BitteR SweeT StrawberrY
佐野さんも、テーブルにお箸を置きながら片手で頬杖をついて、なにか珍しい動物でも見るような顔つきをして言う。
「前は、なかなか自分の意見も言えなそうだったのにな~?
それが取材受けられるようになったんだから、大したもんだよ」
「いいことで取材受けてた訳じゃないんですけどね~・・・・なんとなく、話してもいいかなって・・・そう思って」
あたしは、とりあえず、今日高田さんに取材を受けた経緯や、高田さんから聞いた大輔に関する話しだとか、そんなことをケイと佐野さんに話してみた。
するとケイは、綺麗な眉を眉間に寄せながら、低めた声であたしにこう聞き返してきたのだった。
「なに、優子の元彼・・・あのキャバ嬢のほかに、人妻と付き合ってたんだ?」
「なんかそうみたいだよ・・・週刊ブロックには、会社員の女性が行方不明って書いてあったらしいけど、それはあたしじゃなくて、その人妻のことみたい」
あたしがそう答えると、ケイはうーんって唸ってから、片手を髪に突っ込んで言葉を続けた。
「で、その人妻ってまだ見つかってないんだよな?」
「多分・・・・」
「詐欺の共犯なのかもな・・・同じ会社な訳だろ?」
「そうだって高田さんは言ってたかな」
そうやって話しをしていたあたしとケイに向かって、なんだかニヤニヤしながら、佐野さんがこう言う。
「殺されてたりしてな?その人妻?」
「っ!?ちょ!ちょっとやめてくださいよ!何いっちゃってんですか佐野さん!」
「無きにしも非ずだと思うけどなぁ」
動揺するあたしに向かって、意地悪そうに笑う佐野さんは、さらに言葉を続けるのだった。
「一緒になって逃げてるのか、別々に逃げてるのかは知らないけど・・・
この間さ、おまえの彼氏、いきなりおまえに会いに来たじゃん?
あれって、先に金持って女が逃げたからなのかもなって思ってさ・・・」
「それは一理あるな」
そんな佐野さんの言葉に、何故かケイが同意。
あたふたしたあたしは、ケイと佐野さんの顔を交互に眺めてしまう。
「それで殺されちゃったかもって?!」
「もし、優子の元彼より先に逃げてて、それで見つかったんだとしたら、その可能性もあるよな」
あたふたするあたしをからかうように、佐野さんは、くすくすと笑いながらそんな物騒なことを言った。
「ちょ!ほんとに!や、やめてくださいよ!そしたら、あたしの元彼殺人犯になっちゃうじゃないですか!そんなの、気分的にかなりいやなんですけど!!」
ムキになってそう言ったあたしの顔を、じーって見つめて、佐野さんは、次の瞬間あははは!って大笑いする。
「サスペンスドラマじゃあるまいし!まぁ、人殺せる根性があるなら、人の金騙し取るなんてしないだろうけどな!!」
「優子をいじめるなよ、根が真面目なんだから、全部重く受け止めるぞ」
それにつられたように、あははって笑ったケイがそんなことを口にする。
「うぅっ!もぉ、ひどいよ二人してぇ~!」
この二人が揃うと、あたしってばからかわれてばっかり・・・
でも、なんだか、ケイも佐野さんも楽しそうで、ニコニコ笑ってるし、これはこれで、いいのかなって、なんだか、あたしまで可笑しくなって、思わず笑ってしまった。
でもきっと、こういう時間が、今ここに居る全員にとって大切で、そして、幸せな時間なんじゃないかなって・・・
漠然とだけど、あたしは、そう思った。
こんな時間が、もっともっと、長く続くように、その時のあたしは、心の中でこっそりと祈るしかできなかった。
「前は、なかなか自分の意見も言えなそうだったのにな~?
それが取材受けられるようになったんだから、大したもんだよ」
「いいことで取材受けてた訳じゃないんですけどね~・・・・なんとなく、話してもいいかなって・・・そう思って」
あたしは、とりあえず、今日高田さんに取材を受けた経緯や、高田さんから聞いた大輔に関する話しだとか、そんなことをケイと佐野さんに話してみた。
するとケイは、綺麗な眉を眉間に寄せながら、低めた声であたしにこう聞き返してきたのだった。
「なに、優子の元彼・・・あのキャバ嬢のほかに、人妻と付き合ってたんだ?」
「なんかそうみたいだよ・・・週刊ブロックには、会社員の女性が行方不明って書いてあったらしいけど、それはあたしじゃなくて、その人妻のことみたい」
あたしがそう答えると、ケイはうーんって唸ってから、片手を髪に突っ込んで言葉を続けた。
「で、その人妻ってまだ見つかってないんだよな?」
「多分・・・・」
「詐欺の共犯なのかもな・・・同じ会社な訳だろ?」
「そうだって高田さんは言ってたかな」
そうやって話しをしていたあたしとケイに向かって、なんだかニヤニヤしながら、佐野さんがこう言う。
「殺されてたりしてな?その人妻?」
「っ!?ちょ!ちょっとやめてくださいよ!何いっちゃってんですか佐野さん!」
「無きにしも非ずだと思うけどなぁ」
動揺するあたしに向かって、意地悪そうに笑う佐野さんは、さらに言葉を続けるのだった。
「一緒になって逃げてるのか、別々に逃げてるのかは知らないけど・・・
この間さ、おまえの彼氏、いきなりおまえに会いに来たじゃん?
あれって、先に金持って女が逃げたからなのかもなって思ってさ・・・」
「それは一理あるな」
そんな佐野さんの言葉に、何故かケイが同意。
あたふたしたあたしは、ケイと佐野さんの顔を交互に眺めてしまう。
「それで殺されちゃったかもって?!」
「もし、優子の元彼より先に逃げてて、それで見つかったんだとしたら、その可能性もあるよな」
あたふたするあたしをからかうように、佐野さんは、くすくすと笑いながらそんな物騒なことを言った。
「ちょ!ほんとに!や、やめてくださいよ!そしたら、あたしの元彼殺人犯になっちゃうじゃないですか!そんなの、気分的にかなりいやなんですけど!!」
ムキになってそう言ったあたしの顔を、じーって見つめて、佐野さんは、次の瞬間あははは!って大笑いする。
「サスペンスドラマじゃあるまいし!まぁ、人殺せる根性があるなら、人の金騙し取るなんてしないだろうけどな!!」
「優子をいじめるなよ、根が真面目なんだから、全部重く受け止めるぞ」
それにつられたように、あははって笑ったケイがそんなことを口にする。
「うぅっ!もぉ、ひどいよ二人してぇ~!」
この二人が揃うと、あたしってばからかわれてばっかり・・・
でも、なんだか、ケイも佐野さんも楽しそうで、ニコニコ笑ってるし、これはこれで、いいのかなって、なんだか、あたしまで可笑しくなって、思わず笑ってしまった。
でもきっと、こういう時間が、今ここに居る全員にとって大切で、そして、幸せな時間なんじゃないかなって・・・
漠然とだけど、あたしは、そう思った。
こんな時間が、もっともっと、長く続くように、その時のあたしは、心の中でこっそりと祈るしかできなかった。