でアルバイトをしてたって言ってた。
新城さんは、あたしと同じ歳で、大学を出てから同じ系列の他店舗に勤務して、そこから、ケイが店長をしているお店に転勤してきたと言ってた。
意外だったことは・・・ケイは、あたしと同じ歳ぐらいかと思ってたけど、29歳だったってこと。
ほんとの歳より若く見えるのは、接客業だからってことと、きっと、性別不明な美人だから・・・だと思ったり。
新城さんと雛乃ちゃんと別れた後、マンションが隣同士のあたしとケイは、同じ駅で降りて、なんか、カップルみたいに並んで歩いていた。
時間は、11時を少し回る頃だった。
雛乃ちゃん以外は、それこそ、その場のノリというやつで、思い切りビールを飲んでて、あたしは、酔った勢いもあって、隣を歩くケイに、思わず聞いてしまったのだ。
「びっくりしましたよ~・・・ケイさん、みんなに・・・キスとか・・・しちゃってるんですね?もぉ~~~~どんな世界かと思っちゃいました。世の中には、あたしの知らない世界が、多すぎる・・・・」
ケイは、それを聞いて笑ってた。
「優子の世界が狭すぎなんだよ、いつも仕事と家の行ったり来たりしてるだけなんだろ?その上、おまえ、あんま男と付き合ったことないだろ?」
「ぶっ・・・・!なな、なんでそんなこと判るんですか!?」
「わかるだろ、その意味不明な動揺の仕方とかさ。高校生だって、普通にキスぐらいできる」
「だ、だって!そんな!女の人とキスとか・・・っ!普通しないし!」
「ああ・・・それもそうかもな・・・こっちはいつものことだから、気にもなってないけど」
「いつもの・・・こと・・・・っ!き、きっとそうなんでしょうけど・・・」
「昔からさ、妙に女の子に好かれてさ。告られたこともあるよ」
「え?!髪長かった頃もですか?!」
「うん。高校の頃とかも、普通に、女の子に告られたり・・・」
「それっ・・・あるイミすごいっ!でも・・・男の人にも告られたんじゃないですか?」
「うーん・・・・・まぁ、そんなこともよくあった・・・かな?」
「なんとなく、判ります。男の子も女の子も、ケイさんに告りたくなるの」
「そうなん?」
「判りますよ~。だってケイさんて、なんていうか・・・雰囲気違いますもん。
ああ、そうだ、これ、友達から聞いたんですけど、天使。
天使って、性別ないんですって。ケイさんて、なんかそんな雰囲気・・・・」
そこまで言って、あたしはハッとした。
この言葉は、もしかしたらすごく失礼だったかもしれないと、あたしは思わず、上目使いにケイの横顔を見る。
だけど、ケイは・・・相変わらず、笑っていた。
「それは言われたの初めてかな。天使ね~・・・」
「ごめんなさい、あたしまた、なんか悪いこと言ったかも」
「いいよ別に、気にしてないし」
「すいません・・・」
「優子は謝りすぎ」
「そう・・・ですか?」
「うん。きっとさ、他人のこと気にしすぎなんだよ。ストレスたまるぞ、それ」
「ああ・・・そうかも・・・」
「もう少し・・・自分を出してもいいと思う。自分は自分だって何かをさ」
「・・・・・・」
ケイのその言葉に、あたしはまたしても、ガツンと心を殴られた気がした。
自分は自分。
他人は他人。
確かに、そういう概念は、あたしには欠けているのかもしれない。
未成年の雛乃ちゃんもいたので、夕飯はファミレスだった。
ちょっと複雑な気分だったけど、あたしとは違う世界に住んでる人たちの輪の中で、話しをするのはなんだか楽しかった。
雛乃ちゃんは、今春卒業予定の高校生で、来年度から、ケイのお店で正社員として働くっていうことを聞いた。
中学生の頃から、ケイに憧れていて、高校生になってから、休日だけお店でアルバイトをしてたって言ってた。
新城さんは、あたしと同じ歳で、大学を出てから同じ系列の他店舗に勤務して、そこから、ケイが店長をしているお店に転勤してきたと言ってた。
意外だったことは・・・ケイは、あたしと同じ歳ぐらいかと思ってたけど、29歳だったってこと。
ほんとの歳より若く見えるのは、接客業だからってことと、きっと、性別不明な美人だから・・・だと思ったり。
新城さんと雛乃ちゃんと別れた後、マンションが隣同士のあたしとケイは、同じ駅で降りて、なんか、カップルみたいに並んで歩いていた。
時間は、11時を少し回る頃だった。
雛乃ちゃん以外は、それこそ、その場のノリというやつで、思い切りビールを飲んでて、あたしは、酔った勢いもあって、隣を歩くケイに、思わず聞いてしまったのだ。
「びっくりしましたよ~・・・ケイさん、みんなに・・・キスとか・・・しちゃってるんですね?もぉ~~~~どんな世界かと思っちゃいました。世の中には、あたしの知らない世界が、多すぎる・・・・」
ケイは、それを聞いて笑ってた。
「優子の世界が狭すぎなんだよ、いつも仕事と家の行ったり来たりしてるだけなんだろ?その上、おまえ、あんま男と付き合ったことないだろ?」
「ぶっ・・・・!なな、なんでそんなこと判るんですか!?」
「わかるだろ、その意味不明な動揺の仕方とかさ。高校生だって、普通にキスぐらいできる」
「だ、だって!そんな!女の人とキスとか・・・っ!普通しないし!」
「ああ・・・それもそうかもな・・・こっちはいつものことだから、気にもなってないけど」
「いつもの・・・こと・・・・っ!き、きっとそうなんでしょうけど・・・」
「昔からさ、妙に女の子に好かれてさ。告られたこともあるよ」
「え?!髪長かった頃もですか?!」
「うん。高校の頃とかも、普通に、女の子に告られたり・・・」
「それっ・・・あるイミすごいっ!でも・・・男の人にも告られたんじゃないですか?」
「うーん・・・・・まぁ、そんなこともよくあった・・・かな?」
「なんとなく、判ります。男の子も女の子も、ケイさんに告りたくなるの」
「そうなん?」
「判りますよ~。だってケイさんて、なんていうか・・・雰囲気違いますもん。
ああ、そうだ、これ、友達から聞いたんですけど、天使。
天使って、性別ないんですって。ケイさんて、なんかそんな雰囲気・・・・」
そこまで言って、あたしはハッとした。
この言葉は、もしかしたらすごく失礼だったかもしれないと、あたしは思わず、上目使いにケイの横顔を見る。
だけど、ケイは・・・相変わらず、笑っていた。
「それは言われたの初めてかな。天使ね~・・・」
「ごめんなさい、あたしまた、なんか悪いこと言ったかも」
「いいよ別に、気にしてないし」
「すいません・・・」
「優子は謝りすぎ」
「そう・・・ですか?」
「うん。きっとさ、他人のこと気にしすぎなんだよ。ストレスたまるぞ、それ」
「ああ・・・そうかも・・・」
「もう少し・・・自分を出してもいいと思う。自分は自分だって何かをさ」
「・・・・・・」
ケイのその言葉に、あたしはまたしても、ガツンと心を殴られた気がした。
自分は自分。
他人は他人。
確かに、そういう概念は、あたしには欠けているのかもしれない。