犬との童話な毎日
いや、いいんだよ。
あんな得体の知れない化け犬なんて。
四六時中、一緒にいられても困るし。
むしろむしろ。
そのまま帰って来なくても良いくらいなんだよ。
元々あんな化け犬なんて、飼うつもりもなかったんだから。
沙月ちゃんのところは名前で呼ぶのに、あたしのことは一回も呼んだこともないんだよ。
あんな生意気なヤツ。
他の飼い主を見付けてくれれば、本当せいせいするのに。
……でもね。
「……なんかこの自然消滅を狙ってるかのようなこの中途半端な感じ。どーにも気持ち悪いんだよなぁ……」