BitteR SweeT StrawberrY
*
結局あたしは、何故か佐野さんにコーヒーをおごられることになってしまった。
駅近くにある、チェーン店のカフェ。
カウンター席で無駄に緊張しながら、あたしは、隣でコーヒーを飲んでる佐野さんをちらっと見る。
「あ、あの・・・お店、ほっといて大丈夫なんですか???」
佐野さんは、可笑しそうに笑ってこう答える。
「10分や20分なら大丈夫だよ。うちのスタッフも、それなりにデキる連中だから。何かあったら、携帯鳴らしてくる」
「そ・・・そう、ですか・・・」
あたしは、なんだか緊張が解けきれず、コーヒーカップに口をつけながら、もう一度、ちらっと隣の佐野さんを見てしまう。
佐野さんは、メニュー表のある辺りを眺めながら、にやって感じで笑って、横目であたしを見る。
変なタイミングで目が合ってしまって、あたしは、ハッと視線を逸らした。
佐野さんは、頬杖を付いた姿勢で、あたしに振り返らないまま可笑しそうに笑う。
「挙動不審なやつだな」
「え!?い、いえ!その・・・なんか緊張して・・・」
「なんで?」
「え?だって・・・あたし、男友達とかいないんで・・・
彼氏以外の男の人と、こうやってお茶飲んだこと、あんまりないので・・・」
「寂しいなそれ?」
「そ、そうなんですか?」
「キミさぁ、痴漢に狙われやすいタイプだべ?」
「はい!?な、なんで、そんなこと!わ、わかるんですか?!」
あたしは、一瞬動揺して、思わず佐野さんの横顔をまじまじと見つめてしまう。
佐野さんは、あたしに視線を向けないまま、愉快そうな顔つきで笑う。
「無駄に初心で自己主張できないタイプっぽいし・・・変なオーラ出てるしな」
「ぶ!いえ・・・それ、ケイにも、そう言われて!変なオーラってなんですか?!」
「いや、変なオーラは変なオーラだよ。まぁ、痴漢とかに狙われやすいタイプのオーラかな?」
「は?全然・・・意味が、わからないんですけど・・・」
「ん?とりあえず、なんかしてみるかなって思わせるオーラだよ」
佐野さんはそう言うと、可笑しそうに笑いながらコーヒーを飲んだ。
「なんですかそれ?!」
「いい奴に当たれば、『こいつほっとけないな』って思わせるし、悪いやつに当たれば、『こいつ、何も言ってこなそうだから色々悪さしてみるか』って思わせるオーラ?」
「・・・・・・なんか、わかるような、わからないような・・・」
あたしは、思い切り返答に困って苦笑する。
でも、佐野さんと話してちょっとだけわかった。
佐野さんて、ケイに似てる・・・
というより、ケイの男性バージョンって感じのする人だ。
どこかクールで飄々としてて、きっと、考え方もケイに似てるんだと思う。
こんな人だから、ケイと、恋人してられたんだとなって、そう思った。
どうして、佐野さんは、ケイと、別れることになったんだろう・・・・
あたしは、ちょっとだけ考えこんで、思い切って、こう言ってみた。
「ケイの部屋に・・・写真ありました」
「ん?」
佐野さんは、不思議そうな表情をしてあたしを振り返る。
あたしは、そんな佐野さんと目を合わせないようにしながら、言葉を続けた。
「佐野さんとケイが、付き合ってた頃の写真・・・」
「ああ、それがどした?」
「え?驚かないんですか?」
「なんで?」
聞いてはみたものの、「なんで?」と返されてしまうと、あたしは、次に何を言っていいのかわからなくなって、思わず、言葉を濁した。
結局あたしは、何故か佐野さんにコーヒーをおごられることになってしまった。
駅近くにある、チェーン店のカフェ。
カウンター席で無駄に緊張しながら、あたしは、隣でコーヒーを飲んでる佐野さんをちらっと見る。
「あ、あの・・・お店、ほっといて大丈夫なんですか???」
佐野さんは、可笑しそうに笑ってこう答える。
「10分や20分なら大丈夫だよ。うちのスタッフも、それなりにデキる連中だから。何かあったら、携帯鳴らしてくる」
「そ・・・そう、ですか・・・」
あたしは、なんだか緊張が解けきれず、コーヒーカップに口をつけながら、もう一度、ちらっと隣の佐野さんを見てしまう。
佐野さんは、メニュー表のある辺りを眺めながら、にやって感じで笑って、横目であたしを見る。
変なタイミングで目が合ってしまって、あたしは、ハッと視線を逸らした。
佐野さんは、頬杖を付いた姿勢で、あたしに振り返らないまま可笑しそうに笑う。
「挙動不審なやつだな」
「え!?い、いえ!その・・・なんか緊張して・・・」
「なんで?」
「え?だって・・・あたし、男友達とかいないんで・・・
彼氏以外の男の人と、こうやってお茶飲んだこと、あんまりないので・・・」
「寂しいなそれ?」
「そ、そうなんですか?」
「キミさぁ、痴漢に狙われやすいタイプだべ?」
「はい!?な、なんで、そんなこと!わ、わかるんですか?!」
あたしは、一瞬動揺して、思わず佐野さんの横顔をまじまじと見つめてしまう。
佐野さんは、あたしに視線を向けないまま、愉快そうな顔つきで笑う。
「無駄に初心で自己主張できないタイプっぽいし・・・変なオーラ出てるしな」
「ぶ!いえ・・・それ、ケイにも、そう言われて!変なオーラってなんですか?!」
「いや、変なオーラは変なオーラだよ。まぁ、痴漢とかに狙われやすいタイプのオーラかな?」
「は?全然・・・意味が、わからないんですけど・・・」
「ん?とりあえず、なんかしてみるかなって思わせるオーラだよ」
佐野さんはそう言うと、可笑しそうに笑いながらコーヒーを飲んだ。
「なんですかそれ?!」
「いい奴に当たれば、『こいつほっとけないな』って思わせるし、悪いやつに当たれば、『こいつ、何も言ってこなそうだから色々悪さしてみるか』って思わせるオーラ?」
「・・・・・・なんか、わかるような、わからないような・・・」
あたしは、思い切り返答に困って苦笑する。
でも、佐野さんと話してちょっとだけわかった。
佐野さんて、ケイに似てる・・・
というより、ケイの男性バージョンって感じのする人だ。
どこかクールで飄々としてて、きっと、考え方もケイに似てるんだと思う。
こんな人だから、ケイと、恋人してられたんだとなって、そう思った。
どうして、佐野さんは、ケイと、別れることになったんだろう・・・・
あたしは、ちょっとだけ考えこんで、思い切って、こう言ってみた。
「ケイの部屋に・・・写真ありました」
「ん?」
佐野さんは、不思議そうな表情をしてあたしを振り返る。
あたしは、そんな佐野さんと目を合わせないようにしながら、言葉を続けた。
「佐野さんとケイが、付き合ってた頃の写真・・・」
「ああ、それがどした?」
「え?驚かないんですか?」
「なんで?」
聞いてはみたものの、「なんで?」と返されてしまうと、あたしは、次に何を言っていいのかわからなくなって、思わず、言葉を濁した。