犬との童話な毎日
「……眠るの?」
今、朝なのに?
何日か前までは、目覚ましが鳴る前にあたしを起こしてでも、外に行こうって。
そう騒いだりしたこともあったのに。
『……ああ、寝る』
あたしの視線を遮るように。
尻尾に口元を埋めて、そのまま漆黒の瞳を閉じる。
ここ二.三日。
黒曜はあたしの近くに居ない。
居ない、と言うよりは朝しか姿を見ない。
昼間も夜も、どこに出掛けているのか姿を現さないんだ。
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