犬との童話な毎日
お、大きい!!
怖っ!!
無意識に一歩後退る。
そんなあたしに何故か一歩詰める犬。
息を呑んで、動きを止めて犬の動向を窺うも、犬はこちらを見てるだけ。
犬から視線を外さず、ゆっくりもう一歩踏み出した時だった。
「……!!」
な、ななな何で?!
のそりのそり、と唐突に歩き出した犬に一気に距離を詰められて血の気が引く。
元々、あたしは木の近くに居たし、更に犬はその木の根元に何時の間にか居て。
この大型犬が数歩足を動かしただけで、もう既にあたしが手を伸ばせば届く位置に。
頭の中は軽くパニック状態。
「あ、ああああっち、行ってーーっ」