犬との童話な毎日
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ゆらゆら揺れる。
意識が、夢と現実の世界を行き来する、あのふわふわとした感じ。
がたん。
がちゃがちゃ。
たったった。
どさり。
きゅ、きゅ。
雑音の漂う夢うつつの中で、鼻から息を吸い込んだ。
「ね〜〜え〜〜。六花ぁ」
雑音、雑音。
「寝過ぎじゃない?ねえ、起きてよう。早く起きなきゃ」
「置いてくぞ」
徐々に激しくなっていく揺れ。
その中で聞こえた最後の声は、騒音だな。
それでも、目は開けない。
瞼と体がまだ睡眠を欲している。
どこでも、いくらでも眠れるお年頃なのだ。
「いい加減、起きろっつーの!」