BitteR SweeT StrawberrY
*
大輔の起こした事件のせいで、あたしは会社で、飛んでもないとばっちりを受けてる。
だけど、付き合ってたことは事実だし、これを最後に、大輔との縁をきっぱり切り捨てよう。
あたしはそう決めて、小田急線の下りホームに立った。
丁度その時、ジャケットのポッケで携帯がブルって震える。
取り出してみると、ディスプレイには着信中のロゴが出てる。
ケイからの電話だった。
あたしは慌てて受話ボタンを押す。
「ケイ!お疲れさま!」
電話の向こうで、ケイは何故か笑っていた。
「おまえ!ほんとに変な度胸がついたよな!今、仕事終わったから。おまえ、いまどこにいんの?」
「えと…今新宿駅かな。新百合ヶ丘まで行ってくる」
「一緒に行くよ。心配だから。まぁ、あいつと話してる間は、どっかで暇つぶししてるから」
あたしはケイにそう言われて、ちょっとびっくりしたけど…
実は結構ビクビクしていたあたしは、内心すごく安心した。
ケイが一緒に来てくれるんだ…
嬉しいかも…
あたしは、小田急の下りホームで、ケイが来るのを待つことにした。
*
それから30分もしないうちに、ホームまで来てくれたケイと一緒に、小田急の快速に乗って、新百合ヶ丘まではそんな時間はかからない。
ぎゅうぎゅう詰めだった車内を出て、駅ビルの中へ・・・
気付くと手とか繋いでしまってることに、なんだか変に照れながら、あたしは、隣を歩くケイの綺麗な横顔をちらっとみた。
ケイは、そんなあたしの視線に気付いたのか、唇だけで小さく笑ってちらっとあたしを見る。
「警察にはまだ連絡してないんだっけ?」
そう聞かれて、あたしは素直に頷いた。
「うん・・・自首してもらおうと思ってるから、とりあえず、まだ・・・」
「そっか」
「うん・・・でも、高田さんには一応連絡しといた」
「ああ・・・この間言ってた、週刊CAP!の記者か」
「うん。何かあったときにさ、正確に報道してもらわないとさ・・・高田さんなら、正確に書いてくれるかなって思ってさ」
あたしがそう答えると、ケイは、おかしそうにくすくすと笑った。
「おまえって素直だよな」
「えー?なんで???」
「義理堅いっていうか、真面目っていうか」
「ん???」
「いや、なんとなくそう思っただけだよ。それにしても、おまえ、ほんと、なんか色々積極的になったよな」
「え?そうかな??」
「そうだよ。じゃなきゃ、こんなとこまで、元彼を説得にしに来ようなんて、思わないよ。
前の優子なら、きっとそうは思ってなかったんじゃないかな?」
「うーん・・・・そうだね・・・そうかもしれない・・・
きっとね・・・ケイのお陰だと思う・・・」
「なんだそれ?」
「え・・・だって・・・」
あたしがそう言い掛けた時だった、突然、ジャケットのポッケの中で、携帯がぶるって震えた。
あたしは、はっとしてポッケに手を入れて、携帯を取り出してみる。
着信は高田さんからだった。
ケイが、あたしの手を握ったまま、その場で立ち止まる。
あたしは、そんなケイの手をぎゅって握り返しながら電話を受けた。
「もしもし」
「あ、こんばんは~連絡ありがとね~」
携帯の向こうでそう答えた高田さんの声は、心なしか意気揚々としていた。
「いえいえ・・・」
「今、私、新百合ヶ丘着いたとこ、今、どこにいるのかな?」
「えっと~・・・今、南口です。オーパの入り口ですね」
「今行くね。えっと、先方にはもう連絡したの?」
「いえ、今からです」
「判った、すぐいくね」
そこで高田さんからの通話は切れた。
大輔の起こした事件のせいで、あたしは会社で、飛んでもないとばっちりを受けてる。
だけど、付き合ってたことは事実だし、これを最後に、大輔との縁をきっぱり切り捨てよう。
あたしはそう決めて、小田急線の下りホームに立った。
丁度その時、ジャケットのポッケで携帯がブルって震える。
取り出してみると、ディスプレイには着信中のロゴが出てる。
ケイからの電話だった。
あたしは慌てて受話ボタンを押す。
「ケイ!お疲れさま!」
電話の向こうで、ケイは何故か笑っていた。
「おまえ!ほんとに変な度胸がついたよな!今、仕事終わったから。おまえ、いまどこにいんの?」
「えと…今新宿駅かな。新百合ヶ丘まで行ってくる」
「一緒に行くよ。心配だから。まぁ、あいつと話してる間は、どっかで暇つぶししてるから」
あたしはケイにそう言われて、ちょっとびっくりしたけど…
実は結構ビクビクしていたあたしは、内心すごく安心した。
ケイが一緒に来てくれるんだ…
嬉しいかも…
あたしは、小田急の下りホームで、ケイが来るのを待つことにした。
*
それから30分もしないうちに、ホームまで来てくれたケイと一緒に、小田急の快速に乗って、新百合ヶ丘まではそんな時間はかからない。
ぎゅうぎゅう詰めだった車内を出て、駅ビルの中へ・・・
気付くと手とか繋いでしまってることに、なんだか変に照れながら、あたしは、隣を歩くケイの綺麗な横顔をちらっとみた。
ケイは、そんなあたしの視線に気付いたのか、唇だけで小さく笑ってちらっとあたしを見る。
「警察にはまだ連絡してないんだっけ?」
そう聞かれて、あたしは素直に頷いた。
「うん・・・自首してもらおうと思ってるから、とりあえず、まだ・・・」
「そっか」
「うん・・・でも、高田さんには一応連絡しといた」
「ああ・・・この間言ってた、週刊CAP!の記者か」
「うん。何かあったときにさ、正確に報道してもらわないとさ・・・高田さんなら、正確に書いてくれるかなって思ってさ」
あたしがそう答えると、ケイは、おかしそうにくすくすと笑った。
「おまえって素直だよな」
「えー?なんで???」
「義理堅いっていうか、真面目っていうか」
「ん???」
「いや、なんとなくそう思っただけだよ。それにしても、おまえ、ほんと、なんか色々積極的になったよな」
「え?そうかな??」
「そうだよ。じゃなきゃ、こんなとこまで、元彼を説得にしに来ようなんて、思わないよ。
前の優子なら、きっとそうは思ってなかったんじゃないかな?」
「うーん・・・・そうだね・・・そうかもしれない・・・
きっとね・・・ケイのお陰だと思う・・・」
「なんだそれ?」
「え・・・だって・・・」
あたしがそう言い掛けた時だった、突然、ジャケットのポッケの中で、携帯がぶるって震えた。
あたしは、はっとしてポッケに手を入れて、携帯を取り出してみる。
着信は高田さんからだった。
ケイが、あたしの手を握ったまま、その場で立ち止まる。
あたしは、そんなケイの手をぎゅって握り返しながら電話を受けた。
「もしもし」
「あ、こんばんは~連絡ありがとね~」
携帯の向こうでそう答えた高田さんの声は、心なしか意気揚々としていた。
「いえいえ・・・」
「今、私、新百合ヶ丘着いたとこ、今、どこにいるのかな?」
「えっと~・・・今、南口です。オーパの入り口ですね」
「今行くね。えっと、先方にはもう連絡したの?」
「いえ、今からです」
「判った、すぐいくね」
そこで高田さんからの通話は切れた。