BitteR SweeT StrawberrY
ケイと高田さんも、その視線を玄関に向けた。
「あ~・・・腹減った~・・・・」
そんな声と一緒に、玄関のドアから姿を見せたのは・・・そう、佐野さんだった。
ケイは、くすくすと笑ってそんな佐野さんに声をかける。
「おつかれ。ガク、ちょっと来て」
「んー?お・・・」
佐野さんは、不意にきょとんとした顔をすると、片手を髪につっこんだ姿勢で、ゆっくりとリビングに足を踏み入れてくる。
「あれ?見かけない子がいるな?誰??」
相変わらずな佐野さんが、相変わらずの笑顔でケイにそう聞く。
すると、すかさず財布から名刺を取り出した高田さんが、ぱっと立ち上がって佐野さんの前に立って、笑顔でこう言ったのだ。
「週刊CAP!の高田です。はじめまして!」
「は???週刊CAP!って・・・・なんで雑誌記者がここにいんの???」
佐野さんは、まったくもって訳がわからないという顔をして、高田さんとケイの顔を、まじまじと交互に見たのだった。
高田さんは、真剣な顔になって、佐野さんに向かってこう言う。
「実は、MEGLの半生に関するドキュメンターを書いて、出版したいんです。
それで、周辺の方々にも、承諾を得ようと思って、こうやって押し掛けてきました」
「本???ケイの本???」
素っ頓狂な声をあげた佐野さんが、ぱっとケイを振り返る。
ケイは、さっきにみたいににっこり笑って、きょとんとする佐野さんに言うのだった。
「こっちは別にいいよって言ったけどな」
その言葉を聞いて、何故か佐野さんは、あははって可笑しそうに笑った。
「おまえの人生結構劇的だもんな!まぁ、確かに、本にされてもおかしくない!
周辺ってことはさ、もしかして、俺の承諾も取るってことなんかな?」
「礼奈に聞いてみ」
ケイがそう答えると、すかさず高田さんが言う。
「そういうことですね」
それを聞いた佐野さんは、ケイに向かって笑いながら言うのだった。
「何?おまえ、俺のことも話したの?この記者さんに?」
「別にガクの存在も優子の存在も隠すことないし。それにガク抜きじゃ語れないだろ、アタシの人生」
ケイはそう言って笑った。
それにつられて、佐野さんも笑う。
「おっつ!おまえにそう言われるとなんか嬉しいな」
「なんだそれ?」
「いや言葉のままだけど」
そう答えた佐野さんが、視線を高田さんに向けて、言葉を続ける。
「別に俺も構わないよ。ケイとは長い付き合いだし、恥ずかしいことは何もないから。
事実を湾曲されなければ、全然OK。
まぁ、ケイがいいって言うんだから、君は信用できるんだろうからさ」
びっくりするほどの二つ返事で、佐野さんはそう答えた。
そして佐野さんの口からも、ケイと同じように、恥ずかしいことは何もないって言葉が出た。
佐野さんの言葉にも、あたしの弱虫な心はガツンって殴られたような気がした。
恥ずかしいことは何もないから、本として世間に晒されても、何も問題はない・・・・
その言葉は、佐野さんもケイも、自分の人生や生き方に真っ直ぐに向き合ってるっていう証明なのかもしれない。
じゃあ、あたしは・・・・
あたしは・・・
まだ・・・
自分の生き方に、向き合っていないということなのかな?
この日、あたしは久しぶりに、ひどく落ち込んだ。
「あ~・・・腹減った~・・・・」
そんな声と一緒に、玄関のドアから姿を見せたのは・・・そう、佐野さんだった。
ケイは、くすくすと笑ってそんな佐野さんに声をかける。
「おつかれ。ガク、ちょっと来て」
「んー?お・・・」
佐野さんは、不意にきょとんとした顔をすると、片手を髪につっこんだ姿勢で、ゆっくりとリビングに足を踏み入れてくる。
「あれ?見かけない子がいるな?誰??」
相変わらずな佐野さんが、相変わらずの笑顔でケイにそう聞く。
すると、すかさず財布から名刺を取り出した高田さんが、ぱっと立ち上がって佐野さんの前に立って、笑顔でこう言ったのだ。
「週刊CAP!の高田です。はじめまして!」
「は???週刊CAP!って・・・・なんで雑誌記者がここにいんの???」
佐野さんは、まったくもって訳がわからないという顔をして、高田さんとケイの顔を、まじまじと交互に見たのだった。
高田さんは、真剣な顔になって、佐野さんに向かってこう言う。
「実は、MEGLの半生に関するドキュメンターを書いて、出版したいんです。
それで、周辺の方々にも、承諾を得ようと思って、こうやって押し掛けてきました」
「本???ケイの本???」
素っ頓狂な声をあげた佐野さんが、ぱっとケイを振り返る。
ケイは、さっきにみたいににっこり笑って、きょとんとする佐野さんに言うのだった。
「こっちは別にいいよって言ったけどな」
その言葉を聞いて、何故か佐野さんは、あははって可笑しそうに笑った。
「おまえの人生結構劇的だもんな!まぁ、確かに、本にされてもおかしくない!
周辺ってことはさ、もしかして、俺の承諾も取るってことなんかな?」
「礼奈に聞いてみ」
ケイがそう答えると、すかさず高田さんが言う。
「そういうことですね」
それを聞いた佐野さんは、ケイに向かって笑いながら言うのだった。
「何?おまえ、俺のことも話したの?この記者さんに?」
「別にガクの存在も優子の存在も隠すことないし。それにガク抜きじゃ語れないだろ、アタシの人生」
ケイはそう言って笑った。
それにつられて、佐野さんも笑う。
「おっつ!おまえにそう言われるとなんか嬉しいな」
「なんだそれ?」
「いや言葉のままだけど」
そう答えた佐野さんが、視線を高田さんに向けて、言葉を続ける。
「別に俺も構わないよ。ケイとは長い付き合いだし、恥ずかしいことは何もないから。
事実を湾曲されなければ、全然OK。
まぁ、ケイがいいって言うんだから、君は信用できるんだろうからさ」
びっくりするほどの二つ返事で、佐野さんはそう答えた。
そして佐野さんの口からも、ケイと同じように、恥ずかしいことは何もないって言葉が出た。
佐野さんの言葉にも、あたしの弱虫な心はガツンって殴られたような気がした。
恥ずかしいことは何もないから、本として世間に晒されても、何も問題はない・・・・
その言葉は、佐野さんもケイも、自分の人生や生き方に真っ直ぐに向き合ってるっていう証明なのかもしれない。
じゃあ、あたしは・・・・
あたしは・・・
まだ・・・
自分の生き方に、向き合っていないということなのかな?
この日、あたしは久しぶりに、ひどく落ち込んだ。