BitteR SweeT StrawberrY
*
大輔が浮気をしてるかもしれない・・・
そんな美保の考えを聞いて、あたしは確かにショックだったけど・・・
ほんとに、怒る気になんてなれなかった。
結婚したいって言ってくれた大輔の気持ちは、本物だろうと思うし、例え浮気してても、あたしだって同じようなことしてる。
ケイのことを好きになってしまって、大輔の浮気疑惑が浮上しても、あたしはこうやって、ケイのことばっかり考えてる。
一体、あたしは・・・
どうしたいんだろう・・・
このまま大輔と付き合って、結婚したいの?
もし、仮に、ここで大輔と別れたとしても、あたしとケイは、同性同士。
結婚とか、そういう未来なんて、確実にないと思う。
どんなに世間知らずなあたしでも、それぐらいはわかる。
それにケイは・・・
佐野さんと元の関係に戻ってしまうかもしれない・・・
大輔もいなくなって、ケイもいなくなって・・・一人っきりになるよりは、例え浮気されてたとしても、やっぱり、大輔と居たほうがいいかもって、思ってるあたしもいる。
あたしは臆病で、ずるい人間なんだ。
ただ、一人になりたくないだけ、一人じゃなにもできないだけ。
小さくて、狭い人間なんだ。
こんなに弱いあたしに、人生の目標なんて、見つけられるはずもない。
泣きそうになりながら、マンションに戻ったあたしは、エレベーターに乗る。
三階で降りて、自分の部屋に向かう。
誰もいない通路。
三月になったというのに、肌寒い風が吹いてる。
自分の足音だけを聞きながら、あたしは、なんとなく時計を見た。
時間は9時。
ケイが仕事を終える時間。
心はざわめくけど、やっぱり、ケイに会いにいく勇気はなかった。
何かを期待して会いに行って、ケイの口から、佐野さんと元に戻るよって聞かされたりしたら、あたしはきっと、ショックで立ち直れない。
大輔の浮気疑惑よりもすごいショックを受けるだろう、自信がある。
もう、この時点で、天秤はケイに傾いてるんだ。
今更、そんなことに気付いて、あたしは、ますます泣きたくなった。
「うぅ・・・っ」
あたしは、瞼をこすって、零れそうになってた涙を拭う。
部屋の前までたどり着いて、鍵を開けようとして、あたしは、ふと気付いた。
ドアの前に・・・小さな紙袋がおいてある。
「え?」
あたしは、不思議に思ってそれを手に取ると、袋を開けて中を覗いてみた。
すると・・・
甘い苺の香りがふわっと漂って、あたしの目に、赤くて艶やかな大粒の苺が飛び込んでくる。
「え!?」
いくつも入った大粒の苺の上に、小さなカード。
それを手に取って、書いてある文字を読んだ瞬間、あたしは・・・
あたしは、その場にぺたんって座りこんで、せっかく堪えてたのに、涙が溢れて止まらなくなってしまった。
『可愛い優子
この間、一体、何を思ったのかは知らないけど・・・
多分、きっと、それ、全部勘違い(笑)
明日、また、優子に会えるのを楽しみにしてるよ
Kei』
大輔が浮気をしてるかもしれない・・・
そんな美保の考えを聞いて、あたしは確かにショックだったけど・・・
ほんとに、怒る気になんてなれなかった。
結婚したいって言ってくれた大輔の気持ちは、本物だろうと思うし、例え浮気してても、あたしだって同じようなことしてる。
ケイのことを好きになってしまって、大輔の浮気疑惑が浮上しても、あたしはこうやって、ケイのことばっかり考えてる。
一体、あたしは・・・
どうしたいんだろう・・・
このまま大輔と付き合って、結婚したいの?
もし、仮に、ここで大輔と別れたとしても、あたしとケイは、同性同士。
結婚とか、そういう未来なんて、確実にないと思う。
どんなに世間知らずなあたしでも、それぐらいはわかる。
それにケイは・・・
佐野さんと元の関係に戻ってしまうかもしれない・・・
大輔もいなくなって、ケイもいなくなって・・・一人っきりになるよりは、例え浮気されてたとしても、やっぱり、大輔と居たほうがいいかもって、思ってるあたしもいる。
あたしは臆病で、ずるい人間なんだ。
ただ、一人になりたくないだけ、一人じゃなにもできないだけ。
小さくて、狭い人間なんだ。
こんなに弱いあたしに、人生の目標なんて、見つけられるはずもない。
泣きそうになりながら、マンションに戻ったあたしは、エレベーターに乗る。
三階で降りて、自分の部屋に向かう。
誰もいない通路。
三月になったというのに、肌寒い風が吹いてる。
自分の足音だけを聞きながら、あたしは、なんとなく時計を見た。
時間は9時。
ケイが仕事を終える時間。
心はざわめくけど、やっぱり、ケイに会いにいく勇気はなかった。
何かを期待して会いに行って、ケイの口から、佐野さんと元に戻るよって聞かされたりしたら、あたしはきっと、ショックで立ち直れない。
大輔の浮気疑惑よりもすごいショックを受けるだろう、自信がある。
もう、この時点で、天秤はケイに傾いてるんだ。
今更、そんなことに気付いて、あたしは、ますます泣きたくなった。
「うぅ・・・っ」
あたしは、瞼をこすって、零れそうになってた涙を拭う。
部屋の前までたどり着いて、鍵を開けようとして、あたしは、ふと気付いた。
ドアの前に・・・小さな紙袋がおいてある。
「え?」
あたしは、不思議に思ってそれを手に取ると、袋を開けて中を覗いてみた。
すると・・・
甘い苺の香りがふわっと漂って、あたしの目に、赤くて艶やかな大粒の苺が飛び込んでくる。
「え!?」
いくつも入った大粒の苺の上に、小さなカード。
それを手に取って、書いてある文字を読んだ瞬間、あたしは・・・
あたしは、その場にぺたんって座りこんで、せっかく堪えてたのに、涙が溢れて止まらなくなってしまった。
『可愛い優子
この間、一体、何を思ったのかは知らないけど・・・
多分、きっと、それ、全部勘違い(笑)
明日、また、優子に会えるのを楽しみにしてるよ
Kei』