BitteR SweeT StrawberrY
「いえ・・・な、なんとなく・・・」
佐野さんは、喉の奥で可笑しそうに笑った。
「気になるわけだ?」
「え!?気になる・・・・というか・・・なんというか」
「気になってます!って顔してんぞ」
「えぇ!?」
「隠さなくてもわかってるって。キミは、『恋愛の対象』としてケイを見てんだろ?
この間、会った瞬間わかったよ」
「・・・・・っ!?」
とんでもない図星を突かれて、あたしは、思わず言葉を失って、ただ、呆然として、クールに笑う佐野さんの横顔を見つめてしまう。
佐野さんは、ほんとに、全然驚いた様子もなく、飄々とコーヒーカップに口をつけた。
「恋愛関係だった期間も含めて、ケイとはもう10年付き合ってるからな。
過去に何人も、ケイにそんな気持ちを持った女の子見てきたから」
「・・・・・・・・」
顔を赤くして黙りこくったあたしを横目で見て、佐野さんはもう一度、可笑しそうに笑う。
「あいつさ・・・ケイ。
昔っからそうなんだよな。あれはもう、カリスマだな。
気付くと女にも男にも惚れられてる」
「・・・佐野さんは・・・ヤキモチとか・・・妬かなかったんですか?」
「そんなもん妬いてどうするよ?こいつはカリスマだからもうしょうがね~って、諦めてたよ」
そう言って、佐野さんは、あははって笑うと言葉を続ける。
「男に女、モデルだのタレントだののスカウトマン。お見事って言うほど、色んな連中が、あいつの周りに寄ってきてたよな」
「そ、そんなに・・・!?」
「うん。でもまぁ、あんなタイプだから、必要な奴不必要な奴を上手に人を選り分けてやってたな。こいつ賢い女だなって思ったよ。
ついでに、なんて突拍子もない女なんだって思ったこともあったけど」
「突拍子もない・・・ああ、た、確かに・・・そういうとこ、あるかも・・・」
「だろ?」
「同意です・・・」
「うん。昔さ、付き合ってた頃・・・」
「はい・・・」
「休みだったから、朝っぱらからあいつの部屋行ってみたらさ・・・」
「は、はい」
「全然しらねー女の子と、まっぱで寝てたんだよな・・・・あいつ」
「っ!?」
あたしは、思わず、飲んでいたコーヒーを吹きそうになった。
それって、一体、どういう状況なのかと、さすがのあたしも思ってしまう。
苦笑しながら佐野さんを見ると、佐野さんは、何故か愉快そうにこう言った。
「まぁ、こっちは何が起こったんだって思うわな」
「いや、それは思って普通かと・・・」
きっと、ショックだったはずだよね・・・と、ついつい佐野さんに同情するあたしがいる。
でも、佐野さんは、暗い顔をするどころか、ものすごく誇らしそうな顔つきで、言葉を続けた。
「で、あいつだけ起きてきて、さっさか服きて、普通の顔して、飲み物買ってくるとか行って、コンビニ行っちゃって」
「はぁ!?」
「俺と、全然しらねーまっぱの女の子だけ残されて・・・
ちょ!俺、どうしたらいい!?って思うわな」
佐野さんはそう言って、可笑しそうに笑った。
でも、あたしはそんな風に笑えなくて、思わず苦笑する。
「お・・・思いますね」
「だよな~・・・なんか、呆然としてたら、その子が起きて・・・鉢合わせ・・・」
「え・・・っ!?」
「あっちもびっくりしたみたいで、あたふたして服着て、『あなた誰ですか?』って聞かれて、『いえ、ケイの彼氏ですが、なにか?』って答えたら・・・」
「・・・ま、まぁ、そう答えるしか・・・・」
「うん。その子、急に、ごめんなさい連発して泣き出して。よくよく話し聞いてみたら、その子、なんか、自殺しようとしてたらしくて、どこでそんな子見つけたのか、ケイに止めに入られて、まぁ、そんなこんなで、そんなことにって話しで・・・」
「は、はぁ・・・・」
「でも、その子が、最後に俺に言ったことは『ほんとにごめんなさい、でも、ケイのお陰で、もう一度、生きていけそうな気がします、ありがとうございました』だった。
今でもはっきり覚えてるよな、あれ」
そう言って、佐野さんはまた笑う。
佐野さんは、喉の奥で可笑しそうに笑った。
「気になるわけだ?」
「え!?気になる・・・・というか・・・なんというか」
「気になってます!って顔してんぞ」
「えぇ!?」
「隠さなくてもわかってるって。キミは、『恋愛の対象』としてケイを見てんだろ?
この間、会った瞬間わかったよ」
「・・・・・っ!?」
とんでもない図星を突かれて、あたしは、思わず言葉を失って、ただ、呆然として、クールに笑う佐野さんの横顔を見つめてしまう。
佐野さんは、ほんとに、全然驚いた様子もなく、飄々とコーヒーカップに口をつけた。
「恋愛関係だった期間も含めて、ケイとはもう10年付き合ってるからな。
過去に何人も、ケイにそんな気持ちを持った女の子見てきたから」
「・・・・・・・・」
顔を赤くして黙りこくったあたしを横目で見て、佐野さんはもう一度、可笑しそうに笑う。
「あいつさ・・・ケイ。
昔っからそうなんだよな。あれはもう、カリスマだな。
気付くと女にも男にも惚れられてる」
「・・・佐野さんは・・・ヤキモチとか・・・妬かなかったんですか?」
「そんなもん妬いてどうするよ?こいつはカリスマだからもうしょうがね~って、諦めてたよ」
そう言って、佐野さんは、あははって笑うと言葉を続ける。
「男に女、モデルだのタレントだののスカウトマン。お見事って言うほど、色んな連中が、あいつの周りに寄ってきてたよな」
「そ、そんなに・・・!?」
「うん。でもまぁ、あんなタイプだから、必要な奴不必要な奴を上手に人を選り分けてやってたな。こいつ賢い女だなって思ったよ。
ついでに、なんて突拍子もない女なんだって思ったこともあったけど」
「突拍子もない・・・ああ、た、確かに・・・そういうとこ、あるかも・・・」
「だろ?」
「同意です・・・」
「うん。昔さ、付き合ってた頃・・・」
「はい・・・」
「休みだったから、朝っぱらからあいつの部屋行ってみたらさ・・・」
「は、はい」
「全然しらねー女の子と、まっぱで寝てたんだよな・・・・あいつ」
「っ!?」
あたしは、思わず、飲んでいたコーヒーを吹きそうになった。
それって、一体、どういう状況なのかと、さすがのあたしも思ってしまう。
苦笑しながら佐野さんを見ると、佐野さんは、何故か愉快そうにこう言った。
「まぁ、こっちは何が起こったんだって思うわな」
「いや、それは思って普通かと・・・」
きっと、ショックだったはずだよね・・・と、ついつい佐野さんに同情するあたしがいる。
でも、佐野さんは、暗い顔をするどころか、ものすごく誇らしそうな顔つきで、言葉を続けた。
「で、あいつだけ起きてきて、さっさか服きて、普通の顔して、飲み物買ってくるとか行って、コンビニ行っちゃって」
「はぁ!?」
「俺と、全然しらねーまっぱの女の子だけ残されて・・・
ちょ!俺、どうしたらいい!?って思うわな」
佐野さんはそう言って、可笑しそうに笑った。
でも、あたしはそんな風に笑えなくて、思わず苦笑する。
「お・・・思いますね」
「だよな~・・・なんか、呆然としてたら、その子が起きて・・・鉢合わせ・・・」
「え・・・っ!?」
「あっちもびっくりしたみたいで、あたふたして服着て、『あなた誰ですか?』って聞かれて、『いえ、ケイの彼氏ですが、なにか?』って答えたら・・・」
「・・・ま、まぁ、そう答えるしか・・・・」
「うん。その子、急に、ごめんなさい連発して泣き出して。よくよく話し聞いてみたら、その子、なんか、自殺しようとしてたらしくて、どこでそんな子見つけたのか、ケイに止めに入られて、まぁ、そんなこんなで、そんなことにって話しで・・・」
「は、はぁ・・・・」
「でも、その子が、最後に俺に言ったことは『ほんとにごめんなさい、でも、ケイのお陰で、もう一度、生きていけそうな気がします、ありがとうございました』だった。
今でもはっきり覚えてるよな、あれ」
そう言って、佐野さんはまた笑う。