BitteR SweeT StrawberrY
*
食事が終ると、大輔はあたしをマンションまで送ってくれた。
そのまま、大輔があたしの部屋に来るときは、あたしとセックスがしたい時。
大輔は、お風呂に入ったあたしを、小さなベッドの上で抱く。
あたしが一人暮らしのせいか、大抵、セックスするときはあたしの部屋だった。
ホテルなんて、数えるぐらいしか行ったことない。
だけどそれが普通だと思ってた。
あたしの家から会社が遠いという理由で、大輔は、あたしを抱くといそいそと自宅へ帰っていく。
自動的に終電に間に合わせなくちゃいけないから、さっと済ませて、さっと帰るっていう感じだった。
大輔は、週末にあまりあたしの部屋にが来たことがなかった。
日曜日に一緒に出かける時以外、土曜日の夜に会っても大輔は、大抵自宅に帰る。
それも、あたしにとっては普通のことだった。
いくら恋人同士でも、プライベートだって必要だし、あたしも、一人でゆっくりしたいってよく思うから、これといって、違和感も感じてなかった。
大輔はあたしを抱く。
でも、ケイのように唇や舌で、あたしの全身をくまなく触るなんてことはない。
キスはしてくれるけど、ケイのように甘く、あたしの体を芯から溶かしてしまうようなキスをくれる訳じゃない。
大輔を受け入れると、あたしの体は確かに反応するけど、ケイの指や舌がくれるような快感をくれる訳でもない。
あたしが溶けるより先に、大輔は果てて、あたしの体から離れるだけ。
ケイは、あたしが溶けてしまっても、ずっと抱き締めてくれて、『優子は正直で可愛いよ』って言ってくれた・・・
あたしは、大輔に抱かれながら、無意識にそんな風に比べていた。
全てが終わると、大輔は大きく息をして、するってあたしから離れて、あたしの隣に寝転んでしまう。
あたしは、痛みから解放されて、どこか安心して大きく息をついた。
ケイがあたしに触ってくれる時は、あんなに幸せな気分になるのに・・・
大輔に抱かれても、全然、そんな気持ちを感じない・・・
あたしは、毛布を体に巻きつけながら、複雑な気分になってもう一度ため息をついてしまう。
ケイを好きになったのは、大輔が、あたしの心も体も満足させてくれないから悪いって、そうやって、大輔を悪者にしたいのかもしれない。
あたしは・・・
最低な女なんだ・・・
片腕をおでこに当てて、あたしは、泣きそうになりながら、暗い部屋の天井をじっと見つめてしまった。
大輔は、そんなあたしの気持ちに気付かないまま、いそいそと服を着始める。
「じゃぁ、終電、間に合わなくなるから帰るね。また今度」
「あ・・・うん」
いつの間にかきちんとスーツを着ていた大輔が、不意にそう言ったから、あたしは、床に投げてあったパジャマを羽織ると、手元のスイッチを押して部屋の明かりをつけた。
大輔は、セックスの余韻なんてないかのように、ソファの上の通勤バックをとって、ネクタイを締めがら、玄関の方へ歩いていく。
「優子ちゃん、ありがと、またね」
「うん、気をつけて帰ってね」
見送りに出たあたしを振り返ると、大輔は朗らかに笑って軽く手を上げ、玄関のドアを出ていった。
バタンって玄関のドアが閉まる。
あたしは、鍵を閉めながら、急に虚しくなって、そして哀しくなって、あたしの目には、また、大粒の涙が溢れてきた。
あたしは、今、こんなに切ないのに、哀しいのに・・・
大輔は、あたしが何かおかしくなってるって、全然気付かないまま、あたしを抱くだけ抱いて、さっさと帰ってしまった。
セックスが終れば余韻なんてないまま、大輔は帰る。
今まで、これが普通のことで、別におかしいなんて思ってなかった。
大輔は忙しいんだし、仕事もあるんだから、仕方ないって思ってた・・・だから、違和感もなかった。
でも・・・
ケイは、そうじゃなかったから・・・
ケイは、ぎゅってあたしを抱き締めて、可愛いよって言ってくれて、朝まで一緒に寝てくれた。
このギャップは、一体、何なんだろう・・・
どうしてあたしは、今、こんなに、悲しいんだろう・・・
あたしは、くすんくすんって、ほんとに小学生みたいに泣きながら思った。
ケイに会いたいよ・・・
自分で勝手に泣いて、ケイの前から走って逃げたくせに、あたしは、今、こんなにケイに会いたい。
ケイに会いたいよ・・・
でも、会いに行く勇気なんて、その時のあたしにはなかった。
食事が終ると、大輔はあたしをマンションまで送ってくれた。
そのまま、大輔があたしの部屋に来るときは、あたしとセックスがしたい時。
大輔は、お風呂に入ったあたしを、小さなベッドの上で抱く。
あたしが一人暮らしのせいか、大抵、セックスするときはあたしの部屋だった。
ホテルなんて、数えるぐらいしか行ったことない。
だけどそれが普通だと思ってた。
あたしの家から会社が遠いという理由で、大輔は、あたしを抱くといそいそと自宅へ帰っていく。
自動的に終電に間に合わせなくちゃいけないから、さっと済ませて、さっと帰るっていう感じだった。
大輔は、週末にあまりあたしの部屋にが来たことがなかった。
日曜日に一緒に出かける時以外、土曜日の夜に会っても大輔は、大抵自宅に帰る。
それも、あたしにとっては普通のことだった。
いくら恋人同士でも、プライベートだって必要だし、あたしも、一人でゆっくりしたいってよく思うから、これといって、違和感も感じてなかった。
大輔はあたしを抱く。
でも、ケイのように唇や舌で、あたしの全身をくまなく触るなんてことはない。
キスはしてくれるけど、ケイのように甘く、あたしの体を芯から溶かしてしまうようなキスをくれる訳じゃない。
大輔を受け入れると、あたしの体は確かに反応するけど、ケイの指や舌がくれるような快感をくれる訳でもない。
あたしが溶けるより先に、大輔は果てて、あたしの体から離れるだけ。
ケイは、あたしが溶けてしまっても、ずっと抱き締めてくれて、『優子は正直で可愛いよ』って言ってくれた・・・
あたしは、大輔に抱かれながら、無意識にそんな風に比べていた。
全てが終わると、大輔は大きく息をして、するってあたしから離れて、あたしの隣に寝転んでしまう。
あたしは、痛みから解放されて、どこか安心して大きく息をついた。
ケイがあたしに触ってくれる時は、あんなに幸せな気分になるのに・・・
大輔に抱かれても、全然、そんな気持ちを感じない・・・
あたしは、毛布を体に巻きつけながら、複雑な気分になってもう一度ため息をついてしまう。
ケイを好きになったのは、大輔が、あたしの心も体も満足させてくれないから悪いって、そうやって、大輔を悪者にしたいのかもしれない。
あたしは・・・
最低な女なんだ・・・
片腕をおでこに当てて、あたしは、泣きそうになりながら、暗い部屋の天井をじっと見つめてしまった。
大輔は、そんなあたしの気持ちに気付かないまま、いそいそと服を着始める。
「じゃぁ、終電、間に合わなくなるから帰るね。また今度」
「あ・・・うん」
いつの間にかきちんとスーツを着ていた大輔が、不意にそう言ったから、あたしは、床に投げてあったパジャマを羽織ると、手元のスイッチを押して部屋の明かりをつけた。
大輔は、セックスの余韻なんてないかのように、ソファの上の通勤バックをとって、ネクタイを締めがら、玄関の方へ歩いていく。
「優子ちゃん、ありがと、またね」
「うん、気をつけて帰ってね」
見送りに出たあたしを振り返ると、大輔は朗らかに笑って軽く手を上げ、玄関のドアを出ていった。
バタンって玄関のドアが閉まる。
あたしは、鍵を閉めながら、急に虚しくなって、そして哀しくなって、あたしの目には、また、大粒の涙が溢れてきた。
あたしは、今、こんなに切ないのに、哀しいのに・・・
大輔は、あたしが何かおかしくなってるって、全然気付かないまま、あたしを抱くだけ抱いて、さっさと帰ってしまった。
セックスが終れば余韻なんてないまま、大輔は帰る。
今まで、これが普通のことで、別におかしいなんて思ってなかった。
大輔は忙しいんだし、仕事もあるんだから、仕方ないって思ってた・・・だから、違和感もなかった。
でも・・・
ケイは、そうじゃなかったから・・・
ケイは、ぎゅってあたしを抱き締めて、可愛いよって言ってくれて、朝まで一緒に寝てくれた。
このギャップは、一体、何なんだろう・・・
どうしてあたしは、今、こんなに、悲しいんだろう・・・
あたしは、くすんくすんって、ほんとに小学生みたいに泣きながら思った。
ケイに会いたいよ・・・
自分で勝手に泣いて、ケイの前から走って逃げたくせに、あたしは、今、こんなにケイに会いたい。
ケイに会いたいよ・・・
でも、会いに行く勇気なんて、その時のあたしにはなかった。