BitteR SweeT StrawberrY
*
うちのお風呂とは違う、ひろーい湯船につかりながら、あたしは、考え込んでいた。
ケイの電話の相手・・・
一体、誰だったんだろう・・
なんだか気になるけど、あたしなんかが聞くようなことじゃないし、変に聞かれても、ケイだって迷惑だろうし、やっぱり、聞けないよね。
『アタシの苺好きな猫が起きてきた・・・』
そんなあたしの頭に、ふっと浮かび上がった、ケイのあの言葉。
あれって、あたしのことだよね・・・?
そう思ったら、あたしは、なんだか急に恥ずかしくなって、また、一人で赤くなってしまう。
ケイに所有物扱いされちゃった・・・
「・・・くふふっ」
自分でも不気味なぐらい、あたしはにやけてしまって、お風呂の中で一人ジタバタする。
あたしって、こんなキモいやつだったかな?って思ったけど、今更ながらに浮かれてきて、顔が緩んでしかたなくなった。
でも。
実際、ケイが、どんなつもりでああ言ったのかは、本人に聞かないとわからない。
だけど、ちょっとだけ前向きに勘違いしても、バチなんか当たらないよね。
そう思って、ジタバタしてた時だった、不意に、お風呂のドアの向こう側に誰かが立った。
「優子」
「っ!!」
いきなり名前を呼ばれて、あたしは、浴槽に沈みそうになる。
その声は、間違いなくケイだ。
あたしは、無駄にあたふたしながら、刷りガラスのドアに映るケイに声を返す。
「あっ、はい!」
「着替え・・・ここ置いとく」
「あ・・・ありがとう!もう、出るよ」
「うん」
ケイのシルエットが、ふっと、ドアの向こうから消える。
あたしは、こんな浮かれた間抜けな顔を見られなくてよかったって思いながら、湯船から出た。
髪から落ちる水滴がちょっと冷たい。
あたしは、片手で髪を押さえながら、お風呂のドアを開ける。
洗面台の横に、きちんとたたんで置かれた着替えに、手を伸ばしかけたとき、いきなり、ばさって頭からバスタオルをかけられた。
「きゃっ!」
あたしはびっくりして、その場にしゃがみこんでしまう。
「驚きすぎ!」
ハッとして、脱衣所の出口を見ると、くすくすとおかしそうに笑いながら、ケイが立っていた。
一瞬で、あたしの全身は真っ赤になってしまう。
「もぉぉぉっ!!」
しゃがみこんだまま、真っ赤になってるあたしの目の前にケイが立つ。
あたしは、フリーズしたまま、そんなケイを見上げてしまった。
ケイは、くすくすと笑いながらしゃがみこむと、あたしの顎を細い指で摘んで、軽くあたしの唇を撫でてから、苺
を練りこんだ生クリームの唇で、あたしの唇を塞いだ。
あたしの心臓は、またいつものようにどきどきと大きな音を立て始めて、あたしの体と頭の芯がカーって熱くなる。
ケイのキスは、スノーフェアリーよりも甘い・・・
あたしの頭は、酔ったみたいにぼーっとしてきて、あたしは、また、この甘くて気持ちの良いキスの虜になる。
あたしは、思わず、ケイの背中に両腕を回してぎゅって抱きついてしまう。
ケイ・・・
ケイはどうして、あたしにこんなキスをするの?
あたしのこと・・・
どう思ってるの?
これは、やっぱり、じゃれてるだけなの?
聞きたいけど、聞けない。
うちのお風呂とは違う、ひろーい湯船につかりながら、あたしは、考え込んでいた。
ケイの電話の相手・・・
一体、誰だったんだろう・・
なんだか気になるけど、あたしなんかが聞くようなことじゃないし、変に聞かれても、ケイだって迷惑だろうし、やっぱり、聞けないよね。
『アタシの苺好きな猫が起きてきた・・・』
そんなあたしの頭に、ふっと浮かび上がった、ケイのあの言葉。
あれって、あたしのことだよね・・・?
そう思ったら、あたしは、なんだか急に恥ずかしくなって、また、一人で赤くなってしまう。
ケイに所有物扱いされちゃった・・・
「・・・くふふっ」
自分でも不気味なぐらい、あたしはにやけてしまって、お風呂の中で一人ジタバタする。
あたしって、こんなキモいやつだったかな?って思ったけど、今更ながらに浮かれてきて、顔が緩んでしかたなくなった。
でも。
実際、ケイが、どんなつもりでああ言ったのかは、本人に聞かないとわからない。
だけど、ちょっとだけ前向きに勘違いしても、バチなんか当たらないよね。
そう思って、ジタバタしてた時だった、不意に、お風呂のドアの向こう側に誰かが立った。
「優子」
「っ!!」
いきなり名前を呼ばれて、あたしは、浴槽に沈みそうになる。
その声は、間違いなくケイだ。
あたしは、無駄にあたふたしながら、刷りガラスのドアに映るケイに声を返す。
「あっ、はい!」
「着替え・・・ここ置いとく」
「あ・・・ありがとう!もう、出るよ」
「うん」
ケイのシルエットが、ふっと、ドアの向こうから消える。
あたしは、こんな浮かれた間抜けな顔を見られなくてよかったって思いながら、湯船から出た。
髪から落ちる水滴がちょっと冷たい。
あたしは、片手で髪を押さえながら、お風呂のドアを開ける。
洗面台の横に、きちんとたたんで置かれた着替えに、手を伸ばしかけたとき、いきなり、ばさって頭からバスタオルをかけられた。
「きゃっ!」
あたしはびっくりして、その場にしゃがみこんでしまう。
「驚きすぎ!」
ハッとして、脱衣所の出口を見ると、くすくすとおかしそうに笑いながら、ケイが立っていた。
一瞬で、あたしの全身は真っ赤になってしまう。
「もぉぉぉっ!!」
しゃがみこんだまま、真っ赤になってるあたしの目の前にケイが立つ。
あたしは、フリーズしたまま、そんなケイを見上げてしまった。
ケイは、くすくすと笑いながらしゃがみこむと、あたしの顎を細い指で摘んで、軽くあたしの唇を撫でてから、苺
を練りこんだ生クリームの唇で、あたしの唇を塞いだ。
あたしの心臓は、またいつものようにどきどきと大きな音を立て始めて、あたしの体と頭の芯がカーって熱くなる。
ケイのキスは、スノーフェアリーよりも甘い・・・
あたしの頭は、酔ったみたいにぼーっとしてきて、あたしは、また、この甘くて気持ちの良いキスの虜になる。
あたしは、思わず、ケイの背中に両腕を回してぎゅって抱きついてしまう。
ケイ・・・
ケイはどうして、あたしにこんなキスをするの?
あたしのこと・・・
どう思ってるの?
これは、やっぱり、じゃれてるだけなの?
聞きたいけど、聞けない。