BitteR SweeT StrawberrY
【10】~Lk~
あの日、結局あたしは、ケイの気持ちは聞けないままバイトに行って、そして、普通に家に戻ってきた。
寝れたのか寝れてないのか、わからないような眠りに就いて、また、いつもの月曜日がやってきて、あたしは、いつものように会社に出勤した。
全然、ほんとに、普段と変わらない日だった。
だけどあたしは、変にふわふわした気持ちのままだった。
ケイがあたしをどう思ってるのか、それはまだ判らないけど・・・
あの時してくれた、三回のフレンチキスは、少なくとも、あたしの気持ちを拒否してないって、そう、勝手に、勘違いかもしれないけど前向きに考えて、あたしは、ふわふわしてたんだと思う。

ただ・・・
一つ気になるのは・・・
あの日、ケイがしていた電話の相手・・・
あれが、一体誰だったのか・・・
どうしても気になって・・・
ケイは、電話の相手を『ガク』って呼んでた・・・
新城さんなら・・・
知ってるかな・・・

        *
それから数日間、どんなにふわふわしてても、ミスはしない!って決めて、あたしは、頑張って仕事を片付けていった。
お陰で、残業になる日は一日もなかった。
それは、週も半ばに差し掛かった頃の事だった。
その日の昼間、『明日、出張から戻るよ』ってメールが大輔から届いて、あたしの心は、罪悪感で一杯になる。
大輔が恋しいというより、あたしはその時、ケイが恋しくなっていたから・・・
ふわふわな気分が一転しなんだか重い気持ちになってしまった。

我ながら、ほんとに、自分勝手なひどい奴だって思う・・・
ごめんね・・・
大輔・・・

退社時間になり、ふぅっとため息をつきながら、相変わらず、人の流れに合わせて駅へと歩く。
ジャケットのポッケに入れておいた携帯が、ブルっと震えたのはその時だった。
あたしは、ハッとして携帯を取り出し、ディスプレイを見ると、そこにメールの着信を知らせるアイコンが表示されていた。
受信メールを開くと、そのメールは、美保からだった。

『お疲れさま~(。・ω・)ノ゛ ♪
その後、片思いの彼とはどうなったのかにゃ?(*ノノ)
あれから、なんかずっと気になってたんだ(笑)
あたし、もう仕事終わりなんだけど、優ちゃんはもう帰り道かな?
まだ会社なら、ご飯行こうよぉ~♪♪\(^ω^\)( /^ω^)/♪♪』

あたしは、思わず吹きだしてしまう。
ちょっと気分も沈んでたから、すごくナイスなタイミングだった気がする。

返信ボタンを押して『今、会社出たとこだよ~おk♪』って一言返すと、美保は、すぐに『あいあ~い(≧∇≦)♪』って返事をよこした。


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