犬との童話な毎日
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ゆらゆら、揺れているのはあたし?
それとも風かな……。
『小娘。……おい』
……何よ、呼ばないで。
あたし、眠いの。
『じゅぎょう、は良いのか?』
だって。
目、開かないのよ。
『子娘、起きろ』
子守歌みたい。
気持ち良い。
『……立花』
……ねぇ、空耳?
この声はきっと後ろの席から?
そうだよね、黒曜。
気持ちの良い、午後の空気と。
ペンの走る音と、先生の声と。
暖かい日の差す教室で。
ゆらゆら揺れる、あたしの意識。