BitteR SweeT StrawberrY
*
それからあたしは、ひたすら検品作業に撤していた。
どちらかといえば、あたしは、こういう黙々とこなす作業が得意な方かもしれない。
お世辞にも華やかといえる性格じゃないし、見た目だって美人じゃない。
確かに、愛想は悪くないとは思うけど、接客業ができるほど気がきくワケじゃないから、こうやって、華やかな仕事の裏方に撤することが、きっとあたしには合ってるんだと思う。
相変わらず、段ボール箱を見つける作業には手間どってるけど、それを見つけた後、中身を確かめる作業はなんだか面白い。
フロアには出てない可愛い服を見つけて、「これ可愛い!」とか一人言を言ってみたり、大胆に胸元の開いた服を見て、意味もなく照れてみたりとか…
あたしって暗いやつだな~って、再確認しちゃって、思い切り苦笑いするけど、気がねなく色んなお洋服を見れて、なんかすごく楽しい。
フロアから聞こえてくるBGM。
それに混じるお客さんの足音が多くなった気がして、腕時計を見ると、時間はもう11時半を回っていた。
気付いたら、もう2時間も経ってて、あたし自身がびっくりしてしまう。
何だか、一人で楽しくやってたから、全然気が付かなかった…あたし、ほんとに、こういう地味な仕事向いてるかも…
そんな事を思いながら、次の段ボールを探していた時だった、不意に、あたしの後で、ぎ~っとドアの開く音がした。
あたしは、ハッとしてドアの方を振り返る。
そこに立っていたのは…
黒いロングコートにサングラス姿の…ケイだった。
無駄にドキッとして、あたしの顔は意味不明に熱くなる。
あぁ、もぉ!
馬鹿じゃないのあたし!
何でこんなに、照れる必要があるのよ?
あたしは、ドギマギしながら、やっとの思いで「お、おはようっ」て言う。
ケイは、綺麗な唇で可笑しそうに笑って、サングラスを外しながら、ゆっくりとあたしの方に近付いてきた。
無駄に照れまくるあたしは、ほんとに無駄にドキドキしながら、上目づかいに、そんなケイを見つめてしまい。
ケイは、いつものように、くすくすって笑って、あたしに言った。
「仕事、どう?順調?」
「う、うん…多分、順調!なんか、楽しいねっ、色んな服があって!」
「そうか。優子が楽しいって思えるなら、優子にバイト頼んだ甲斐もある」
「うん!ほんと、なんか、お仕事って思えないぐらい楽しい感じ。あ、ありがと…お仕事くれて」
「優子は律義だな!」
ケイはそう言って、可笑しそうに笑った。
あたしの目の前で、自分の前髪をかきあげる白くて細い指先。
その指先を見た瞬間、あたしは、またあの日の事を思い出して、もう、馬鹿じゃないかと思うぐらい、照れまくってしまった。
それからあたしは、ひたすら検品作業に撤していた。
どちらかといえば、あたしは、こういう黙々とこなす作業が得意な方かもしれない。
お世辞にも華やかといえる性格じゃないし、見た目だって美人じゃない。
確かに、愛想は悪くないとは思うけど、接客業ができるほど気がきくワケじゃないから、こうやって、華やかな仕事の裏方に撤することが、きっとあたしには合ってるんだと思う。
相変わらず、段ボール箱を見つける作業には手間どってるけど、それを見つけた後、中身を確かめる作業はなんだか面白い。
フロアには出てない可愛い服を見つけて、「これ可愛い!」とか一人言を言ってみたり、大胆に胸元の開いた服を見て、意味もなく照れてみたりとか…
あたしって暗いやつだな~って、再確認しちゃって、思い切り苦笑いするけど、気がねなく色んなお洋服を見れて、なんかすごく楽しい。
フロアから聞こえてくるBGM。
それに混じるお客さんの足音が多くなった気がして、腕時計を見ると、時間はもう11時半を回っていた。
気付いたら、もう2時間も経ってて、あたし自身がびっくりしてしまう。
何だか、一人で楽しくやってたから、全然気が付かなかった…あたし、ほんとに、こういう地味な仕事向いてるかも…
そんな事を思いながら、次の段ボールを探していた時だった、不意に、あたしの後で、ぎ~っとドアの開く音がした。
あたしは、ハッとしてドアの方を振り返る。
そこに立っていたのは…
黒いロングコートにサングラス姿の…ケイだった。
無駄にドキッとして、あたしの顔は意味不明に熱くなる。
あぁ、もぉ!
馬鹿じゃないのあたし!
何でこんなに、照れる必要があるのよ?
あたしは、ドギマギしながら、やっとの思いで「お、おはようっ」て言う。
ケイは、綺麗な唇で可笑しそうに笑って、サングラスを外しながら、ゆっくりとあたしの方に近付いてきた。
無駄に照れまくるあたしは、ほんとに無駄にドキドキしながら、上目づかいに、そんなケイを見つめてしまい。
ケイは、いつものように、くすくすって笑って、あたしに言った。
「仕事、どう?順調?」
「う、うん…多分、順調!なんか、楽しいねっ、色んな服があって!」
「そうか。優子が楽しいって思えるなら、優子にバイト頼んだ甲斐もある」
「うん!ほんと、なんか、お仕事って思えないぐらい楽しい感じ。あ、ありがと…お仕事くれて」
「優子は律義だな!」
ケイはそう言って、可笑しそうに笑った。
あたしの目の前で、自分の前髪をかきあげる白くて細い指先。
その指先を見た瞬間、あたしは、またあの日の事を思い出して、もう、馬鹿じゃないかと思うぐらい、照れまくってしまった。