BitteR SweeT StrawberrY
【9】~is~
*
大輔のメールには上の空。
だけど、ケイと並んで歩いてると、浮かれた気分になるなんて、やっぱり、あたしは、どこかおかしいんだと思う。
だけど、どうしても、心の中のざわめきと、このふわふわした感覚は止めることができなかった。
考えてみれば、こんな気持ちになったのって・・・初めてかもしれない。
中学の時に憧れていた先輩は、女の子にモテモテで、それこそ全然手の届かない人だったから、あたしは、いつも、こっそり影から見てるだけだった。
高校に入ったら、その熱も冷めたけど、両親から「今から大学のことも視野にいれなさい」と釘を刺され、異性のことは極力気にしないようにしてた。
そんなことをしてたら、予想外のところで告白をされて、そのまま、なんとなく付き合って、大学を卒業する頃になんとなく別れて。
今の会社に入って、それで大輔に出会った。
大輔に告白されたときも、そんな感じだった。
付き合い始めは、確かにどきどきはしたけど、なんというか、こんなふわふわした気持ちにはならなかった気がする。
だからと言って、真帆ちゃんみたいに、宝塚に憧れていた訳でも、もちろん、女の子に興味があった訳でもない。
なのにケイには・・・
ケイにはこんなに思いになってしまう。
どきどきして、時々切なくて、それでも、こうやって一緒にいると嬉しくて・・・
あたしは、きっと重症なんだ・・・
自分の中で、「これはおかしいことなんだ」「いけないことなんだ」って、否定すればするほど、どんどん、ドツボにハマっていく気がする。
もぉ、ほんとに、馬鹿じゃないの・・・あたし!
あたしは、隣を歩くケイの横顔をちらっと見た。
ケイは、その視線に気付いて、ふっとこっちを振り返る。
「どした?」
「え?!うんと・・・っ、んー・・・なんでもないっ」
「なんだ?おかしなやつ」
ケイは、可笑しそうに笑った。
あたしは、どぎまぎしながら、上目遣いでそんなケイを見つめると、思わず、聞いてしまった。
「あの・・・どうして、誘ってくれたの?」
自分で質問しておいて、ほんとに馬鹿だなって、あたしは、思わず後悔する。
一体、何を期待してこんなこと聞いたのか・・・
もう、ほんとに、自分で自分がわからなくなってきた・・・
そんなあたしの内心を、知ってるのか、知らないのか、ケイは、こんな言葉で答えた。
「歓迎会でもしてやろうって思ったんだけど、優子の本職のシフトと、こっちのスタッフのシフト、なんかあわなそうだから、個人的に誘ってみた」
「そ、そうなんだ!あ、ありがとう」
「明日は日曜だし、明日よりは今夜の方がいいかなってさ」
「うん・・・あ、でも」
「ん?」
「ケイは?仕事でしょ?まぁ、あたしもそうだけど・・・午後からだから」
「オレは明日も昼からだから、そんな問題ないだろ?」
「そ、そっか・・・っ、なら、大丈夫だね、ちょっとゆっくりだ」
「うん」
ケイは小さく頷いて、唇だけで小さく微笑(わら)う。
それに釣られて、あたしも、思わず微笑ってしまった。
ケイにこうやって笑ってもらえると、なんだか、嬉しい・・・
こんなのおかしいのは判ってるけど、やっぱり、自分の気持ちには、嘘なんてつけないらしかった・・・
大輔のメールには上の空。
だけど、ケイと並んで歩いてると、浮かれた気分になるなんて、やっぱり、あたしは、どこかおかしいんだと思う。
だけど、どうしても、心の中のざわめきと、このふわふわした感覚は止めることができなかった。
考えてみれば、こんな気持ちになったのって・・・初めてかもしれない。
中学の時に憧れていた先輩は、女の子にモテモテで、それこそ全然手の届かない人だったから、あたしは、いつも、こっそり影から見てるだけだった。
高校に入ったら、その熱も冷めたけど、両親から「今から大学のことも視野にいれなさい」と釘を刺され、異性のことは極力気にしないようにしてた。
そんなことをしてたら、予想外のところで告白をされて、そのまま、なんとなく付き合って、大学を卒業する頃になんとなく別れて。
今の会社に入って、それで大輔に出会った。
大輔に告白されたときも、そんな感じだった。
付き合い始めは、確かにどきどきはしたけど、なんというか、こんなふわふわした気持ちにはならなかった気がする。
だからと言って、真帆ちゃんみたいに、宝塚に憧れていた訳でも、もちろん、女の子に興味があった訳でもない。
なのにケイには・・・
ケイにはこんなに思いになってしまう。
どきどきして、時々切なくて、それでも、こうやって一緒にいると嬉しくて・・・
あたしは、きっと重症なんだ・・・
自分の中で、「これはおかしいことなんだ」「いけないことなんだ」って、否定すればするほど、どんどん、ドツボにハマっていく気がする。
もぉ、ほんとに、馬鹿じゃないの・・・あたし!
あたしは、隣を歩くケイの横顔をちらっと見た。
ケイは、その視線に気付いて、ふっとこっちを振り返る。
「どした?」
「え?!うんと・・・っ、んー・・・なんでもないっ」
「なんだ?おかしなやつ」
ケイは、可笑しそうに笑った。
あたしは、どぎまぎしながら、上目遣いでそんなケイを見つめると、思わず、聞いてしまった。
「あの・・・どうして、誘ってくれたの?」
自分で質問しておいて、ほんとに馬鹿だなって、あたしは、思わず後悔する。
一体、何を期待してこんなこと聞いたのか・・・
もう、ほんとに、自分で自分がわからなくなってきた・・・
そんなあたしの内心を、知ってるのか、知らないのか、ケイは、こんな言葉で答えた。
「歓迎会でもしてやろうって思ったんだけど、優子の本職のシフトと、こっちのスタッフのシフト、なんかあわなそうだから、個人的に誘ってみた」
「そ、そうなんだ!あ、ありがとう」
「明日は日曜だし、明日よりは今夜の方がいいかなってさ」
「うん・・・あ、でも」
「ん?」
「ケイは?仕事でしょ?まぁ、あたしもそうだけど・・・午後からだから」
「オレは明日も昼からだから、そんな問題ないだろ?」
「そ、そっか・・・っ、なら、大丈夫だね、ちょっとゆっくりだ」
「うん」
ケイは小さく頷いて、唇だけで小さく微笑(わら)う。
それに釣られて、あたしも、思わず微笑ってしまった。
ケイにこうやって笑ってもらえると、なんだか、嬉しい・・・
こんなのおかしいのは判ってるけど、やっぱり、自分の気持ちには、嘘なんてつけないらしかった・・・