BitteR SweeT StrawberrY
うん・・・
あたしは、こうやってお店に出ることが楽しくて仕方ないんだ。
あたしも・・・
もっとお洋服に詳しくなって、ケイのこと、もっと手伝えるように、頑張ろう・・・
あたしは、そう思って、ふぅって息を吐くと、とたんに、なんだか可笑しくなって、みんなと一緒に、あたしも、笑ってしまった。

あたし、お洋服を扱うこのお仕事を、極めてみよう・・・
ケイとか、佐野さんみたいに・・・
すごく詳しくなって・・・
もっともっとケイを手伝えるようにしよう・・・

見つかりかけていて、なかなか見つからなかったあたしの目標は、そうやって、その時、急に一つに、定まった。

転んでも一所懸命走ろう・・・
まだ、ポリシーです!って言えるほど、このお仕事、長くやってる訳じゃないけど、そのうち、ポリシーです!って言えるように、勉強して、経験して、頑張ってやっていこう。
いつか、ケイのお仕事を、隣でまともに手伝えるように、経営とか仕入れとか、そういうのも勉強しよう・・・
ケイがいてくれれば、あたしは、いくら転んでも、きっと立ち上がれるから・・・
ケイがいてくれれば・・・

その時のあたしは、いつも傍にいてくれるケイが、居なくなるなんてこと、頭の隅にも置かないようにしていた。
検査の結果も良好だったし、時々具合悪そうにしてるけど、それでもケイは元気だった。
この時は、他の臓器への転移も認められていなかった。



だから・・・
あたしは・・・
これからずっと・・・
ケイと一緒にいられるって信じていた・・・




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