BitteR SweeT StrawberrY
あたしの人生の中で始めて、両親の意見と真っ向から対立したのが、今回の会社を辞める件だったのだ。
両親との話しが終わって、ほんとに、自分でも、自分がすごいって思ってしまった。
今まで、両親に反発したことのなかったあたしが、絶対譲れないって言って反論したから、両親は、それに驚いたらしく、同時に、すごく感心したみたいで、最終的にはあたしのしたいことをしなさいと、そう言ってくれたのだ。
狭かったあたしの世界は、ケイと出合ったことをきっかけにして、今、大きく変わっていこうとしてる。
本当に、美保の言う通り、半年前のあたしでは考えられなかったことが、こうやって現実に起こってしまっているのだ。
だからこそ・・・
あたしは、美保にだけは、言っておきたいことがあった。
大輔にプロポーズされたときに、「片思いの人を頑張れ」ってそうやって背中を押してくれた美保だから、美保にだけは、言っておかないといけない。
あたしはそう思って、ちょっとだけ緊張しながら、ゆっくりと口を開いた。
「美保・・・あのね」
美保は、改まってそう呼びかけたあたしに目線を向けて、不思議そうな顔をする。
「うん?どうしたの?」
「うん・・・あのね」
「うんうん」
「前さ・・・・あたし、好きな人ができたのって、言ったよね?」
「うんうん!あのイケメンさんでしょ?バイト先にいた!」
「ああ・・・・・あの・・・実はね・・・」
「んー?どうしたの???」
あたしが言葉を濁すから、美保はますます不思議そうな顔をしてあたしを覗きこむ。
あたしは、ぎゅって掌を握って、大きく息を吸うと、真っ直ぐに、美保の顔を見つめたのだった。
「あのね・・・・ごめんね、言い出せなくて・・・
どう考えても・・・おかしいから・・・
だけどね・・・・その」
「うーん???どうしたの???なんのこと???」
「あの・・・あのね・・・・あたしの好きな人って・・・
本当は・・・佐野さんじゃなくて・・・美保が見た、あの男の人じゃなくて・・・・」
「え!?そうなの!?」
「うん・・・そうなの・・・本当は・・・・」
「うん」
「本当は・・・」
あたしはもう一度深呼吸すると、意を決してこう言った。
「ケイ・・・バイト先の・・・店長さん・・・・
美保が、ジェイドに似てるって言ってた・・・あの人なの・・・」
「え!?」
美保は、目を丸くして、何度も瞬きしながらあたしの顔を見た。
あたしは、そんな美保をただ、じーっと、真剣な顔をして見つめてしまった。
何か唸るように考えこんだ美保が、ちょっと難しい顔をしながら、あたしにこう言う。
「優ちゃん・・・それ、冗談で言ってるんじゃなくて?」
「冗談じゃないよ。ほんとのこと」
「だって・・・え??店長さんて・・・男の人みたいだけど・・・女だって、優ちゃん言ってたよね??」
「うん・・・女の人だよ・・・」
「・・・・・・・あの」
「・・・・うん」
「それって・・・つまり」
「うん・・・・」
「優ちゃん・・・・女の人のこと好きってこと?」
「うん・・・ケイのこと・・・すごく好きだよ・・・」
「え??恋愛感情として???」
「うん・・・恋愛感情として・・・・」
「えっ!ちょっと待って!優ちゃんて、そんな趣味だったの!?」
「違うよ・・・・ケイは特別なの・・・・
基本は、男の人が恋愛対象で、あたし、元から、そういう気はなかったけど・・・
ケイだけは・・・ほんとに特別なの・・・」
「あの・・・本気で好きってこと?!」
「本気で好きだよ・・・
だから・・・今・・・
まぁ、色々事情はあったんだけど・・・
一緒に住んでる・・・」
「ええ!?やだ!それって・・・えっとつまり、同棲!?」
「うーん・・・そういうことになると思う」
「えと、その・・・待って!今頭整理するから!」
美保は、ものすごく複雑な顔をして、なんだかちょっとおろおろしたように、自分の耳元ピアスを触ると、少しの間、考え込むように押し黙った。
両親との話しが終わって、ほんとに、自分でも、自分がすごいって思ってしまった。
今まで、両親に反発したことのなかったあたしが、絶対譲れないって言って反論したから、両親は、それに驚いたらしく、同時に、すごく感心したみたいで、最終的にはあたしのしたいことをしなさいと、そう言ってくれたのだ。
狭かったあたしの世界は、ケイと出合ったことをきっかけにして、今、大きく変わっていこうとしてる。
本当に、美保の言う通り、半年前のあたしでは考えられなかったことが、こうやって現実に起こってしまっているのだ。
だからこそ・・・
あたしは、美保にだけは、言っておきたいことがあった。
大輔にプロポーズされたときに、「片思いの人を頑張れ」ってそうやって背中を押してくれた美保だから、美保にだけは、言っておかないといけない。
あたしはそう思って、ちょっとだけ緊張しながら、ゆっくりと口を開いた。
「美保・・・あのね」
美保は、改まってそう呼びかけたあたしに目線を向けて、不思議そうな顔をする。
「うん?どうしたの?」
「うん・・・あのね」
「うんうん」
「前さ・・・・あたし、好きな人ができたのって、言ったよね?」
「うんうん!あのイケメンさんでしょ?バイト先にいた!」
「ああ・・・・・あの・・・実はね・・・」
「んー?どうしたの???」
あたしが言葉を濁すから、美保はますます不思議そうな顔をしてあたしを覗きこむ。
あたしは、ぎゅって掌を握って、大きく息を吸うと、真っ直ぐに、美保の顔を見つめたのだった。
「あのね・・・・ごめんね、言い出せなくて・・・
どう考えても・・・おかしいから・・・
だけどね・・・・その」
「うーん???どうしたの???なんのこと???」
「あの・・・あのね・・・・あたしの好きな人って・・・
本当は・・・佐野さんじゃなくて・・・美保が見た、あの男の人じゃなくて・・・・」
「え!?そうなの!?」
「うん・・・そうなの・・・本当は・・・・」
「うん」
「本当は・・・」
あたしはもう一度深呼吸すると、意を決してこう言った。
「ケイ・・・バイト先の・・・店長さん・・・・
美保が、ジェイドに似てるって言ってた・・・あの人なの・・・」
「え!?」
美保は、目を丸くして、何度も瞬きしながらあたしの顔を見た。
あたしは、そんな美保をただ、じーっと、真剣な顔をして見つめてしまった。
何か唸るように考えこんだ美保が、ちょっと難しい顔をしながら、あたしにこう言う。
「優ちゃん・・・それ、冗談で言ってるんじゃなくて?」
「冗談じゃないよ。ほんとのこと」
「だって・・・え??店長さんて・・・男の人みたいだけど・・・女だって、優ちゃん言ってたよね??」
「うん・・・女の人だよ・・・」
「・・・・・・・あの」
「・・・・うん」
「それって・・・つまり」
「うん・・・・」
「優ちゃん・・・・女の人のこと好きってこと?」
「うん・・・ケイのこと・・・すごく好きだよ・・・」
「え??恋愛感情として???」
「うん・・・恋愛感情として・・・・」
「えっ!ちょっと待って!優ちゃんて、そんな趣味だったの!?」
「違うよ・・・・ケイは特別なの・・・・
基本は、男の人が恋愛対象で、あたし、元から、そういう気はなかったけど・・・
ケイだけは・・・ほんとに特別なの・・・」
「あの・・・本気で好きってこと?!」
「本気で好きだよ・・・
だから・・・今・・・
まぁ、色々事情はあったんだけど・・・
一緒に住んでる・・・」
「ええ!?やだ!それって・・・えっとつまり、同棲!?」
「うーん・・・そういうことになると思う」
「えと、その・・・待って!今頭整理するから!」
美保は、ものすごく複雑な顔をして、なんだかちょっとおろおろしたように、自分の耳元ピアスを触ると、少しの間、考え込むように押し黙った。