BitteR SweeT StrawberrY
会話が上手いのかも…うーん…やっぱりお水の人なのかな~?
男の人のカッコした女の人が、女の人接客するお店もあるって聞いたことあるし…
あたしはそんな事を思いながら、ふと、ハイビジョンテレビの棚を見る。
そこで、あるものが目に付いてしまったのだ…ひっそりと置かれていた写真立て。
そこには、はにかんで笑うサラサラロングヘアの綺麗な女の人と、その人の肩を抱いて笑ってるサーファーっぽい男の人が写っている。
あたしはすぐに、そのサラサラロングヘアの女の人がケイだって気付いた。
写真に写るケイは、日焼けした小麦色のはだで、今よりもふっくらしてて、少し若い感じがしてた。
何年か前に撮った写真なのかもしれない。
見るからに、楽しそうで、どう考えても恋人同士にしか見えない写真だった。
なんだ…やっぱり恋人は、男の人なんだ。
よく考えなくても、それが自然だよね…
男っぽいのはスタイルだけで、ケイは、いたって普通の女の人なんだと、あたしは思った。
ちょっと安心した反面、なんだか、少しだけ残念なような…とっても変な気分になった。
「ふむぅ…」
意味もなく唸ってしまったあたし。
それに気付いているのかいないのか、キッチンからケイはあたしに向かって言ったのだ。
「優子、そこの棚の長方形のとこ、取っ手あるから引っ張って」
「はい?」
ケイの声にハッとして、あたしは慌てて後ろの棚を振り返る。
ケイの言葉通り、棚の真ん中に長方形のボード。
ちゃんと取っ手もついてる。
あたしは訳もわからずそれを引っ張った。
「うわ!これテーブルなんだ!すごいかも!何かのテレビ番組みたい!」
目の前に現れたテーブルに、あたしは、ほんとに、いたって真面目に驚いて、ついでに喜んでしまった。
「これすご~い!真面目にすご~い!いいかもこれ~!」
「高校生か?」
関心しまくるあたしに向かって、ケイは笑いながらそう言うと、両手に持っていたパスタ皿を、テーブルの上に置いた。
レンジでチンのカルボナーラ。
でもちゃんと盛り付けして、黒胡椒と、クレソンまでお行儀よく乗っている。
「おいしそう…」
「ただの冷凍食品だよ。あぁ、デザートもあるよ」
そう言って、ケイはキッチンのカウンターに戻ると、山盛りの苺が乗ったフルーツ皿を、どんとあたしの目の前に置いた。
「はぅ!大粒いちご!?おいしそうっ!」
「目が輝き過ぎ。幼児かよ?」
思わずはしゃいだあたしを見つめ返しながら、ケイはそう言って、また、可笑しそうに笑った。
助けてもらった上に、夕飯までご馳走になったりして…缶チューハイ一本でこんなことになるなんて。
一番図々しいのは、きっとあたしなんだな…
ちょっとだけ自分にがっかりしながら、あたしはチューハイのプルタブを開ける。
そして、山盛りにされた、大粒苺を一個、指でつまんだ。
すると何を思ったのか、ケイがこんな事を口にした。
「ストロベリーは、女の子の舌の味がする。ということは、女の子の舌はストロベリー味ってことだな」
「ぶっ!」
丁度、苺を口に入れたばかりのあたしは思わず、むせてしまった。馬鹿みたいに顔が熱くなるのがわかって、あたしはごほごほとむせながら、ケイの綺麗な顔をまじまじと見つめてしまう。
「な、なんですか?急に!?何を言っちゃってるんですか!?」
「なにもそんなに照れることないじゃん。いたって普通のこと言っただけだけだけど?」
ケイはからかうように笑った。
「もぉ!ケイさんてなんか変わってる…っていうか、女の子とキスしたことあるんですか?!」
「あるよ」
あっさりうなずいたケイに、あたしは更にむせてしまう。
「な、な、何それ!?ちょ、一体どんな世界ですか?!だって、そこの写真、ちゃんと彼氏が…っ」
あたしはそこで、思わず言葉を止めた。
男の人のカッコした女の人が、女の人接客するお店もあるって聞いたことあるし…
あたしはそんな事を思いながら、ふと、ハイビジョンテレビの棚を見る。
そこで、あるものが目に付いてしまったのだ…ひっそりと置かれていた写真立て。
そこには、はにかんで笑うサラサラロングヘアの綺麗な女の人と、その人の肩を抱いて笑ってるサーファーっぽい男の人が写っている。
あたしはすぐに、そのサラサラロングヘアの女の人がケイだって気付いた。
写真に写るケイは、日焼けした小麦色のはだで、今よりもふっくらしてて、少し若い感じがしてた。
何年か前に撮った写真なのかもしれない。
見るからに、楽しそうで、どう考えても恋人同士にしか見えない写真だった。
なんだ…やっぱり恋人は、男の人なんだ。
よく考えなくても、それが自然だよね…
男っぽいのはスタイルだけで、ケイは、いたって普通の女の人なんだと、あたしは思った。
ちょっと安心した反面、なんだか、少しだけ残念なような…とっても変な気分になった。
「ふむぅ…」
意味もなく唸ってしまったあたし。
それに気付いているのかいないのか、キッチンからケイはあたしに向かって言ったのだ。
「優子、そこの棚の長方形のとこ、取っ手あるから引っ張って」
「はい?」
ケイの声にハッとして、あたしは慌てて後ろの棚を振り返る。
ケイの言葉通り、棚の真ん中に長方形のボード。
ちゃんと取っ手もついてる。
あたしは訳もわからずそれを引っ張った。
「うわ!これテーブルなんだ!すごいかも!何かのテレビ番組みたい!」
目の前に現れたテーブルに、あたしは、ほんとに、いたって真面目に驚いて、ついでに喜んでしまった。
「これすご~い!真面目にすご~い!いいかもこれ~!」
「高校生か?」
関心しまくるあたしに向かって、ケイは笑いながらそう言うと、両手に持っていたパスタ皿を、テーブルの上に置いた。
レンジでチンのカルボナーラ。
でもちゃんと盛り付けして、黒胡椒と、クレソンまでお行儀よく乗っている。
「おいしそう…」
「ただの冷凍食品だよ。あぁ、デザートもあるよ」
そう言って、ケイはキッチンのカウンターに戻ると、山盛りの苺が乗ったフルーツ皿を、どんとあたしの目の前に置いた。
「はぅ!大粒いちご!?おいしそうっ!」
「目が輝き過ぎ。幼児かよ?」
思わずはしゃいだあたしを見つめ返しながら、ケイはそう言って、また、可笑しそうに笑った。
助けてもらった上に、夕飯までご馳走になったりして…缶チューハイ一本でこんなことになるなんて。
一番図々しいのは、きっとあたしなんだな…
ちょっとだけ自分にがっかりしながら、あたしはチューハイのプルタブを開ける。
そして、山盛りにされた、大粒苺を一個、指でつまんだ。
すると何を思ったのか、ケイがこんな事を口にした。
「ストロベリーは、女の子の舌の味がする。ということは、女の子の舌はストロベリー味ってことだな」
「ぶっ!」
丁度、苺を口に入れたばかりのあたしは思わず、むせてしまった。馬鹿みたいに顔が熱くなるのがわかって、あたしはごほごほとむせながら、ケイの綺麗な顔をまじまじと見つめてしまう。
「な、なんですか?急に!?何を言っちゃってるんですか!?」
「なにもそんなに照れることないじゃん。いたって普通のこと言っただけだけだけど?」
ケイはからかうように笑った。
「もぉ!ケイさんてなんか変わってる…っていうか、女の子とキスしたことあるんですか?!」
「あるよ」
あっさりうなずいたケイに、あたしは更にむせてしまう。
「な、な、何それ!?ちょ、一体どんな世界ですか?!だって、そこの写真、ちゃんと彼氏が…っ」
あたしはそこで、思わず言葉を止めた。