犬との童話な毎日
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「色々ざんねーーーん!!!」
早朝5時。
八坂家に突如として響いた大声に驚いた家族が部屋に飛び込んで来て。
お兄ちゃんにはげんこつを喰らい、寝不足のお母さんから朝御飯抜きを喰らい。
それもこれも。
「あんたのせいだからね」
『馬鹿な事を言うな。
俺の安眠を妨害しておいて』
コンビニで買ったおにぎりを齧りながら、いつも使っている駅を目指す。
少し離れた先の黒曜を、じろり、と横目で責めれば、案外と不機嫌そうな返事が返って来た。
うっ、と唸って顔を背ける。
これ以上はやめておこ……。
だってだって。
触れないはず、って思ってたのに。
触られる、ということはやっぱちょっと怖いのだ。
犬嫌いとしては。
首筋を舐められた事、あたしは忘れない。