BitteR SweeT StrawberrY
美保は、ふふって笑って、何かを確信したように、もう一度改まってこう言う。
「入社した時も、村木さんと付き合い始めた時も、優ちゃんて、ずっと同じような色の口紅のつけてた」
「うん・・・そうだったかも」
「だけど、なんか、いきなり違う色つけてる」
「ん?うん・・・それが、どうしたの?」
「それってさ・・・実は、他に気になる人が、できたからじゃないの?」
「えっ!?」
鋭いところを突かれてあたしは、思い切り挙動不審になった。
自分でも、なんでこんなに挙動不審になるかなんてわからないけど、あたしは、なんだかどぎまぎして、落ちつかなくなって、その動揺を隠したいけど隠せなくて、美保の目から視線を逸らしてしまう。
だけど美保には、こんなごまかし効かないことぐらい判ってる。
なんて答えていいのかわからなくて、あたしは、心の中であたふたしたまま、思わず、黙ってしまった。
そんなあたしを見て、美保はおかしそうに笑った。
「もぉ!優ちゃんわかりやすいな~~~」
「うっ・・・そのっ・・・な、なんて言ったら・・・いいか・・・・」
「いいよ~なんかもうわかっちゃった!
村木さんと付き合ったときには、口紅の色は変えなかった。
だけど、今は色を変えてる。それってつまりさ、優ちゃんの中では、きっと、今気になってる人の方が、村木さんより上ってことだと思う」
「ぅうっ・・・・」
そうなのかな?
ほんとにそうなのかな?
確かに、ケイと知り合ってから、あたしは何かがおかしくて、気付いたら、新しい化粧品とか衝動買いしてた。
この口紅は、その衝動買いでゲットした口紅。
ベージュとかオレンジとか、そんな色しか買わなかったのに、この口紅の色は淡いローズ・・・
美保の言う通り、今まで買ってたものとは、全然違う色。
あたし、今までと違う色の口紅買ってたって事実にも、真面目に気付いてなかった。
もう、あたし・・・
ほんとに馬鹿かもしれない!
そんなこと思ったら、急に、あたしの頭の中に、この間のケイとのことが浮かんできて、不覚にも赤面してしまった。
そして、あたしは思った。
親しい女友達は、鋭すぎて怖いって。
だけど、言えない。
その相手が、女の人だなんて、口が裂けたって絶対に言えない。
何も答えられなくなったあたしを見て、美保はおかしそうに笑った。
「もう、優ちゃんはほんと素直だね。そんなに気になってるんだ?その人のこと?」
「ん・・・んー?そ、そうなの、かな?」
「なにそれ!どう見ても気になってますって顔してるよ?優ちゃん?」
「ぅうっ・・・そ、そうかな?」
「女の勘を舐めたらいけないよ!」
「う・・・そうか・・・」
「うん。そんなにカッコイイ人なの?今気になってる人って?」
「うーん・・・・カッコイイ・・・かな?」
「イケメン!?」
「あ・・・えと・・・うーん?ある意味、イケメン・・・かも?
でも・・・見た目って言うか・・・うーん、見た目もそうだけど・・・・
中身が・・・なんかカッコよくて・・・・
あたしとは、全然違う世界に住んでるひとで・・・
色んな人に好かれてて・・・・
なんか、すごく不思議な雰囲気の人で、掴みどころがないんだけど・・・・」
「・・・ぉお!なんか、優ちゃんのイメージじゃないね?そういう人が気になるとか・・・
でも、ほんとは、優ちゃん、そういう人が好みだったのかもよ?
自分では気付いてなかっただけで」
「え?」
「好きになってもしょうがない人だって、どうせ振り向いてくれないって、そう思って、優ちゃんが避けてきた人種なのかも。そういうタイプ」
「・・・・っう」
「いい機会かもよ。村木さんと結婚するかしないか、ちゃんと決められるいい機会かも。
その人には、まだ片思いなの?」
「え?えと・・・・片思い?うんと・・・片思いなんだと思う・・・・
ほんとに、掴み所のない人だから・・・・あたしのこと、どう思ってるかは・・・
よくわからないんだ」
あたしは、そんなことを言いながらも、思わずはにかんで笑ってしまった。
ケイがあたしをどう思ってるかなんて、真面目にわからない。
わからないけど・・・・
「入社した時も、村木さんと付き合い始めた時も、優ちゃんて、ずっと同じような色の口紅のつけてた」
「うん・・・そうだったかも」
「だけど、なんか、いきなり違う色つけてる」
「ん?うん・・・それが、どうしたの?」
「それってさ・・・実は、他に気になる人が、できたからじゃないの?」
「えっ!?」
鋭いところを突かれてあたしは、思い切り挙動不審になった。
自分でも、なんでこんなに挙動不審になるかなんてわからないけど、あたしは、なんだかどぎまぎして、落ちつかなくなって、その動揺を隠したいけど隠せなくて、美保の目から視線を逸らしてしまう。
だけど美保には、こんなごまかし効かないことぐらい判ってる。
なんて答えていいのかわからなくて、あたしは、心の中であたふたしたまま、思わず、黙ってしまった。
そんなあたしを見て、美保はおかしそうに笑った。
「もぉ!優ちゃんわかりやすいな~~~」
「うっ・・・そのっ・・・な、なんて言ったら・・・いいか・・・・」
「いいよ~なんかもうわかっちゃった!
村木さんと付き合ったときには、口紅の色は変えなかった。
だけど、今は色を変えてる。それってつまりさ、優ちゃんの中では、きっと、今気になってる人の方が、村木さんより上ってことだと思う」
「ぅうっ・・・・」
そうなのかな?
ほんとにそうなのかな?
確かに、ケイと知り合ってから、あたしは何かがおかしくて、気付いたら、新しい化粧品とか衝動買いしてた。
この口紅は、その衝動買いでゲットした口紅。
ベージュとかオレンジとか、そんな色しか買わなかったのに、この口紅の色は淡いローズ・・・
美保の言う通り、今まで買ってたものとは、全然違う色。
あたし、今までと違う色の口紅買ってたって事実にも、真面目に気付いてなかった。
もう、あたし・・・
ほんとに馬鹿かもしれない!
そんなこと思ったら、急に、あたしの頭の中に、この間のケイとのことが浮かんできて、不覚にも赤面してしまった。
そして、あたしは思った。
親しい女友達は、鋭すぎて怖いって。
だけど、言えない。
その相手が、女の人だなんて、口が裂けたって絶対に言えない。
何も答えられなくなったあたしを見て、美保はおかしそうに笑った。
「もう、優ちゃんはほんと素直だね。そんなに気になってるんだ?その人のこと?」
「ん・・・んー?そ、そうなの、かな?」
「なにそれ!どう見ても気になってますって顔してるよ?優ちゃん?」
「ぅうっ・・・そ、そうかな?」
「女の勘を舐めたらいけないよ!」
「う・・・そうか・・・」
「うん。そんなにカッコイイ人なの?今気になってる人って?」
「うーん・・・・カッコイイ・・・かな?」
「イケメン!?」
「あ・・・えと・・・うーん?ある意味、イケメン・・・かも?
でも・・・見た目って言うか・・・うーん、見た目もそうだけど・・・・
中身が・・・なんかカッコよくて・・・・
あたしとは、全然違う世界に住んでるひとで・・・
色んな人に好かれてて・・・・
なんか、すごく不思議な雰囲気の人で、掴みどころがないんだけど・・・・」
「・・・ぉお!なんか、優ちゃんのイメージじゃないね?そういう人が気になるとか・・・
でも、ほんとは、優ちゃん、そういう人が好みだったのかもよ?
自分では気付いてなかっただけで」
「え?」
「好きになってもしょうがない人だって、どうせ振り向いてくれないって、そう思って、優ちゃんが避けてきた人種なのかも。そういうタイプ」
「・・・・っう」
「いい機会かもよ。村木さんと結婚するかしないか、ちゃんと決められるいい機会かも。
その人には、まだ片思いなの?」
「え?えと・・・・片思い?うんと・・・片思いなんだと思う・・・・
ほんとに、掴み所のない人だから・・・・あたしのこと、どう思ってるかは・・・
よくわからないんだ」
あたしは、そんなことを言いながらも、思わずはにかんで笑ってしまった。
ケイがあたしをどう思ってるかなんて、真面目にわからない。
わからないけど・・・・