BitteR SweeT StrawberrY
『触りたいと思った子には触るよ。男でも女でもね。
ちゃんと人は選んでるし、そんなしょっちゅうって事もない
優子は・・・つい、触りたくなる変なオーラがあるしな』

そう言ってたケイの言葉が、ふっとあたしの頭を過ぎる。
あたしの勘違いだとは思うけど、あたしのことは特別に触ってるんだよって、変に前向きに聞こえた、あの言葉。
だけどそのことは、いくら美保でも言えない。
だって、ケイは・・・・
女の人なんだもん・・・

「なんか、幸せそうだね?」

美保はくすくすと笑いながらあたしに向かってそう言った。

「え?!」

「村木さんにプロポーズされたって言って時より、なんか楽しそう。
こんな言い方、変だけど、村木さんとその人のこと、天秤にかけてから、プロポーズの返事、出せばいいと思うよ」

「で、でも・・・そんなの・・・ずるい・・・」

「ずるくもなるよ!

だって、結婚は一生ものだよ?死ぬまで一緒にいないといけないんだよ!?
サイコ―――っ!って思える人と、一緒になった方が絶対後悔しないと思う!
もし、後悔しすることになったら・・・・それは自己責任ってことで!」

「ぶっ」

美保はそう言っておかしそうに笑った。
あたしも、思わずつられて笑ってしまう。
大輔に対して、申し訳ないって気持ちはある。
だけど・・・
あたしは・・・
もうちょっとだけ・・・
時間が欲しいって、思った。
ちゃんとした答えを、大輔に出してあげられるまでの時間が欲しいって・・・そう、思った。


< 40 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop