BitteR SweeT StrawberrY
『優子ちゃん
この間はごめんね・・・ほんとにごめん・・・
話がしたいんだ・・・
いつでもいいから、優子ちゃんが時間を取れる日に、会ってくれるかな・・・?』
「・・・・・・・」
その文面を見て、あたしは、思わず考えこんでしまった。
今更、あたしに、なんの話があるんだろう・・・?
メールでは、一応謝ってるし、多少は反省してるのかもしれない・・・
だからと言って、一体、何を話たいんだろう・・・?
物凄く冷静に、思い切り冷め切った思考で、そんなことを思ったあたし。
そんな自分でもびっくりするぐらい、あたしの心は、冷めてきっていた。
このメールに返事をすべきか、しないべきなのか、あたしは、携帯を見つめて、うーんって唸った。
きっと、その時のあたしは、物凄く渋い顔をしてたんだと思う、突然、あたしの頭の上の方から、ちょっとかすれたケイの声がおかしそうにこう言ったのだ。
「優子、眉間にしわは寄ってるぞ」
あたしは、ハッと顔を上げて、ベッドの上で横になってるケイを見た。
「お、おはよう!起きたんだ?あ・・・っていうか、おはようって時間でもないね」
誤魔化すように笑ったあたしを、まだ眠そうなケイの瞳がじーっと見つめる。
そして、少しの間を置いて、ケイは唇だけで笑うとこう言った。
「メールか?」
「うん・・・」
「あの彼氏からだろ?」
「ぶ・・・!なんでわかるの!?」
見事に言い当てられて、あたしは思い切り驚いて、思わずそう聞きかえす。
ケイは、おかしそうくすくすと笑って、言葉を続けた。
「いや、だってさ・・・おまえ、その眉間のしわとか、かなり渋すぎだし」
「え、ええ!?」
「連絡なんか欲しくない相手から、連絡きたんかなってさ」
「きたよ~・・・予想外もいいとこだよ~・・・
今更、なんの用事があるのよ~・・・もぉって感じ」
あたしはそう答えて、はぁって大きくため息を吐く。
ケイは、そんなあたしの髪に手を伸ばして、猫を撫でるみたいにくしゃくしゃって撫でた。
「はぅ・・・っ」
「会いたくないなら会う必要もないし、びしっと言ってやりたいなら、びしっと言ってやって、すぐに帰ってきてもいいし。優子の好きなようにすればいいよ」
「うーん・・・・・」
「まぁ、びしっと言いたいなら言いたいで、誰か一緒に付いていってもらうってのも手だしな・・・
ガクでも連れていったら?」
冗談ぽくそう言って、ケイは、可笑しそうに笑った。
それを聞いたあたしは、思い切り素っ頓狂は声を上げてしまう。
「え~~~!なんで佐野さん!?」
「相手を威圧するにはいい人材だよ」
「ぶ!なにそれ!」
あたしは、ケイの言葉に思わず吹きだした。
佐野さんは背も高いし、肩幅も広いし、サーファーみたいだし、さすがにケイの元彼だけあって、正統派なイケメン。
そんな佐野さんが、冷静な顔をしてあたしの隣にいれば、確かに、大輔は萎縮するかもしれない。
だけど、「なんだかムカつくので、彼氏を威圧してください」とか、そんなこと佐野さんに頼める訳がない。
「むぅ・・・」
拗ねて口をとがらせたあたしを、ケイは、愉快そうな視線で見つめて、また、くしゃくしゃって髪を撫でる。
絶対あたしをからかってる!
「もぉ!ケイはそうやって~!またあたしをからかって遊んでる!」
「優子いじるのは面白いからな」
「なにそれぇ!」
そう言ったあたしを、可笑しそうに見つめながら、抗がん剤の副作用で辛いはずなのに、何故かケイは、あははって笑った。
「おまえ・・・ほんと可愛いな」
「それは何か関係あるんですか!?」
「可愛いからからかうんじゃん」
「もぉぉぉぉ!ひどいよ~!いつもそうやって~!」
「不満か?」
「うっ・・・」
思わず顔を赤くして、答えに詰まったあたし。
不満かと聞かれたら・・・・
別に・・・
不満でもない・・・
むしろ・・・
ちょっと嬉しい・・・
かもしれない・・・
「もぉ!ケイのばかぁ!」
そう言ったあたしを見て、ケイは、ますます可笑しそうに笑う。
きっとケイは、あたしの心なんかもう見透かしているんだ。
ちょっと悔しいけど・・・
でもやっぱり嬉しくて・・・
あたしってばほんと馬鹿だなぁって、自分で自分が可笑しくなって、あたしも釣られて笑ってしまった。
あたしはそう思って、手に持っていた携帯を閉じると、ケイのベッドに頬杖をついて、あまた、えへへって笑ってしまった。
大輔にどう返事をするかは、あとで考えよう。
別に、会うなら会うで、美保に着いて行ってもらうのもいいしって、あたしはそう思った。
とにかく今は、ケイのこと以外の何かを考えたくないんだ。
だから、もう、脇目なんか振らない。
あたしは、そう決めて、携帯をバックの中に放りこんだ。
この間はごめんね・・・ほんとにごめん・・・
話がしたいんだ・・・
いつでもいいから、優子ちゃんが時間を取れる日に、会ってくれるかな・・・?』
「・・・・・・・」
その文面を見て、あたしは、思わず考えこんでしまった。
今更、あたしに、なんの話があるんだろう・・・?
メールでは、一応謝ってるし、多少は反省してるのかもしれない・・・
だからと言って、一体、何を話たいんだろう・・・?
物凄く冷静に、思い切り冷め切った思考で、そんなことを思ったあたし。
そんな自分でもびっくりするぐらい、あたしの心は、冷めてきっていた。
このメールに返事をすべきか、しないべきなのか、あたしは、携帯を見つめて、うーんって唸った。
きっと、その時のあたしは、物凄く渋い顔をしてたんだと思う、突然、あたしの頭の上の方から、ちょっとかすれたケイの声がおかしそうにこう言ったのだ。
「優子、眉間にしわは寄ってるぞ」
あたしは、ハッと顔を上げて、ベッドの上で横になってるケイを見た。
「お、おはよう!起きたんだ?あ・・・っていうか、おはようって時間でもないね」
誤魔化すように笑ったあたしを、まだ眠そうなケイの瞳がじーっと見つめる。
そして、少しの間を置いて、ケイは唇だけで笑うとこう言った。
「メールか?」
「うん・・・」
「あの彼氏からだろ?」
「ぶ・・・!なんでわかるの!?」
見事に言い当てられて、あたしは思い切り驚いて、思わずそう聞きかえす。
ケイは、おかしそうくすくすと笑って、言葉を続けた。
「いや、だってさ・・・おまえ、その眉間のしわとか、かなり渋すぎだし」
「え、ええ!?」
「連絡なんか欲しくない相手から、連絡きたんかなってさ」
「きたよ~・・・予想外もいいとこだよ~・・・
今更、なんの用事があるのよ~・・・もぉって感じ」
あたしはそう答えて、はぁって大きくため息を吐く。
ケイは、そんなあたしの髪に手を伸ばして、猫を撫でるみたいにくしゃくしゃって撫でた。
「はぅ・・・っ」
「会いたくないなら会う必要もないし、びしっと言ってやりたいなら、びしっと言ってやって、すぐに帰ってきてもいいし。優子の好きなようにすればいいよ」
「うーん・・・・・」
「まぁ、びしっと言いたいなら言いたいで、誰か一緒に付いていってもらうってのも手だしな・・・
ガクでも連れていったら?」
冗談ぽくそう言って、ケイは、可笑しそうに笑った。
それを聞いたあたしは、思い切り素っ頓狂は声を上げてしまう。
「え~~~!なんで佐野さん!?」
「相手を威圧するにはいい人材だよ」
「ぶ!なにそれ!」
あたしは、ケイの言葉に思わず吹きだした。
佐野さんは背も高いし、肩幅も広いし、サーファーみたいだし、さすがにケイの元彼だけあって、正統派なイケメン。
そんな佐野さんが、冷静な顔をしてあたしの隣にいれば、確かに、大輔は萎縮するかもしれない。
だけど、「なんだかムカつくので、彼氏を威圧してください」とか、そんなこと佐野さんに頼める訳がない。
「むぅ・・・」
拗ねて口をとがらせたあたしを、ケイは、愉快そうな視線で見つめて、また、くしゃくしゃって髪を撫でる。
絶対あたしをからかってる!
「もぉ!ケイはそうやって~!またあたしをからかって遊んでる!」
「優子いじるのは面白いからな」
「なにそれぇ!」
そう言ったあたしを、可笑しそうに見つめながら、抗がん剤の副作用で辛いはずなのに、何故かケイは、あははって笑った。
「おまえ・・・ほんと可愛いな」
「それは何か関係あるんですか!?」
「可愛いからからかうんじゃん」
「もぉぉぉぉ!ひどいよ~!いつもそうやって~!」
「不満か?」
「うっ・・・」
思わず顔を赤くして、答えに詰まったあたし。
不満かと聞かれたら・・・・
別に・・・
不満でもない・・・
むしろ・・・
ちょっと嬉しい・・・
かもしれない・・・
「もぉ!ケイのばかぁ!」
そう言ったあたしを見て、ケイは、ますます可笑しそうに笑う。
きっとケイは、あたしの心なんかもう見透かしているんだ。
ちょっと悔しいけど・・・
でもやっぱり嬉しくて・・・
あたしってばほんと馬鹿だなぁって、自分で自分が可笑しくなって、あたしも釣られて笑ってしまった。
あたしはそう思って、手に持っていた携帯を閉じると、ケイのベッドに頬杖をついて、あまた、えへへって笑ってしまった。
大輔にどう返事をするかは、あとで考えよう。
別に、会うなら会うで、美保に着いて行ってもらうのもいいしって、あたしはそう思った。
とにかく今は、ケイのこと以外の何かを考えたくないんだ。
だから、もう、脇目なんか振らない。
あたしは、そう決めて、携帯をバックの中に放りこんだ。