犬との童話な毎日

結論、悠はやっぱり小悪魔だ。
無自覚系ではなくてね。

「だよな!」

頬を染めたまま、高城が頷く。

その拍子に、高城の手の中でおにぎりが、ぽろ、と崩れた。

あ、とあたしが咄嗟に手を出したけれども。
その手に当たって、レジャーシートの外にご飯が転がり出てしまう。
その上、あたしの手元からデザートに食していたゼリーまで転がり落ちるわで。

「……ああ、おむすびころりん」

あたしが心の中で思ったことを、高城がぽつり、と呟く。
うわ、同じレベル。
とがっかりしたのは内緒。





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