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真帆ちゃんは、いきなりその場で正座をして、時代劇みたいに三つ指をついて、いつもの口調で、こう言った。

「おはようございます。ケイ姉たま、優子さま、取り乱してしまい、大変ご迷惑をおかけいたしました」

あたしは、一瞬、きょとんとしたけど、なんだか、その様子がすごく可笑しくて、もう、真帆ちゃんは悪いと思ったんだけど、思いっきり大笑いしてまったのだ。

「あはは!お、おはよう!そんな!そんな改まって挨拶とかしなくてもいいのに!!
もぉ!可愛い!!可愛いよ真帆ちゃん!」

そんなあたしの隣で、ケイはくすくすと笑いながら、そっと手を伸ばして真帆ちゃんの髪を撫でるとこう言った。

「よく逃げ出さなかったな?マホ?成長したなおまえ?
前だったら、あの場で家に逃げ帰って泣き崩れてたよな?
偉くなったよ・・・おまえはほんとに」

真帆ちゃんは、ちょっとだけ目をうるうるさせると、じーってケイの顔を見つめすえる。

「私、ケイ姉たまのお店で働けるのが、至福の喜びですので・・・もう、お家にこもるのは、嫌なのです。なので・・・私」

「そうか、じゃ、もう少し頑張ってもらわないとな」

「はい・・・っ!」

そうやって頷く真帆ちゃんは、ほんとに良い子で頑張り屋さんだなって、あたしは微笑ましく思った。

あたしも・・・
頑張らないとな・・・
目標・・・
見つけないと・・


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