BitteR SweeT StrawberrY
この人の世界を、少しだけ、あたしも見れるのかもと思うと、心がふわふわするような、そんな不思議な感覚の襲われた。
気付いたら、自分でも意識しないうちに、あたしは、笑ってた。

「おお~~!いいな!バイトさせてもらおうかな・・・っ?」

「いいよ。週末は結構忙しいから、品出しメンバー探してたんだ」

「裏方なら見つからないしね!」

「うん、まぁ、優子が具合悪くしない程度にシフト入れればいいよ」

「はーい」

「なんだよ、急に元気になったな?」

「え?そうかな??」

「うん」

ケイは、あたしの髪を撫でたまま、小さく頷いてから笑った。
なんだか、あたしも笑ってた。
でも、ちょっとだけ時間が気になって腕時計をみると、まだ8時だった。
もう少し、こうやって横になってたいなって思うのはあたしだけかな?
こんなこと思うのは、やっぱり、あたしがおかしいからかな・・・?

「優子」

「はい??」
いきなり名前を呼ばれたから、あたしは、腕時計から目を逸らしてケイを見る。
ケイは、まだ、ちょっとだけよくない顔色のまま、そんなあたしを、ぎゅうっていきなり抱き締めた。

「はうっ・・・!な、なんですかいきなり!」

「女の子の体ってさ、男と違って柔らかいし、なんか気持ちいいから、隣にいられるとこうやりたくなる訳」

「なんですかそれ!?どんな趣味ですか???」

「ああ・・・趣味の域かもな」

「恋愛対象は男の人なんでしょ??ケイは?」

「うーん・・・基本は」

「基本???」

「でも・・・異性も同性も愛せるタイプだよ、オレは」

ケイはおかしそうにそう言って、にっこりと笑った。
そんなケイの言葉に、無駄にどきっとするあたしがいる。

「もぉ・・・っ、なんてことを・・・っ」

「いや、だってほんとのことだから。寝たことあるよ」

「は!?ちょ!それ・・・っ、どういう?!」

「どういうって、そういう意味で」

「ぶ!」

冗談なのか本当なのかわからないように口調でそう言ったケイに、あたしはまた無駄に顔を赤くしてしまった。
ああ!もう訳わかんない!
一体どういう人なんだろ・・・この人は!
ほんとに、どれだけあたしをからかえば気が済むのか・・・

「うぅっ」

言葉に詰まって赤面するあたしを、ケイはおかしそうに見つめていた。

「ほんとに面白い反応するな、そんなんだから、ついついイタズラしたくなるんじゃん。
変なオーラのなせる業ってやつだな」

「へ、変なオーラ・・・うぅ・・・まぁ、確かに・・・よく痴漢にあったり、変な人に絡まれたりするけど・・・」

そう言ったあたしの唇に、またしても・・・ケイの唇が覆いかぶさってきた。
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