BitteR SweeT StrawberrY
【12】~St~
東急東横線を横浜駅で降りて、根岸線に乗り換えて・・・・やっと辿り着いた場所。
そこは、中華街からほど近い場所にある、お洒落でカッコイイお店だった。
人が多くなってくるこの時間。
お店の前の通りは、観光客らしき人たちと地元の人らしい人たちが入り混じって、結構な人通りがあった。
ケイのお店を出る時に、新城さんがくれた地図を頼りにして辿り着いた、あたし。
なんだか無駄にどきどきしながら、結構な数のお客さんがいる店内に足を踏み入れると、レジにいたスタッフに声をかけた。
「あ、あの『Strenge Berry』から来た者なんですが・・・て、店長さんはいらっしゃいますか?」
ケイのお店の名前でピンと来たのか、レジにいた女の子が「ああ!」と言って笑った。
「ケイたんのとこかから来たんだね。ちょっと待ってね」
佐野さんのお店のスタッフさんも、ケイのこと、知ってるんだ・・・ちょっとびっくり。
その女の子が佐野さんを呼びに行ってる間、あたしは、なんだか挙動不審になって、キョロキョロとお店の中を見回してしまった。
それであたしは、ふと気付いた。
ケイのお店の品揃えとは違うけど、なんか、佐野さんとケイって、もしかしたらセンスが似てるかもしれないって・・・ことに。
インテリアとか、お店の作りとかは全然違うけど、ケイと佐野さんは、どこか共通するとこがあるような気がする。
『パートナーでライバルで恋人・・・もう一回、そんな関係やってみたくなったんだよ。
1ナノぐらい、おまえにもそう思って欲しい』
あの時、佐野さんがケイに言ってた言葉があたしの心に蘇ってきて、あたしの胸は、ズキッて痛んだ。
パートナーでライバルで恋人・・・
よく考えたら、それって、すごいことなんじゃないかって思う。
恋愛感情だけの関係じゃなくて、お互いに一人の人間同士として認め合って、信頼しあって、そして刺激しあう、とっても深い絆のことなんじゃないかって・・・
だとしたら、やっぱり、あたしの入る場所なんて、どこにもないんじゃないかって・・・
でも・・・
あたしは思った。
どうして、そんな二人が別れることになったんだろうって・・・
なんだか切なくなりながら、そんなことを思っていると、あたしの頭の上から、からかうような響きのする男の人の声がした。
「お?宅配係りは苺猫か?」
「えっ?!」
あたしは、ハッとして顔を上げる。
そこに立っていたのは、センスの良いカジュアルスーツを着た、長身の男の人・・・・佐野さんだった。
「あ!お、お疲れさまです!というか・・・い、苺猫・・・って?」
あたしは、なんだか複雑な気分になりながら、変な愛想笑いをしてしまう。
佐野さんは唇だけで可笑しそうに笑って、あたしの目の前に、このお店のロゴが入ったペーパーバックを差し出した。
「はいよ、これ。ご注文の品物。あそこの業者、手が足りなくなると、日本語もまともに読めない外人雇ったりするからな。そいつらに梱包なんぞさせるから、こういうことになる。まぁ、服の質とデザインは認めるけどな」
あたしは、佐野さんから品物を受け取ると、ぺこっと頭を下げた。
「あ、ありがとうございました。お手間をおかけしました」
佐野さんは、そんなあたしを見て笑う。
「堅苦しいな!まぁ、いいけど・・・コーヒーでもおごるよ、着いてこい」
「は、はい????いえ、でも、これお客さん取りにきちゃうと、あれなんで!」
「客には、昼過ぎに届くって連絡したって、さっき、電話でケイが言ってたぞ。
うちの優子に、手なんか出すんじゃねーぞ、ぼけ~!って釘刺されてさ」
「は、はぁ!?」
素っ頓狂な声を上げたあたしを、佐野さんは、さも愉快そうな顔つきをしてちらっと見ると、声を殺すようにして笑った。
そこは、中華街からほど近い場所にある、お洒落でカッコイイお店だった。
人が多くなってくるこの時間。
お店の前の通りは、観光客らしき人たちと地元の人らしい人たちが入り混じって、結構な人通りがあった。
ケイのお店を出る時に、新城さんがくれた地図を頼りにして辿り着いた、あたし。
なんだか無駄にどきどきしながら、結構な数のお客さんがいる店内に足を踏み入れると、レジにいたスタッフに声をかけた。
「あ、あの『Strenge Berry』から来た者なんですが・・・て、店長さんはいらっしゃいますか?」
ケイのお店の名前でピンと来たのか、レジにいた女の子が「ああ!」と言って笑った。
「ケイたんのとこかから来たんだね。ちょっと待ってね」
佐野さんのお店のスタッフさんも、ケイのこと、知ってるんだ・・・ちょっとびっくり。
その女の子が佐野さんを呼びに行ってる間、あたしは、なんだか挙動不審になって、キョロキョロとお店の中を見回してしまった。
それであたしは、ふと気付いた。
ケイのお店の品揃えとは違うけど、なんか、佐野さんとケイって、もしかしたらセンスが似てるかもしれないって・・・ことに。
インテリアとか、お店の作りとかは全然違うけど、ケイと佐野さんは、どこか共通するとこがあるような気がする。
『パートナーでライバルで恋人・・・もう一回、そんな関係やってみたくなったんだよ。
1ナノぐらい、おまえにもそう思って欲しい』
あの時、佐野さんがケイに言ってた言葉があたしの心に蘇ってきて、あたしの胸は、ズキッて痛んだ。
パートナーでライバルで恋人・・・
よく考えたら、それって、すごいことなんじゃないかって思う。
恋愛感情だけの関係じゃなくて、お互いに一人の人間同士として認め合って、信頼しあって、そして刺激しあう、とっても深い絆のことなんじゃないかって・・・
だとしたら、やっぱり、あたしの入る場所なんて、どこにもないんじゃないかって・・・
でも・・・
あたしは思った。
どうして、そんな二人が別れることになったんだろうって・・・
なんだか切なくなりながら、そんなことを思っていると、あたしの頭の上から、からかうような響きのする男の人の声がした。
「お?宅配係りは苺猫か?」
「えっ?!」
あたしは、ハッとして顔を上げる。
そこに立っていたのは、センスの良いカジュアルスーツを着た、長身の男の人・・・・佐野さんだった。
「あ!お、お疲れさまです!というか・・・い、苺猫・・・って?」
あたしは、なんだか複雑な気分になりながら、変な愛想笑いをしてしまう。
佐野さんは唇だけで可笑しそうに笑って、あたしの目の前に、このお店のロゴが入ったペーパーバックを差し出した。
「はいよ、これ。ご注文の品物。あそこの業者、手が足りなくなると、日本語もまともに読めない外人雇ったりするからな。そいつらに梱包なんぞさせるから、こういうことになる。まぁ、服の質とデザインは認めるけどな」
あたしは、佐野さんから品物を受け取ると、ぺこっと頭を下げた。
「あ、ありがとうございました。お手間をおかけしました」
佐野さんは、そんなあたしを見て笑う。
「堅苦しいな!まぁ、いいけど・・・コーヒーでもおごるよ、着いてこい」
「は、はい????いえ、でも、これお客さん取りにきちゃうと、あれなんで!」
「客には、昼過ぎに届くって連絡したって、さっき、電話でケイが言ってたぞ。
うちの優子に、手なんか出すんじゃねーぞ、ぼけ~!って釘刺されてさ」
「は、はぁ!?」
素っ頓狂な声を上げたあたしを、佐野さんは、さも愉快そうな顔つきをしてちらっと見ると、声を殺すようにして笑った。