BitteR SweeT StrawberrY
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「今日は少し嗜好を変えて!」
美保がそう言って、あたしを連れてきた場所は、どういうイタズラなのか、ケイのお店の近所にある・・・インド料理のお店だった。
あたしは、なんだか緊張して、無駄にそわそわしながら、アジアンリゾートテイストの店内を見まわしてしまう。

うぅ・・・こ、これは・・・
あたし・・・なんでこんなに、緊張してんだろう?
ケイのお店の近くだからかな・・・・?
ケイに会いたいって・・・思ってるからかな?

実は、相当動揺していたけど、それを美保に悟られちゃいけないと思って、努めて平静を装ってみた。
美保は、あたしの目の前でナンを頬張りながら、唐突にこんなことを聞いてくる。

「そ・れ・で?」

「え?それでって・・・何が?」

「何がじゃないよぉ~どんな感じになったのかなぁって思って、その片思いの人と?」

「ぶっ」

あたしは、飲んでいたチャイを思わず吹き出しそうになって、げほげほとむせてしまう。
美保は、可笑しそうにあははって笑った。


「ちょ!なんでそんなに動揺してんの?!」
「し、してないよ!ちょっと・・・変なとこに飲み物が入っただけ!」

もう、ほんとに、突然なんていう質問を・・・
そうは思ったけど、なんて答えていいかわからなくなって、あたしは、思わず考え込んだ。
美保に、なんて言えばいいのか・・・
思わず黙り込んだあたしを、なんだか探るような視線で見つめて、美保は、くふふって怪しい笑を浮かべる。

「もぉ・・・優ちゃんは判りやすいなぁっ!絶対なんかあったでしょ!?」

「なっ!!な、何も・・・ないよっ!」

「いや!!その顔は絶対なにかあったね!!」

「な・・・ないよ・・・っ」

あたしは、顔を真っ赤にして、思わず美保から視線を逸らすと、誤魔化すように手元のナンを取る。
美保は、またしてもくふふって怪しい笑を浮かべて、こんなこと言ってきた。

「絶対・・・ぜえぇぇっつつたい!なんかあったよね!?そういう顔してるもんっ!!
言ってごらんよぉぉ~」

「ぅう・・・っ!も、もぉ・・・・なんでそんなとこ突っ込みたいのよぉっ?」

「だって気になるじゃん!優ちゃんが、一体どっちを選ぶのか・・・村木さんか、その片思いの人か!相談乗ってあげるよぉ!」

「うっ」

あたしは、顔を真っ赤にしたまま、しばらく唸って、ちらっと美保の顔を見る。
美保は、にこにこしながら、あたしの返答を待ってる。
あたしは、覚悟を決めて・・・・とりあえず、一言。

「こ・・・告白、してみた・・・」

「おおおおおおお!!!優ちゃん頑張った!!で、なんだって?その人?」

「う・・・うん・・・なんか、よく判らない・・・何も、言ってくれなかった・・・
でも・・・」

「でもでも??」

興味津々と言う感じで瞳を輝かす美保を前に、あたしは、またしても黙り込んでしまう。
これは・・・
言っていいのか・・・
悪いのか・・・

「うぅっ・・・」

「もぉもぉ!言ってしまいなさいよぉ!」

「うっ・・・・あの・・・えと・・・」

「うんうん!」

「キ・・・キス・・・された・・・」

「おっふ~~~!!きゃは~~~っ!」

美保は、意味不明にそんな声を上げて、ますます瞳を輝かせる。

「それってさ!それってさ!告ってからされたの?!」

「う・・・うん・・・」

まさか、その前に・・・・色々恥ずかしいことしてたなんて、いくら美保でも言えない。
あたしは、もじもじしながら、ますます顔を赤くしてしまう。
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