犬との童話な毎日
今日も黒曜はすれ違うサラリーマンを流れる様に避ける。
あたしも黒曜みたいに華麗に、と行きたいところだけど。
実際はサラリーマンにスクールバックを当ててしまい、慌てて頭を下げる。
戻した視界の角に、余り人の通らない裏道に黒曜がす、と入って行くのが見えて、思わず溜め息。
毎日のように早朝から叩き起こされて。
毎日のように遠回りさせられて。
昨日なんて真っ直ぐ駅に向かえば5分のところを30分!!
こっちは5分だって、1分だって眠っていたいお年頃なのに!!
あーーー。
何だか色々考えてたら腹立って来た。
「毛玉妖怪」
極々小さーーな声で呟きながら、曲がり角を曲がる。
「無愛想妖怪」