犬との童話な毎日

「ちょ、お母さんってば……」

お母さんの少しだけ余所行きの洋服の裾を引っ張るも、何の牽制にもならない。
お上品おばさんが顔を顰める。

「はあ?これはうちの嫁ですが」
「あぁ、やっぱりそうでしたか。
姑根性丸出しの台詞ばかりでしたから。
あ、間違っちゃった、妬み心丸出し、って言おうとしたんだったわ」

あぁ、やめて。
胃が痛い。
うちのお母さん、理不尽な事に対して立ち向かう事自体はある意味、尊敬出来るんだけど。
女子中学生の口喧嘩かよ、って言うレベルになる時も多々あるんだ。
最終的にはどっちもどっち、って状態になる事もしばしばあったり……。

「し、失礼な人ねぇ!
私が嫁いびりでもしてるっておっしゃりたいのかしら!」
「あら、とても可愛がっているようには……ねぇ」

ど、同意を求め無いで下さい!


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