BitteR SweeT StrawberrY
     *
あたしの作ったお料理を、あたしの目の前で、ケイと佐野さんが食べている。
よくよく考えると・・・
いや、よくよく考えなくても・・・
この光景って、結構おかしな光景かもしれない。
あたしはケイのことが好きで、佐野さんもケイのことが好きで、これって俗に言う三角関係的何かだと思うけど、全然険悪じゃなくて。
こうやってご飯一緒に食べてると、なんだか、ほんとに兄妹って感じがするなって・・・ふと、そんなことを思ったあたしは、お箸を片手に一人で吹きだしてしまった。
それを誤魔化すように、あたしは、二人に向かって、今日の出来事を話してしてみた。

「あ、そうそう。今日ね、週刊CAP!の記者さんに取材された」

「?」

それを聞いて、きょとんとした顔した佐野さんが、あたしの方を向く。

「『週刊CAP!』?ああ・・・どこで捕まったの?記者なんかに?」

「え?えと・・・卵を冷蔵庫に置きっぱなしにしてたから、それを取りに部屋に帰ろうとしたら、マンションの入り口にいた」

あたしは、あははって笑ってそう答える。
佐野さんは、そんなあたしをきょとんとした顔のまま見つめて、ぷって吹き出すのだった。

「それ笑うとこか?いや・・・笑うとこだな・・・
しっかし、よく調べるよな、あの連中も?どうやって個人の自宅特定すんのかきいてみたいよな」
「それが連中の仕事だから。で、優子は素直に取材されたわけだ」

くすくすと可笑しそうに笑ったケイが、お箸をおいて頬杖をつくと、あたしの方へ向き直る。
あたしは、こくんて頷いて、こう答えた。

「うん。なんか悪い人ではなさそうだったし、女の人の記者さんで、高田礼奈さんっていったかな?記者さんて忙しそうだなって思ってさ・・・でも、なんか、やっぱり、仕事にポリシー持ってる人ってカッコイイと思うの」

「カッコイイとか・・・優子らしい言い方だな」

ケイはそう言って、またおかしそうにくすくすと笑う。
あんまり食欲はないみたいだけど、昨日よりもご飯食べてるみたいで、よかったなって思いつつ、顔色のよさそうなケイを横目で見て、あたしは、むぅって唸って唇を尖らせてみた。

「だって~・・・ほら、自分とは違う世界の人って、なんだかすごいって思うからさ!
とりあえず、変な誤解を受けないためにもここは取材うけておかないと!と・・・」

その答えを聞いた佐野さんとケイが、二人同時にあははって可笑しそうに笑う。
そんな二人の顔を交互にみながら、あたしは、ますます唇を尖らせてしまった。

「もぉ!なんで笑うの!ひどいよ~ケイも佐野さんも!」

「いや、悪い悪い。随分と積極的になったなって思ってさ」

そう言ったのは佐野さんだった。
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