BitteR SweeT StrawberrY
        *
次の日。
気合を入れ直したあたしは、また、会社に出勤した。
同じ部署の同僚は、もちろんいつも通りだった。
昨日のこともあって、PCを立ち上げるのがちょっと怖かったけど、PCは仕事に必要なものだからと、思い切って電源をオンにする。
すると・・・
またというか・・・
なんというか・・・
社内メールが来ていた。
それも、昨日よりも多い数。
ふぅってため息をついて、とりあえず、メールBOXを開いてみる。

『よく平気な顔してられるよな?』
『もらった金少し別けてよ』
『彼氏どこいったの?実は知ってんじゃないの?』
『金貢いでくれるやつ、他に募集してたりする訳?
金は貢げないけど、セフレならなってあげますよ。好みじゃないけどwww』
『男に貢がせるのって楽しい?貢がせかた教えてよ。マジ、金困ってんだよね』
『馬鹿、ブス、死ね』

うん・・・
なんか・・・
なんていうか・・・
みんな暇だよね・・・
ちゃんと仕事しなよ・・・

昨日は流石にショックだったけど、なんとなく開き直っていたあたしは、とりあえず、昨日のメールも含めて、全部、Rに焼いてみた。
パソコンに詳しい人なら、社内メールでも送信者名とか偽装できるかもしれないけど、Rに落としておくのは悪くないことだと思ったから、そうしてみた。
とにかくあたしは、何も悪いことはしてないし、中傷される覚えもないんだ。
堂々としておくに限る、絶対に・・・
そう思って、一度深呼吸して、デスクの引き出しも開けてみる。
すると・・・
引き出しの中に、何故か画鋲が、びっしりと撒いてあった・・・・
「・・・・・・・・」
だけど、昨日よりも変に冷静だったあたしは、一端引き出しを閉じて、これをどうやって回収するか考えてみた。

このまま手を入れると、なんだか刺さりそうだから・・・・
引き出しを抜いて、そのまま、何かにあければいいかな・・・・

こんなことする人は、相当暇なのか、ストレスがたまっているか、どっちかなんだと思う。
自分で自分が、可笑しくなるぐらい、やけに冷静なあたし。
気分は悪いけど、とにかく、あたしは、頑張るって決めたんだから。
もうだめだってなったら、ケイに相談できるから、それが妙に心強く感じていて・・・
とにかく、出勤したからには、仕事だけはきちんとこなさないとって、そう思っていたから、あたしは、デスクの中の画鋲を放置して、そのまま仕事を開始したのだった。

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