犬との童話な毎日
にこー、と笑う悠は小悪魔だ。
高城が意味不明な雄叫びを上げた。
「今日のも今までと同じ夢だったの?」
高城を放って置いて、悠があたしに向き直る。
その手にはフォークに刺さったミニトマト。
完全に女の子の仕草で口に入れる。
「うん、いつもと同じ」
馬鹿高城が一人悶絶している隣りで頷く。
目の保養だから、と高城はいつも悠のお向かいに座る。
良ーく顔が見える様に、らしい。
「いつもと同じ、犬に食べられる夢だよ」
「いつもと同じって、そんなにしょっちゅう見てんのかよ。お前、何か犬にやらかしたんじゃねぇ?取り憑かれてんだよ、そりゃ」