犬との童話な毎日

あたしの可愛い幼馴染。

今日らカチューシャ風に左側から右に持っていった細めの編み込みを、耳の後ろで可愛い花付きのバレッタで留めている。
対する本物の女子なはずのあたしは、可愛いヘアピンを付ける訳でも無く、下ろしっぱなし。

うん、そりゃあもう納得の完敗。

「ほら悠、まだ暖かいよ」

「聞けよお前ぇぇっ!」

「冬馬君、うーるーさーいー」

夕ご飯の残り物のコロッケを頬張りながら、背もたれに寄り掛かる。

教室内では所々で仲の良い子同士で机を突き合わせて、楽しそうにランチタイム。
成績優秀なクール系男子は、高城がアホ面さらして誘っても相変わらずの一人メシ。
他クラスの彼氏と一緒に食べている女の子も居る。

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