BitteR SweeT StrawberrY
きっとあたしは、ケイにこういう風にすることが、癖になってるんだ・・・
こうやって触ってもらえて、嬉しいって、そう思ってるんだ・・・
いつの間にか、ケイと二人でいる時間が幸せって思うようになってる自分が、確かにここにいて・・・
やっぱりあたしは、ケイが好きなんだって・・・
そんなのおかしいのは判ってるけど、やっぱりケイが・・
ケイが・・・
好き・・・

「ケイ・・・」

あたしは、上目遣いにケイの綺麗な顔を見上げると、勇気を振り絞って名前を呼んだ。
ケイは、あたしの髪にほっぺを摺り寄せながら、穏やかに細めた視線であたしを見つめる。

「ん?」

「あの・・・」

「うん?」

「笑わないで、ね・・・・」

「んー?」

「きっと、おかしいと思う・・・」

「何言ってんの?おまえ?」

「ん・・・あたし・・・」

「うん?」

「あたし・・・彼氏・・・いるけど・・・
プロポーズもされたけど・・・」

「うん」

「あたし・・・・全然、そんな気(け)はなかったハズだけど・・・」

「うん」

「あたし・・・ケイのこと・・・
きっと、好きに・・・なっちゃった・・・と・・・思う・・・」

我ながら、ほんとに変な告白の言葉だったと思う。
でも、そんな変な告白でも、あたしはものすごく恥ずかしくなって、ぷるぷると震えながらうつむいてしまった。

「予想は『おそらく、好きだろう』レベルか」

ケイは、冗談ぽくそう言ってくすくすと笑う。
あたしは、カーッと顔が熱くなって、ハッと顔を上げた。

「はぅっ・・・な、なにそれ!ひ、ひどいっ!
あ、あたしは・・・っ、まじめ・・・にっ!?」

そう言いかけたとき、ケイの唇が降ってきて、あたしの唇をふさいでしまう。

「っん・・・・」

まるで、『そんなこと、もうとっくに知ってるよ』って言ってるみたいに、ケイは、あたしの唇に小さく三回、フレンチキスをした。
その瞬間、あたしは、なんだか、ふわふわした気分になって、照れながら、もう一度、ぎゅってケイの背中を抱き締めたのだった。




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