BitteR SweeT StrawberrY
モデルを辞めたのも、結局は、モデルとして有名になることより、自分が本当にしたい仕事を選んだだけだった。
佐野さんと結婚しなかったのも、どんなに自分が病気に侵されても、自分のしたいことをしたかったから。
たった五歳で、両親を失くして、おじいちゃんが亡くなって、遺産相続でもめる親族と縁を切って、それこそ高校を卒業したばかりで、一人暮らしをはじめた。
きっと天涯孤独になることも覚悟してのことだったと思う。
それでも、ケイは卑屈になんかならないで、こうやって、真っ直ぐに・・・・
実際に天涯孤独になっても、こうやって自分の生き方を見つめて、今も、病気になりながらも、自分に正直に生きている。
こんな生き方。
そう・・・
普通の人にはできないと思う。
だからこそ・・・
そうやって真っ直ぐに生きているからこそ、高田さんだって、ケイの生き方を、本にしたいって思ったんだと思う。
ケイの生き方は、何も恥かしいことはないって、あたしも、そう思う。
じゃあ、あたしは、一体何が恥かしいの?
何が怖いの?
人にどう思われるか・・・・
単にそれが怖いだけじゃない・・・
たったそれだけ・・・
でも、たったそれだけのことが、すごく大きな恐怖に感じているのは・・・・
あたしが、あたしに自身に自信を持ってないから・・・なのかな?
あたしが高田さんの立場だったら、やっぱり、こんなカッコイイケイの生き方を、みんなにも知ってもらいたいって、きっと思うと思う・・・
こういう人間が、世の中にはいるんだよって、そういうのわかって欲しいと思う・・・
そんな気持ちを、ただ、あたしが怖いっていうだけで、止めてしまってもいいのかな・・・?
それとも、あたしが、色々深く考えすぎなのかな?
あたしの心は、まっすぐなケイの視線を見つめたまま、そうやって葛藤していた。
きっと・・・
あたしには・・・
結局は・・・
まだまだ勇気が足りないだけなんだと思う・・・
ケイの生き方には到底及ばない、かっこ悪いあたしの人生。
そういうのが嫌で、会社を辞めて、こうやって、ケイと一緒に暮らして、新しい仕事に就いたはずなのに・・・
そう思ったら、あたしは、あたし自身、本当にバカだなって、そう思ってしまった。
「ケイ・・・・」
あたしは、そう呼びかけて、そっと、ケイのほっぺに自分のほっぺをすりよせた。
「どした?深刻な顔して?」
ケイは、唇だけで穏やかに笑って、そんなあたしの髪を撫でて、ぎゅって抱き締めてくれる。
あたしは、ケイの綺麗なほっぺに自分のほっぺを当てたまま、思わずこう言ったのだ。
「あたし・・・」
「うん・・・」
「弱虫過ぎる・・・」
「なんだ?」
「でもね・・・」
「うん」
「そんな自分が嫌で、必死で、脱皮しようとしてたのに・・・・
あたしって・・・バカだなって」
「どうして?」
「結局、あたしは、あたし自身で、脱皮するのをやめようとしちゃうんだよ。
だからね・・・」
「うん?」
「ここで、脱皮をやめてしまったら、結局は・・・また、もとのつまらないあたしに戻っちゃう気がするの・・・」
「うん・・・」
「あたしはケイが好き・・・」
「知ってるよ」
ケイはそう言って、もう一度穏やかに笑う。
そんなケイの首に両腕を回して、ぎゅって抱き締めたら、急に泣きたくなってきてしまった。
佐野さんと結婚しなかったのも、どんなに自分が病気に侵されても、自分のしたいことをしたかったから。
たった五歳で、両親を失くして、おじいちゃんが亡くなって、遺産相続でもめる親族と縁を切って、それこそ高校を卒業したばかりで、一人暮らしをはじめた。
きっと天涯孤独になることも覚悟してのことだったと思う。
それでも、ケイは卑屈になんかならないで、こうやって、真っ直ぐに・・・・
実際に天涯孤独になっても、こうやって自分の生き方を見つめて、今も、病気になりながらも、自分に正直に生きている。
こんな生き方。
そう・・・
普通の人にはできないと思う。
だからこそ・・・
そうやって真っ直ぐに生きているからこそ、高田さんだって、ケイの生き方を、本にしたいって思ったんだと思う。
ケイの生き方は、何も恥かしいことはないって、あたしも、そう思う。
じゃあ、あたしは、一体何が恥かしいの?
何が怖いの?
人にどう思われるか・・・・
単にそれが怖いだけじゃない・・・
たったそれだけ・・・
でも、たったそれだけのことが、すごく大きな恐怖に感じているのは・・・・
あたしが、あたしに自身に自信を持ってないから・・・なのかな?
あたしが高田さんの立場だったら、やっぱり、こんなカッコイイケイの生き方を、みんなにも知ってもらいたいって、きっと思うと思う・・・
こういう人間が、世の中にはいるんだよって、そういうのわかって欲しいと思う・・・
そんな気持ちを、ただ、あたしが怖いっていうだけで、止めてしまってもいいのかな・・・?
それとも、あたしが、色々深く考えすぎなのかな?
あたしの心は、まっすぐなケイの視線を見つめたまま、そうやって葛藤していた。
きっと・・・
あたしには・・・
結局は・・・
まだまだ勇気が足りないだけなんだと思う・・・
ケイの生き方には到底及ばない、かっこ悪いあたしの人生。
そういうのが嫌で、会社を辞めて、こうやって、ケイと一緒に暮らして、新しい仕事に就いたはずなのに・・・
そう思ったら、あたしは、あたし自身、本当にバカだなって、そう思ってしまった。
「ケイ・・・・」
あたしは、そう呼びかけて、そっと、ケイのほっぺに自分のほっぺをすりよせた。
「どした?深刻な顔して?」
ケイは、唇だけで穏やかに笑って、そんなあたしの髪を撫でて、ぎゅって抱き締めてくれる。
あたしは、ケイの綺麗なほっぺに自分のほっぺを当てたまま、思わずこう言ったのだ。
「あたし・・・」
「うん・・・」
「弱虫過ぎる・・・」
「なんだ?」
「でもね・・・」
「うん」
「そんな自分が嫌で、必死で、脱皮しようとしてたのに・・・・
あたしって・・・バカだなって」
「どうして?」
「結局、あたしは、あたし自身で、脱皮するのをやめようとしちゃうんだよ。
だからね・・・」
「うん?」
「ここで、脱皮をやめてしまったら、結局は・・・また、もとのつまらないあたしに戻っちゃう気がするの・・・」
「うん・・・」
「あたしはケイが好き・・・」
「知ってるよ」
ケイはそう言って、もう一度穏やかに笑う。
そんなケイの首に両腕を回して、ぎゅって抱き締めたら、急に泣きたくなってきてしまった。