BitteR SweeT StrawberrY
長いさらさらストレートの髪。
クールな表情と、そのクールさを引き立てるメイク。
ものすごく綺麗な顔立ち・・・
「あっ!」
その顔は・・・
間違いないく・・・
いや、絶対に・・・
ケイだった・・・
「え!?えええええっ!?」
あたしは驚いて、思わず口をぱくぱくさせてしまう。
いつもノーメイクで、男の人みたいな服を着てるケイだけど、あたしが見惚れるぐらい綺麗で、でも、こうやってメイクしてドレスとか着てると、それこそ呆然とするぐらい綺麗で、ほんとに、あたしってなんなのって思うほどの美人さん。
ついでに言えば、その雑誌は、物凄く有名な雑誌で、ファッションショーなんかで活躍するモデルさんも、頻繁にグラビアになる雑誌で・・・
なんでそんな雑誌にケイが写ってるのか・・・
あたしは、ちょっとだけ頭が混乱して、ニヤニヤしてる佐野さんと、相変わらずふて腐れた顔をしてるケイを交互に見つめ続けてしまう。
「つか、それ、5年ぐらい前の写真じゃん・・・
もういいよ、ガク、早くそんなのしまえよ・・・」
不機嫌そうな声でそう言ったケイに対して、佐野さんは言う。
「そんなに恥ずかしがるなよ。あのままモデル続けてても、おまえならイケたと思うんだけどな・・・勿体ない」
「あれはやりたい仕事じゃなかった」
「ああ・・そうだよな」
佐野さんはあははって笑ってから、雑誌を本棚に戻しにいく。
「せっかく、こうやってVoyageのカメラマンに見初められたのに・・・
一年であっさり蹴ったもんな?おまえ?
まぁ、そこがおまえのすごいことだけど」
「元から一年だけって契約だったからな・・・」
ケイはぶすっとしたまま、そっけなくそう答える。
佐野さんは可笑しそうに笑っていた。
あたしは、余りにも世界が違いすぎると思って、しばらく、その場で固まってしまった。
すごすぎる・・・・
ケイは、やっぱり、すごすぎるよ・・・
元から、あたしとケイは、住む世界の違う人間なんだと思う・・・
それなのに、ほんとに、平凡すぎるこのあたしが、非凡なケイの傍にいてもいいのかな?
そう思って、なんだか、色んな意味で不安になってしまったあたし。
そんなあたしの耳に、ケイの部屋のインターフォンが鳴る音が聞こえてきて、あたしはハッとする。
「お・・・来たな!」
佐野さんはそう言って、ゆっくりとした歩調で玄関に歩いていく。
玄関を開ける音がして、次の瞬間、ものすごく元気の良い声が、ケイの部屋の中に響いてきたのだった。
「ケイちゃ~~~ん!おかうり~~~~!!!」
ばたばたって足音がして、物凄い勢いで雛乃ちゃんが走ってくる。
雛乃ちゃんは、いつものように無邪気な笑顔で、それこそ子犬がじゃれ付くみたいに、思い切りケイに抱きついた。
あたしは、その様子を、いつものように苦笑して眺めてしまう。
「おつかれです~」って言って部屋に入ってきた新城さん。
「お帰りなさいませ、ケイ姉たま」って、いつもの口調と、いつもの黒ぶちめがねとジャージで登場した真帆ちゃん。
その後ろから、6歳の息子さんを連れた彩さんが「こんにちは~!」って明るく笑って歩みよってくる。
なんだか急に賑やかになったケイの部屋。
そこから、快気祝いと称されたホームパーティは、夕方になるまで続いたのだった。
クールな表情と、そのクールさを引き立てるメイク。
ものすごく綺麗な顔立ち・・・
「あっ!」
その顔は・・・
間違いないく・・・
いや、絶対に・・・
ケイだった・・・
「え!?えええええっ!?」
あたしは驚いて、思わず口をぱくぱくさせてしまう。
いつもノーメイクで、男の人みたいな服を着てるケイだけど、あたしが見惚れるぐらい綺麗で、でも、こうやってメイクしてドレスとか着てると、それこそ呆然とするぐらい綺麗で、ほんとに、あたしってなんなのって思うほどの美人さん。
ついでに言えば、その雑誌は、物凄く有名な雑誌で、ファッションショーなんかで活躍するモデルさんも、頻繁にグラビアになる雑誌で・・・
なんでそんな雑誌にケイが写ってるのか・・・
あたしは、ちょっとだけ頭が混乱して、ニヤニヤしてる佐野さんと、相変わらずふて腐れた顔をしてるケイを交互に見つめ続けてしまう。
「つか、それ、5年ぐらい前の写真じゃん・・・
もういいよ、ガク、早くそんなのしまえよ・・・」
不機嫌そうな声でそう言ったケイに対して、佐野さんは言う。
「そんなに恥ずかしがるなよ。あのままモデル続けてても、おまえならイケたと思うんだけどな・・・勿体ない」
「あれはやりたい仕事じゃなかった」
「ああ・・そうだよな」
佐野さんはあははって笑ってから、雑誌を本棚に戻しにいく。
「せっかく、こうやってVoyageのカメラマンに見初められたのに・・・
一年であっさり蹴ったもんな?おまえ?
まぁ、そこがおまえのすごいことだけど」
「元から一年だけって契約だったからな・・・」
ケイはぶすっとしたまま、そっけなくそう答える。
佐野さんは可笑しそうに笑っていた。
あたしは、余りにも世界が違いすぎると思って、しばらく、その場で固まってしまった。
すごすぎる・・・・
ケイは、やっぱり、すごすぎるよ・・・
元から、あたしとケイは、住む世界の違う人間なんだと思う・・・
それなのに、ほんとに、平凡すぎるこのあたしが、非凡なケイの傍にいてもいいのかな?
そう思って、なんだか、色んな意味で不安になってしまったあたし。
そんなあたしの耳に、ケイの部屋のインターフォンが鳴る音が聞こえてきて、あたしはハッとする。
「お・・・来たな!」
佐野さんはそう言って、ゆっくりとした歩調で玄関に歩いていく。
玄関を開ける音がして、次の瞬間、ものすごく元気の良い声が、ケイの部屋の中に響いてきたのだった。
「ケイちゃ~~~ん!おかうり~~~~!!!」
ばたばたって足音がして、物凄い勢いで雛乃ちゃんが走ってくる。
雛乃ちゃんは、いつものように無邪気な笑顔で、それこそ子犬がじゃれ付くみたいに、思い切りケイに抱きついた。
あたしは、その様子を、いつものように苦笑して眺めてしまう。
「おつかれです~」って言って部屋に入ってきた新城さん。
「お帰りなさいませ、ケイ姉たま」って、いつもの口調と、いつもの黒ぶちめがねとジャージで登場した真帆ちゃん。
その後ろから、6歳の息子さんを連れた彩さんが「こんにちは~!」って明るく笑って歩みよってくる。
なんだか急に賑やかになったケイの部屋。
そこから、快気祝いと称されたホームパーティは、夕方になるまで続いたのだった。